登場人物紹介(物語の進行によって更新あり)
こんにちは、工藤湧です。今回は初の書き下ろし連載となる小説をお届けします。今年初めての投稿となる話は予告通り「紙士養成学校の日常」シリーズか、先に投稿した二作の長編の続編か悩みましたが、結局どちらでもない新シリーズとなりました。
本作品は剣と剣とがぶつかり合い、魔法が飛び交い、竜騎士が空を駆けるファンタジー小説です。カグラの特殊能力以外に目立った設定はない……とは思いますが、話の内容で盛り上げて行けたらいいなと考えております。どうぞよろしくお願いします。
・リムド
本作品の主人公。十七歳の少し気弱で好奇心旺盛な少年。十歳の時両親を亡くして大伯父のノーラムに引き取られ、再従姉妹のカグラとは兄妹のように育つ。ある日突然大伯父の命で、カグラの監視役として彼女の旅に同行することになる。
・カグラ
リムドの再従姉妹である十六歳の少女。怠惰で無気力、見た目も平凡で個性に乏しい。今は滅んだ古代種族・多面族の「先祖返り」で、主面体である自身の他に、肉体も人格も異なる三つの副面体を体内に隠し持つ。これから起こるであろう「世界規模の凶事」を調査するように祖父に命じられ、渋々旅に出る。
・グレン
カグラの第一の副面体。燃えるような赤い髪の美女。男並みの体格と怪力を持つ屈強な戦士だが、刃向かう者には容赦しない凶悪な性格の持ち主。リムドは彼女のことが苦手。
・ファシド
カグラの第二の副面体。長身で華奢な体つきの銀髪の青年。カグラを含めた四人の中では飛び抜けて魅了度が高く、性格も温厚。物腰柔らかく口調もなめらかであり、歌が上手い。
・アギ
カグラの第三の副面体。小柄な茶髪の青年。すばしこくて抜け目なく、頭の回転も速いが、手癖が悪いのが欠点。リムドとは気が合う。
・ノーラム
カグラの祖父で、リムドの大伯父。周辺地域では名の通った賢者で、共に両親を亡くしたカグラとリムドを育てた。カグラが言い伝えにある「凶事を招く忌み子」であることから、その行く末を案じてリムドと共に旅に出す。
・マルシャ
転送魔術師アトラの元使い魔で、五十年上生きている雌の黒猫。口が悪く、歯に衣着せぬ物言いをするが、気だてはいい。かつてリムドの状況を記したアトラの手紙を、ノーラムの許へ運んだ。
・ナグナギール
スルーザ王国の山奥に住む、藤色の雄の飛竜。略称はナッグ。飛竜の例に漏れず狡猾で柄が悪く、執念深い。