ファーストモンスター
女神がこの世界について話そうとする時、
積み上がった横の死体の山が動いたような気がした。
「なんや、まぁ良いわ。早よ言え」
気味が悪いがそれを無視しながら女神に言う。
「アハハハあんたの態度は0点だけど、説明はしといてあげる。アハハハ……」
スマホごしで黙り込みこっそりとビデオ通話に変える女神。
「なんやさっさと言えや……」
ケイちゃんが言い終わると横の死体の山が崩れだした。
「アハハハそこ気を付けた方がいいわよ。」
女神の忠告は遅かったようだ。
ピョコンピョコンとリズミカルに死体の中から出てきたのは、赤い粘液状の生物。その見た目は死体から血を吸いだしたかのような赤くドロッとしていた。
ケイちゃんは目を擦りその生物を見つめる。
「なんやこいつ。」
と人差し指でツンツンと触ろうとした時。
「アハハハ、やめといた方がいいわよ。
そいつは……」
と言う頃にはにケイちゃんは、触ってしまっていた。
「手が手が~あーきゃー」
ケイちゃんの悲鳴が響き渡り、ケイちゃんの人差し指は溶け出していた。
「アハハハだから言ったのにアハハハ
ざまぁないわねアハハハ、と笑い事じゃないわね。
ケイちゃんそいつは、あんたらの言うところの
スライムや。今は逃げな。アハハハ」
冷静に判断する女神。
「さ、先に言えや」
痛いながらも叫ぶケイちゃん。
その間にもケイちゃんを敵だと認識した、スライムが近付いてきた。ポヨンポヨンポヨンと弾みながら。ケイちゃんは恐怖からダッシュで逃げ出した。
「痛い痛い痛い阪神が負けた時よりも痛いし腹立つ。」
人差し指の痛みがひどくなる。
「アハハハ、しゃあないあれ食べながら逃げなアハハハ」
女神の笑い声に腹をたてながらも聞き返すケイちゃん。
「あれってなんや!!」
痛いのを我慢しながら悲鳴のように聞く。
「アハハハあれって言ったらあれやー
大阪の人はそれで分かるのでしょうアハハハw」
女神の煽りが火を吹いた。
腹が立つとてもとても腹が立つ、殴ってやりたいと思うケイちゃんである。
「だから、なんや」
ケイちゃんは必死で聞いた。
「アハハハw……
……………………アメ…………」
深くためにためながらも答えたものはアメだった。
「アメなんか食べても解決せぇへんわ!」
キレるケイちゃん。
「アハハハ騙されたと思って食べてごらん。w」
ケイちゃんはスライムの位置を確認しながら何種類もあるアメをトラ柄の手提げ袋から取り出した。
パインアメ。ケイちゃんの好物である。
「食べるぞ。」
アメをなめる、すると人差し指の溶けていた箇所が光に包まれ治っていた。
「パインアメ……スゴ」
ケイちゃんは驚きのあまり片言で言う。
「もしもし、アハハハ私の声、聞こえてますか。
言った通りでしょ。アハハハ。それが私があげた1つ目の力……あなたがそっちの世界に持っていた物の神格化。極端な話し、あなたが身に付けている物はすべて神が扱うレベルの物ばかり。アハハハ
それが一つ目のチート能力。もう一つは」
女神が自慢げにしゃべっている。
ポヨンポヨンポヨンと赤きスライムが静かにも近付いてることも知らずに。




