魔王死す
ナナマガリです。前回資金を与えてしまったのが不味かったなーと思いつつ書きました。後、よく使う棒線の幕がずれていることにやっと気付いたんでそのうち修正します。
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前回からの変更点
・「目指せ、隣町!」の圭吾の一部セリフを丁寧語にしました。
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大金を謎の力で手に入れた圭吾たち。一方その頃魔王城近辺では…
「やれやれ。やっと魔王城とやらに着いた。」
忌々しい勇者パーティ一行を葬って数時間後、私は魔王城にやっと到着した。
にしてもこの体、貧弱すぎて困る。魔力がちっとも無い。
「ま、城から感じる魔力からして手刀でも魔王とやらは簡単に殺害できるだろう。それにこの体よりかは強そうだし倒したら体を変えるかな。たく、この体は羽が無くて飛べないのが困る。」
とりあえず道中の敵はほっといてさっさと魔王のところへ向かうか。
それから5分掛からずに魔王の部屋に着くと、
ボギャッと扉をへし折って部屋に侵入した。
「よく来たな人間よ。単独でここまで来たのは褒めてやろう。しかし自分の無鉄砲さを呪うんだな。貴様は今ここで…」
「黙れ。お前のような弱者に発言権は無い。私の体として使われるのを喜ぶが良い。」
「何を言って…」
喋り終える前に私は魔王の首を手刀で切断した。
「やれやれ、いくら何でも弱すぎるだろう。これなら昔の日本の奴のがよっぽど強かったぞ。とりあえず体をもらうとするか。とその前に一応記憶を見ておくか。昔倒されてからしばらくして体に埋め込んだ爆弾を爆発させてきた自爆野郎がいたからな。」
…ふむ。どうやら爆弾は無いようだ。ほほう、魔王軍幹部10名か。気に入らんなぁ敗者の幹部がいるなんて。それじゃあ久しぶりに呼び出すか。
そして私は昔闇に葬り去られた私の部下の上位10体を召喚した。
「お前ら、この城の周辺にいるとされている魔王軍幹部10体をそれぞれ1体ずつ殺害し、それぞれが持っているとされる基地を占領するのだ!」
ひとしきり指示を出し終わったので、
「''魂入替''!」
魔王の体を乗っ取った。
「おっと、お前の能力は頂いておくぞ。」
そして私は元勇者の体を吸収した。こうする事で体の記憶している経験などを奪えるのだ。
さて、次はこの城の中の者を一人残らず傀儡化するか。
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時は少し進んで次の日の朝
「うーん何だ何だ?外が騒がしいぞ?」
外を見てみると新聞屋に人々が群がっている。
どれ新聞を買いに行くかと外に出ると
「おいこれは本当なのか!」とか、「新聞記事に書いてあったが政府はどう動くんだ!」とか怒号が飛び交っていた。
新聞を買って見てみると一面にでかでかと「勇者パーティ崩壊。勇者ヒロの裏切りか。」と書かれていた。気になって読み進めてみると、勇者が急に人が変わったかのようにパーティメンバーを切り付け殺害したらしい。一人だけ生き残ったタンク的な役割の人曰く攻撃に呪いが乗っていて、体を何者かに乗っ取られていると見て良いそうだ。その後勇者は単独で魔王城に向かったそうだ。
…えぇやば過ぎやしませんか?しかも勇者パーティ全滅でしょ?
とりあえず次の記事を見てみると、「魔王軍幹部全滅。謎のモンスターが城を乗っ取り。」と書かれていた。
本当にどうなっているんだ?なんか魔王軍内で内乱でもあったの?
とりあえずこの事実をみんなに伝えに帰ると、みんな何事かと聞いてきたので事態を説明した。
「そうか、では道を急ぐか。」
キャビネットを筆頭に全員同意見だったので、さっさと馬車乗り場へ行った。
幸い金はあるのだ。
馬車乗り場に着くとスーツ姿の男に話しかけられた。
「すみません。ケイゴさんでよろしいでしょうか?」
「はい、そうですが?」
「本当に申し訳ございませんでした。私銀行の者なのですが、こちらの手違いで通帳の中身が貴族の方と入れ替わってしまっていて、、、使ったお金は補填しますので預金を戻させていただきます。本当にこの度は申し訳ありませんでした。」
「あのシルクさん。その棒本物なんですよね?」
「ああそのはずだけれど。ちょっと解析してみる。」
それから少ししてシルクが口を開いた。
「すまんケイゴ。この棒は願いを叶えるんじゃ無い。願いを現実で実現可能な範囲で叶えるみたい。例えば今回だったら''たまたま''銀行のミスにしたみたいだ。」
「何で先に解析しなかったんですか?」
「だってぇめんどくさいんだもん。」
「今度からやってくださいよ?」
「でも、」
「頼みますよ?」
「…はい。」
かくして僕たちはまた貧乏人に戻ったのだった。
勇者パーティが大惨事の中、また一文無しになった圭吾たち。徒歩での旅がまた始まる。
次回 どこ行く?
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