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お父さんへ

作者: 準々

お父さんへ


筆を執るのにずいぶんと時間がかかってしまいました。ごめんなさい。

まず、この間の結婚記念日、おめでとうございます。

さて、父の日のプレゼントとして、手紙を書くことは前々から決めていたのですが、どうしても卑屈な僕がそれを邪魔してしまって今更になってようやく筆を握っています。

本当なら感謝の言葉だけで便箋を埋めるのが筋であり、父の日のプレゼントとしての正しい姿なのでしょうが今回ばかりは僕の愚痴を書かせていただきます。


お父さんといえば、県議会議員であり、国際交流団体の会長であり、顔が広く、行動力もあるとても素晴らしい人です。尊敬しています。でも、それがかえって僕の心を蝕んでしまうのです。

僕は昔から大成したことがありません。正確には大成するための努力をしたことがないのです。

子供のころ通っていた英語教室の成果も今のこのザマで、ピアノだってまったく弾けない。僕はそんな自分が嫌いです。

何より、そのザマでいてさらに同じ過ちを繰り返し、頭が悪く、運動音痴、かといって友達をたくさん作る話術すらない。そんな今の自分はもっと嫌いです。

僕はいつでもお父さんの背中を見て育ってきました。お父さんが好きなクラシックを聴いたり、お父さんがいつも読んでる新聞を読んでみたり。

それでも、クラシックの旋律に心震わすこともなければ、新聞の内容はチンプンカンプンです。

大人になったら、今のお父さんと同じ年になったら、僕はお父さんみたいになれてるでしょうか?


心の向くまま、推敲もせずに書いた乱文。こんなものをプレゼントとして渡すのはやっぱりおかしいですよね。

大学が夏休みに入ったらまた実家に帰りますので、お説教はその時に。さようなら。


                              ドラ息子より

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