虹のうた(ニ篇)
「ダブルブランコ」
ブランコを漕いでいた
漕いではいたけれど
ひとりぼっちでつまらないから
もう降りようかと思っていたら
あなたが傍らに来てくれた
互いの呼吸を感じて
鮮やかな弧を描いて
背中にはあたたかな日差しが
向こう彼方には
虹の姿が
「雨にうたえば」
雨が続いていた梨色の空の下
うたを唄った
風がふいて木の葉が揺れて
見えたんだ
雨上がりに揺れる黄金が
大きな龍のような雲の輪郭を光らせて
七色の橋が浮かんだ
聞こえたんだ
「あれはこの星に映る
太陽の光の本当の姿なんだよ」って
気づいたんだ
そこにはきっと
笑っていてほしいひとが映るんだ