1.なんでやねん。声高らかに
私の名前はけいこ、商店街のみんなにはケイちゃんって呼ばれてる。今日もいつも通りのお買い物、トラ柄の服を身にまとい、商店街のみんなに挨拶しながら、トラ柄のおばちゃん仲間と長話にはなを咲かす。
「いつの間にか、こんな時間やわ。
お先に失礼させていただきますわ。」
と、あめちゃんを渡しながら言いその場を後にする。ケイちゃんは買い物バックを揺らしながら家に帰宅するのであった。
古びれたアパートの一階、105号室が私と旦那との部屋。
鍵を開けると、旦那の正一がテレビの前で寝ていた。
「帰りましたよ。正一さん。」
「ケイちゃん遅いよー、何時やと思ってんの?」
今日の正一さんは機嫌が悪い、阪神が負けたからである。私もまぁ、人のことは言えませんが。
「すいませんねー。早く料理作りますから。」
料理の支度を始めようと、バックをあさるが
卵がない、
「正一さん、すみませんがちょっと卵買ってきてくれません?」
少し怒りながら。
「ケイちゃん、わし仕事帰りで疲れてんねん。
それぐらいケイちゃんが買ってきなよ」
「なんでやねん、自宅警備員がしゃーない私が買ってくるから。
ちょっと待っててよー。」
トラ柄の服とスマホ、あめちゃんを持ち、家の扉を
開ける
『ガチャ』
いつもの扉より少し変な音がしたような気がしたがそのまま気にせず開ける。
「ま、まぶしい」