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君、名前をしっかり名乗りなさい

今回も読んでいただきありがとうございます。説明ばっかですが、もうすぐ終わりますのでよろしくお願いします。

ーーーーーーーーーーー

突然自分の店の前で女の子を拾った圭吾。この妙に態度の大きい女の子の正体とは一体!?

とりあえず家に帰ってきたのはいいものの、これからどうしよう、、、

家の中で少女と2人。字面だけ見たらとても凄そうに聞こえるが実際はそうでもない。よく分からないけれどあの子は心が読めるのだろうか?とりあえず名前だけでも聞いてみよう。

「なんだ、名前が聞きたいのか?良いぞ別にそれくらい。」

あっやっぱりだ。あの子心読めてる。

「私の名前はカラ・シルク。名前だけ聞いても分からないだろうから分かりやすく言うと2年前に死んだとされる世界最強の魔法使いだ。」

「僕は鈴木圭吾と言います…あっ、あのぅすみません。申し訳ないですけど本当の名前を聞かせてください。」

その名前くらい僕だって知ってる。国のヒーローとして扱われていた国民にも大人気の魔法使いだった人だ。急死してしまった死因が不明で物理的に死んだわけでもなければ病死でも無かった。当時新聞などで大騒ぎになったのを覚えている。

「だから言っているだろう。私は本物のカラ・シルクだ。信じないのであれば良い加減例のことを大衆の前で...」

「分かりましたから分かりましたから!どうかそれだけはおやめください!じゃあ非常におこがましいんですけど何か普通できないような魔法の一つや二つ見せてくださいよ、本物なんでしょう?」

それに対して彼女は言った。

「出来ん」

(この子やっぱりただの家出少女なのかな?警察へ連れてこうか…)

そう僕が思った瞬間、彼女はこう言った。

「警察へ行くのは待て!この姿では誰も信じてはくれん!最後まで話を聞いてからにしてくれ!」

「わっ、分かりましたから暴れるのはやめてください!」

とりあえず僕は彼女の話を聞くことにした。

「まず先に話を聞いてもらうのと落ち着いてもらえるようにこの魔法を掛けておく。」

彼女はそう言って、僕に手を向けると、

「では見せてやろう。ちょっと詠唱するから動くなよ。生物の全てを司る大いなる神よ!今我にこの生物の心を破壊する力を!"精神崩壊(メンタルブレイク)局所的(ピンポイント)"!」

と、唱えた途端手から謎の光が出て僕を包み込んだ。

「なっ何だ?体から感情が抜けていく感覚が、、、」

「ふっふっふ、これなかなかに凄いことなのだぞ。」

「具体的に何が凄いんですか?」

「よくぞ聞いてくれたケイゴよ!実はメンタルブレイクというのは相手の精神を崩壊させる魔法なのだが…っておい殴ろうとするんじゃ無い!話は最後まで聞け!」

「だってだってそんな事されたら僕廃人じゃないですか!」

「馬鹿言え、この貧弱で魔力の少ない体ではそもそも魔法の発動すら出来ぬわ!私の魔法の腕前で破壊する精神をお前の私に対する恐怖心のみに絞って消費魔力を抑えただけだ!これ中々に高等テクニックなのだぞ!」

確かに言われてみれば恐怖を感じなくなっている。流石に世界で一番の魔法使いにタメ口はまずいからここからは敬語にしよう。

「分かりました。さっきは疑ってしまってすみませんでした。あなたは本当にあのカラ・シルクさんのようです。落ち着いて話を聞くことにします。」

「やっと分かってくれたようだな。別にタメ口でも助けてもらったわけだし構わんのだが、まあどちらでも良い。やっと本題に入れる。話すと長くなるのだが、実は恥ずかしいのだがもう私も歳でな、体にガタが来ていたんだ。だから仕方ないので物体を生成する魔法を使ってこの肉体を生み出したのだ。」

「じゃあ何でそんな元と比べて魔力が少なくて不便だと言っていた幼い体に?」

「…ただの趣味だ。」

「結構意外な趣味を持っているんですね。」

「う、うるさい!黙れ黙れ!別に良いだろそれくらい、そんなニヤニヤするんじゃ無い!ええい話が逸れた。話を戻そう。この世には命を別の体に移し替える魔法があってだな、それを使って体を変えようとしたのだ。」

「じゃあ尚更もっと強い肉体にすれば良かったじゃないんですか?」

「お前は知らないと思うが、魔力というのは肉体に宿っているもので、引き継ぐ事は基本できないんだよ。で、仕方ないから新しく作った肉体に自分の持てる力の全てを渡して体を入れ替えるという新技術を利用したこれまた高等テクニックを行ったのだが…」

そう言うとシルクは話すのをやめた。

「ん?どうしたんですか?早く続きを話してくださいよ。」

そう僕が言うと彼女は顔を赤らめながらこう言った。

「かっ、格好つけようとして失敗しちゃったんだ。」

笑ってしまった。文字化できないくらい笑ってしまった。抑えても笑いが止まらない。

「ちょっ、ふふっ、か、カッコつけようとして、ふっ、ふふふ」

「だ、黙れ黙れ黙れ黙れ!笑うんじゃない!うぅ、なぜ私がこんな男に辱められなければならないんだ、、、」

なんかシルクが泣き崩れているが、僕はそんな事気にせず笑いながら質問を重ねた。

「って事は体だけ入れ替えちゃったんですか?」

と僕が聞くと、

「…は、はい。」

嗚咽する声も聞こえ、何だかとうとうプライドが完全に崩れ去った感じになっている。とりあえず特に危害を加えられない様だから、ここは手切れ金を少々渡して出てってもらおう。

「や、止めでぐれょぉたのぶがらぁ、もう数日何も食べれでないんだょぉ」

し、しまった!この女心が読めるんだった。

ん?待てよ、確かシルクが死んだとされるのって2年前だったはずだ。どうやってこの女ここまで食い繋いできたんだ?

「さ、最初魔力ほぼ無いのに気づかなくて、自分の財布持って遊びに行ったんだょぉ。そしたら帰れなくなったからポケットマネーだけで極貧生活して食い繋いだんだよぉ。グスッ。ねぇお願いほんと元の力が使える様になったら何でもしてあげるからぁ。お願いでずがら一緒にいてくだざいよぉ。」

2年間も食い繋いでいけるってポケットマネーどんだけ持ってるんだよこの女。銀行に預けろよ。とはいえどうしようこの女。流石にこの姿の子供を放り出すのは良心が痛むし、それにどうやって力を戻すんだ?

「それはこのまま置いておいてくれるなら話すからぁっ。お願いしまずよぉっ。」

こっ、この女、人の気になることエサにして留まるつもりだ!まぁでも絶対知りたいわけじゃ無いし別に良…

「もっ、もしおいだずよおならぁっ、グスッ、げっ、玄関先でっおどうざんずでないでよぉっって、グスッ、叫んでやるんだがらぁ。」

これ以上騒がれるのも面倒なので、僕はこの子を一旦家に置いておくことにした。

拾ってきた女の子の正体は、まさかの世界で一番の魔法使いだった!彼女の力を取り戻すための方法とは一体?

次回 長い道の先に(仮)

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