番外編 おるすばん
遅くなってすみません。今回は割と伏線が多かったり、そうでなかったりして…
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家に一人残されたシルクは何をする?
バタン
ケイゴが買い出しに出かけて行った。今家にいるのは私一人だ。
…暇だなぁ。
そう思いつつも久しぶりの温かい家に少し安堵感を覚えたので、久しぶりにゆっくり昔の事を思い出して見ることにした。
あれは今から100年くらい前だったかなぁ。物心ついた時には師匠と魔法の練習をしていたっけ。
最初に教わったのが物体を作る魔法で、最後に教わったのが防御系の魔法。今思えば順番が逆だと思うんだけどなぁ。
よくよく考えてみると師匠は昔から変わった人だった。
急に変な呪文を私の前で唱えるなどの奇行を繰り返す毎日だったっけ。
こんな変な師匠だけどやっぱり尊敬できる。いつも優しくて頼りになって、そんな師匠が好きだった。
でも師匠が強いのには納得がいく。なぜなら体を少なくとも30回は入れ替えているからだ。魔力は才能に比例しはするが、生きていた年数に比例して増えていく。
今あの人の体にはどれほどの魔力があるのやら。考えていても仕方ない。
そういえば師匠とは80年くらい前に独立した時から会っていない。世間で私ばかり評価されている間も、あの人は地道に魔法の研究を重ねているのだろう。もしかすると一度話に出てきた私の兄弟子とやらと一緒にいるのかも知れない。ひょっと...して.....
私の記憶はここで途絶えている。
「…い。おーい。起きてくださーい。」
ん、ケイゴの声がす…
その瞬間私の目が覚めた。寝てしまっていた。
「あっ、いやっ、これはその」
ケイゴの顔がニヤついている。これはきっと碌でもない事を考えているに違いない。
「おいケイゴ!お前何を考えている!」
するとケイゴはニヤニヤしながら、
「寝顔、可愛かったです」
なん…だと
この後の記憶も私には無い。後から聞くと、血の気が消えて立ち尽くし、その日の間死んだような目をしていたようだ。
久しぶりに師匠のことを思うも、寝顔を見られると言う恥ずかしい思い出が残ってしまったシルク。
次回 スライムのお友達を作ろう(仮)
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