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大国主になった厨二 古事記世界でチート無双  作者: かぐけん&亜美会長
第七章 海人族とイト国の女王編
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顔に刺青はないんじゃないの?

ブックマークや評価ポイント、とてもうれしいです!

 オキの港に船を着岸させると、すぐに警備のやつらが集まってきた。


 俺とスセリが先に船から降りた。

 港は湾になっていて波はおだやかだ。

 ミナは船を港に繋いでいる。


「見慣れない船だがどこから来た? 許可証はあるか?」


 ごつい男たちが四人、まさに海の男って感じだ。

 長髪にヒゲ面、顔に刺青(いれずみ)をしている。

 シャツから出ている太い肩や腕にも、藍色の文様の刺青(いれずみ)がある。

 身長も2メートル近くあるし、でかくてごつくて怖い。


 びびっている俺の隣で、スセリがすっと前に出た。


「わたしはスサノオ大王が息女ワカスセリヒメノミコト、こちらにおわすのは、ワ国の次期大王となられるオオナムチ様です。アマ国王に面会の先触れを出しなさい」


 スセリが威厳を込めた声で告げる。

 さすが大王の娘だ。こういうことには慣れているのだろう。


「ほう」


 男達はなにやら小声で相談しているが、対応が遅い。

 アマ国はワ国に所属する国のはずだが、まだ所属して日が浅いことにも関係あるのだろうか?


「どうしたのです?」


 ヤカミとルウが船から降りてきた。


「なんか許可証がいるとかどうとか言ってるんだけど」


「港湾の管理をしてるのはアマ国の役人じゃなくて、海人の一族なんだよ。だからワ国の名前でも簡単には通用しないんだと思うよ」


 ルウが解説してくれた。

 さすがオキ島民、そのあたりには詳しいようだ。


「どうすればいい?」


「わたしの許可証が使えるかも」


 ルウはてくてくと男達のところに歩いて行って、懐から出した板のようなものを出して見せている。

 ほどなくして男が俺とスセリの前にやってきた。


「いいだろう。船の拘留を認める。警備をつけるなら一日2万円だがどうする?」


「それでは頼む」


 俺は万宝袋(まんぽうぶくろ)からお金を出して支払った。

 テマのレッドギガントボア退治で稼いだ金が、まだたっぷり残っているから余裕がある。


「さて、じゃあアマ国王への謁見の先触れはどうしようかな?」


 アマ国の役人だと思っていた男たちは、港湾警備をしている海人族の男たちだった。

 アマ国の役人なら、ワ国連合でもあるし先触れを頼めると思っていたのだが、さてどうしたものか。


「ムイチくん、わたしが行こうか?」


「ルウ?」


「うん、わたしは里の巫女として育てられたから、使者としての作法も知ってるよ。ムイチくんの役に立てると思う」


 上目使いにこっちを見るルウ、ツインテが揺れると俺の心も揺さぶられる。

 計算された動き、この女あざとい・・・。

 だが、そのあざとさは俺には正解だ。

 もっと狙ってこい。すべて撃たれてやるぜ!


「オオナムチさん?」


「はぅぁ!」


 怒気を含んだスセリの低い声に振り向くと、そこにはスセリという名の鬼がいた。


「なにをデレデレしているのですか」


「いや、違うんだ」


「なにが違うんですか」


「僕の生き方です・・」


「わかってるなら改善してください」


「はい」


 スセリこええ。

 泣き虫でおっとりなのに、こういうときのスセリはこわすぎる。

 スサノオ大王の血を引いていることを、再確認できる瞬間だ。

 こういう瞬間はなるべく遠慮したいものだ。


「それじゃあミナも護衛としてついていってくれるか?」


「あい」


「ミナちゃんいこ」


「あい」


 いつの間にかルウとミナはなかよくなっている。

 ミナがてくてくと歩こうとすると、男の一人が驚いて声をあげた。


「ちょっとその剣を見せてくれ」


 男が血相を変えて、ミナの剣をくいいるように見つめている。

 柄の部分の紋章のようなものを見ると、ミナに向き直った。


「タケミナカタ!? タケミナカタ様?」


「あい」


 ミナってどんだけ有名なんだよ。

 スサノオ大王の娘であるスセリ、イナバ国王の娘であるヤカミ、そして次期大王である俺が形無しだ。


「失礼しました。お通りください」


 男たちの態度があきらかに変わった。

 そして、ルウとミナについて行ってしまった。


「なんなん?」


「さあ、どういうことなのでしょう?」


「スセリはミナのこと知らないの?」


「わたしは城で育てられたので、城の外のことには疎いのです」


 スセリは箱入り娘のようだ。


「聞いたことがあります」


 ヤカミが口を開いた。


「古い海の民をムナカタというそうです。ミナさんはその一族なのではないでしょうか?」


 ミナは出雲東王家の娘で、事代主であるヤエの妹だと聞いている。

 つまり、出雲東王家が海の一族だということなのだろうか?

 たしかにヤエは海のことに詳しかった。

 まったく、この世界ではわからないことだらけだな。


「まあ、また聞いてみよう。先触れが届くまで、広場で時間をつぶそうか」


「はい」


 俺とスセリとヤカミは、連れ立って広場に向かった。

いつも読んでいただいてありがとうございます!

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