今日で3年目
初投稿です。楽しんでいただけたら嬉しいです。
僕の名前は鈴木圭吾
3年前の今日、自分はまさかこんな生活をしているとは思わないだろう。
異世界に来て今日で3年目。今思えばここまで苦労だらけだったなぁ。
3年前、僕は都内某所にあるオフィスビルで働いていた。
今日が何連勤目かわからない毎日。連日の会社泊まり込み。正直言って当時の自分は働きすぎでもう限界だったのだろう。だって死因過労死だもん。
あの時のみんな、相当困ったろうなぁ。朝みんな出勤してきたらデスクに1人ぶっ倒れて死んでんだよ。なんか疑いかけられないはずもない。
よく過労死と言えばブラック企業だなんだ言うけど、うちの会社ものすごーくホワイトなの。
で、なんでそんな会社で連勤したり泊まり込みしてたかというと、自業自得だ。会社に入って2年目に、後輩ができた。今までの学歴において全く目立ったことはしてこなかった自分だから、ちょっと格好つけたいなーなんて思った自分が馬鹿だった。変な先輩風吹かして後輩社員4名ぐらいの定時になっても終わらなかった仕事、
「僕がやっておくから君らは帰んな」
とか言ってしまった。お陰でずっとずっと連勤連勤。この世の地獄を見た。そのせいで入社2年目にして過労死。社長やお世話になった先輩に申し訳ないと思いながら今日も行きつけの酒場で酒を飲んでいた。
そう。僕は今この世界で普通に暮らせるくらいには稼いでいる。それもよくあるチートだとか才能とかには頼っていない。完全に自力だ。ただ、別に何もチートとして手に入れていないわけではない。
簡単に言うと、
①過労死して目が覚めたら小さな雲の上に天使がいて自分が死んだことと、何を勘違いしたのかこのままじゃ報われないからよくラノベにあるモンスターに平和が脅かされている異世界にチート能力か武器かをを持たせて記憶とか体そのままに送り込んでもらえることを告げられる。
②手に入るチートはランダムだったが物凄い強い剣が手に入るも、運動不足で非力な自分には重すぎてまともに使えない。
③仕方ないからその剣を売って金に換え、そのお金でお弁当屋を市場に開店。
④もともと弁当作りが趣味なことと、よくライトノベルとかで俗に言うモンスターを狩っている人たちの弁当を作る手間も省けるため重宝されたこともあり、店はそこそこ繁盛した。
そして今に至っている。
とりあえず飲みたいだけ飲んだし、そこまで酔ってないことからも明日楽するために明日の開店準備だけして帰るかと思い酒場を出て市場の自分のスペースへ向かっていると、店の前に見慣れない木箱があった。なんだこれと思いつつ、中を覗いてみると、箱の中に大体10,11歳くらいの金髪の青い目をした少女が座り込んでいた。酒を飲みすぎたのか幻覚が見えている。そんな事あるわけないと思いつつも煩悩に溢れた自分の頭の中に一筋の考えがよぎった。
(この子可愛いから家に連れて帰って彼女にでもしようかなぁ)
直ぐにこの考えはかき消された。いくら今年で異世界生活3年目で女っ気の一つもないからと言って、流石にこんな明らか年下の女の子を彼女にするのは馬鹿げている。それにこの国の法律でも確か17にならないと籍入れはできないはずだ。もしそれまで待ったとしたら僕はもう最低でも30になっている。そんなおっさんとは気が引けるだろう。どうせこれは幻覚だしただの木箱に写ってるだけで家に持ち帰って朝意気消沈するだけだ。無視して開店準備をしよう。と言う考えが数秒にして頭をよぎり、大人しく開店準備をしようとしたらその少女は口を開けた。
「お前、私のことを見て何やらいかがわしい事を考えているじゃないか。人としてどうなんだあの考え方は。」
え?いやいやあり得ない思考が読まれているなんて。今日はもう帰ろうきっと酔いすぎて幻聴が聞こえているんだ。
「悪いがこれは現実だ。家に帰るのなら私も連れて行け、さもなくばさっき私に対して思っていた事を明日この店の前で言いふらしてやろう。」
どどどどうしよう。こんな時どうすればいいんだ?そんなことされたら客足が遠のいてしまう。え?え?え?そんなことになったら人生おしまいだ。とっ、とりあえず逃げるしかない。ひょっとしたら逃げ切れるかもしれない。
「おっと待て、何度も言っているだろう。これは現実だ。何でもいいから早く連れて帰れ。」
とうとう腰が引けてしまった僕は箱ごとこの子を連れて帰らなければならなくなってしまった。うう、手が重くて辛いよぅ。
「おいお前女性に対して重いは失礼だぞ」
これからの人生どうなってしまうんだ、、、神様助けてください
よく分からないうちに流れで少女を拾った圭吾。その少女の正体と目的とは、、、
次回 君、名前をしっかり名乗りなさい(仮)
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