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大国主になった厨二 古事記世界でチート無双  作者: かぐけん&亜美会長
第四章 八十神(やそがみ)の迫害編
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爆弾は強いお酒です

ブックマークしてくださったみなさん、読んでくださるみなさん、ありがとうございます!


励みになりますので、みなさんよろしくお願いします!

 テマは想像以上に大きな町だった。


 標高300メートルのテマ山のふもとに発展した町。

 人口は3万5000人。

 ビルなんかの高層建築が無いわけだから、この範囲にそれだけ住んでいるというのは、かなりな人口密集地といえよう。


 北側のエリアはとくににぎやかで、イズモから東に向かう人たちの宿場町にもなっている。

 西側には古い家柄の貴族たちが住んでいるようだ。


 俺たちは北側のエリアにいて、西側の貴族街に向かっている。


「人多いっすね」


「ここは古くから栄えた町だからな。ヨドエ、ヨナゴ、ヤスギの港からの交易品もここに集まる。商業都市だな」


 ムル教官は、かなりの情報通だ。

 メディアも交通網も発展していないわけだから、情報を集めるのは容易(ようい)ではない。

 村を出ないで一生を終えるような人も多い時代なわけで、そんな中でこれだけの知識を持っているのはすごいと思う。

 記憶力と分析力もあるし、判断力と実行力もあるな。


 具体的には、この任務の内容を俺に説明して理解させ、こうしてここまで先導して連れてきたってことがすでにすごいのだ。


 人としてはダメな部類だと思うが、エージェントとしては一流と言えるだろう。


 それと、忘れてはならないのが、体術もすごいってことだ。


 まあ、体術と言ってもヤカミたちのライブの応援ダンスのことだから、任務で役に立つ場面は無いから意味が無いとも思うけどね。

 ああ、これは忘れていい情報だな。

 戦闘能力はワ国軍一般兵士よりすこし強いくらいのレベルだ。


 人としてはダメな部類だと思うが、総合的な能力からしてリーダーにふさわしい人材だと言える。


 まあ、まとめると、人としてはダメな部類ってことだね。


「ムイチ、おまえまたおかしなこと考えてないか?」


 勘もいい。

 これは現代よりはるかに危険が多いこの世界では、とても重要な能力だ。


「ムル教官を頭の中でディスってるだけですから大丈夫です」


「そうか。それならばいい」


「いいのかよ!?」

 

 ミナははぐれないように、俺の服をつかんで歩いている。


 俺たちの宿は、西側の貴族街にあるらしい。

 北側が宿場町なんだけど、そこの宿はいっぱいだったようだ。


 今回の任務は俺たちだけでなく、50くらいのチームで合計300人規模という大きなものだそうだ。

 こんな大規模な任務は一年に一回あるかないからしい。


 これは魔物の被害が短期間に広範囲に渡って発生していることから、魔物の個体数も多いと考えられること、被害にあった人たちが全員殺されていて生存者がいないため、魔物の種類すらわかっていないことから、万全を期すためらしい。


 テマという大きな町の近くだからってこともあるだろう。


 そして、被害は加速度的に増えているようだ。


 歩いている途中にも、町のそこかしこで、この事件の話をしている人たちがいた。


「宿に着いたぞ」


 テマ山の西側の貴族街の真ん中、ひときわ大きな建物だ。


「宿屋・・・じゃない?」


「そうだ、ここは貴族の館だ。われわれはここに宿泊させてもらうことになっている」


 大きな門をくぐると、庭にはたくさんの花が咲いていた。

 そこに、満面の笑顔の女性が立っていた。


「いらっしゃい」


 この屋敷の奥様らしい。

 40代くらいかな?

 貴族っぽい感じではなくて、親しみやすい感じだ。


 部屋に案内されて荷物を置くと、お茶を飲みながら話をすることになった。


 大きなテーブルのある部屋に通された。


 外は暗くなってきたが、部屋の中は光の魔道具が照らしていて、とても明るい。

 貴重な魔道具をこれだけ使っているのはすごい。


「わたしは魔道具販売の仕事をしていたのよ」


 聞いたところ、こういった魔道具を販売する仕事をしていたので、安く仕入れられるツテがあるらしい。


 奥様の名前はミホコさん。

 ミホさんと呼んでくれとのことだった。

 なんと、年齢は40代どころではなく、もっと上らしい。

 しかし、とても若々しく見える人だ。


 そして、テーブルにはもう一人、ミチオさんが座っている。

 近くに住んでいる貴族だ。


 明日からの任務では俺たちに同行して、テマ山のガイドをしてくれることになっているのだ。

 ミホさんと同じくらいの年だそうだが、こちらもとても若々しい。


「二人ともとても若く見えますね」


「そうでしょう?命の泉があるんだもの」


 屋敷の横には、清水井(しみずい)と呼ばれる小さな泉があって、どんなに雨が降らない年でも一度も水が枯れたことがないらしい。

 この集落では、この水を使っているので、みんな若々しいとのことだった。


 明日の朝、出発前に見てみよう。


 ムルさんは宿場町のほうで、各チームのリーダーによる話し合いが行われるということで、そっちに行っている。

 ミナは俺の隣に、ちょこんと座ってお茶菓子を食べている。


 ミホさんもミチオさんもとても気持ちのいい人だ。


 ミチオさんは自分が仕込んだという、とても強いお酒を持ってきていた。


「どうです?おいしいでしょう?」


 爆発するような強いうまさということで、爆弾という名の酒らしい。

 この時代にはまだ爆弾はないと思うから、なにが翻訳されてこうなっているのかは謎だ。

 日本酒なのかな?

 しかし、この爆弾はうまかった。


 お酒は二十歳(はたち)からなんだけど、異世界だからセーフってことで!

 いや、言い訳をさせてもらうと、すごくすすめられるから断りきれないんだよね。


 ミホさんは貴族なのに自分で料理を作っていた。

 料理を作ってもてなすのが好きなのだという。


 たしかにおいしい。


 残念ながら二人とも、今回の魔物の件に関しての情報は持っていなかった。


 ムルさんは帰ってこないので、俺とミナは先に眠ることにした。


 さあ、明日はついに任務だ!

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