いつか来る親との別離(200文字童話)
真夜中の病室で私は 今
死に絶えようとしている貴方の手を強く握った
握り返す力すらもはや残されていない
最期に微かに笑った
強く生きろ そう言って右手はベッドから
垂れ墜ちた
そんな夢を見た 朝、父が笑顔でおはようと言う
おはよう!
朝食はいつもトーストとターンオーバーの目玉焼きと牛乳だ
いつか人と人とはお別れをします
涙を堪えて 悲しさに耐えても 戻ってこない
だから今 愛そう 大切な人を
後悔しないように 伝書鳩が羽ばたき 伝える平和