ラーメンか否か
このラーメン動いたぞ
目の前にあるこれは果たして本当にラーメンなのか。
袋麺を開けて1口コンロの狭いキッチンで夜食を作った。
醤油ベースの茶色いスープ、薄黄色のちぢれ麺、失敗してボコボコのゆで卵とコンビニのチャーシューをのせた、普通のラーメンだ。
机替わりのダンボールに置く。立ち上る湯気が美味そうだ。さぁ食べようと思っているところに1つ、私を疑問が邪魔している。
これは本当にラーメンなのか?
これが本場と比べてとか、袋麺はラーメンとは言わないとか、過激派な料理評論家のような事を言いたいわけではない。
そもそもラーメンの起源とは、ラーメンの定義とはと言ったようなことを言いたい訳でもない。
何故こうも疑問が止まらないのか。
動いたのだ。麺がひとりでにゆらっと、ミミズが移動するように一瞬だけ、動いた気がするのだ。
気のせいだと言われればその通りなのだが、分かって欲しい。
一人暮らしの深夜二時のラーメンinボロアパート。そういった非科学的な存在に関する妄想も捗ってしまうというものだ。
幽霊のいたずらにしてはしょぼい。もしかして宇宙人?宇宙人ラーメン、ラーメン宇宙人、ラーメン星人?俺は何を言ってるんだ。なんでわざわざ家に?この星の代表でもないし、総理官邸に行けばいいのに。いや、総理官邸が袋麺なんて食べないか。
あ、また動いた気がした。今の麺の動きでたまごの向きが変わった。
本当にラーメンなのか分からない以上、これを食べるべきなのかどうか。
もしこれがラーメン星人だった場合、宇宙人を食べることになる。そうなったら殺人罪に問われないか。勝手に俺の家に入ってるから住居侵入罪になるし…。殺人罪VS住居侵入罪だったら当たり前に殺人罪だよな。
そもそも美味しいのか、そこが問題でもある。不味かったらいよいよ宇宙人じゃないか。
ラーメン食べるのになんでこんなに緊張しないといけないのか。立ち上ってた湯気も消えて麺もすっかり伸びてしまった。
駄目だ、食欲も抑えられないし、宇宙人だとしても、俺の胃に全てを託そう。もういいや、食べてしまえ。
ズルズル、ズババッ、ゴクッ。
ふぅー。
「気のせいだったか〜」




