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前篇*思いがけないチャンス

 人の小説を見て、ちょっと前から書いてみたかった実話思い出したので、この機会に書いてみます。

 それは高2の2学期の出来ごとだ。僕にはクラスに好きな子がいた。彼女の名前は春菜美鈴はるなみすず。彼女とは、高2になって初めて同じクラスになったんだ。うちの学校は商業科で、クラスの大半が女子という環境だったから、教室内を見渡せば女子だらけという、何とも羨ましがられる環境だった。なのに内気な僕ときたら、なんとも情けないことに女子とは会話が出来ないでいた。数少ない男子の、その一部の人としか話せない超が幾つかついてしまうほどの内気少年。それが僕だった。クラスに何人女子がいようとも僕には関係なかった。まあ、あまり興味もなかったのも確かだが。そんな僕にある日転機が訪れた。それは2年になってしばらくたったある日のこと、僕の席の2つ右隣の1つ後ろの席に超可愛い子がいることに気付いたんだ。あー、一言ことわっておくが、超可愛いというのはあくまで僕の主観であって、一般的に本当に超可愛いかどうかは保証はしない。でも、少なくとも僕の目には彼女が超可愛いと見えて、心にも焼き付いて、いつしかどきどきして見るようになった。それまでの僕に全くなかった感情だった。いわゆる初恋というやつだ。それからというもの、学校に行くのがとても楽しみになった。ここでもう1度念の為にことわっておくが、彼女と話せる楽しみではない。僕にはそんな勇気は全くなかったのだ。ただ、時々ちらちら見る、それだけで何かうきうきした。あー、僕は春菜さんのことが好きなんだ。そうはっきり自覚するようになった。でも、話しかけるなんてことは全くもって僕には出来なかった。僕から見て彼女は、背も横幅も平均的で均整がとれていて、明るくて友達も多く、勉強はよく分からないが、何となく出来そうに見える。つまり非の打ちどころのない高嶺の花なのだ。まあ体型に関しては、後から思えばほんの僅かにぽっちゃりめだったかもしれないが、まあそんなことはどうってことなくて、要はまじ超いけてる女子だった訳だ。だから、何の取り柄もない僕には手も足もどころか、一口も出せないままあっさり1学期が終わり、2学期も進展ないまま半分が過ぎようとしていた。そんな10月のある日、突然チャンスがやってきた。

 それは、体育祭の応援の絵を、僕が数少ない友達数人と一緒に放課後居残りで描いていた時のことだった。当時僕は絵には少し自信があって、ちょっと難しい部分を自分でも結構満足に描けた時、僕は思わず呟いた。

 「これ褒めてくれたら嬉しいな。」それは、その時一緒に教室にいた数人の友達にやっと聞こえる程度の呟きに過ぎなかった。はずが、な、な、なんとその呟きから10分くらい経った頃、春菜さんが数人の友達と一緒に教室に入って来たんだ。もうとっくに帰ったと思っていた彼女が、校内のどこで何してたかは知らないが、ひょっこり戻って来て、僕が描いていた絵をしげしげと見ていた。その時、ぼくはと言えば、1つ綺麗に描き切って満足してちょっと休憩してた訳だが、すると彼女、

 「何かこの辺凄くええ感じやわ。」それは、まさにさっきあまりの出来に自画自賛していた部分を指して、凄く気に入ったみたいに繰り返し褒めてくれたんだ。当然、僕は内心「やったー!」がこだましていた訳だが、更に彼女の絶賛は続いた。こ、これは話すチャンスだー!

 読んでいただきありがとうございます。さて、果して僕はこのチャンスをものに出来たのか否か、それは後篇につづきます。

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