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【完結】異世界唯一の透明人間、好き放題生きていく。  作者: 秋田
【第2章】神聖アルディア魔法学校編

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88/264

【第88話】不明の惨敗

暇で暇で仕方ない方はご視聴ください!

「なんかいまいち理解できない」など「話無理やりすぎだろ」など思うかも知れませんが、それはご愛嬌ということで!


メイト・マルマロン

ハキマ・クォーツ

スピネル

ゾイ

アイカ

アクロ・アイト

イト

 暗い用具入れ、そこで犯されそうになったアイカ、後少しで一線超えてしまう瞬間、メイトが颯爽に登場した。

 はてさて、どうなることやら、と。

「まず、大層驚いているようだし説明しようか」

 メイトはアイカに近寄り、アイカのシャツの外されたボタンを透明人間で閉じる。

「俺もお前も、全然この学校に適応してなかったんだよ、要するに」

 メイトは服のボタンを閉める透明の手を想像しながら説明する。

「まずここにどうやって来たかだけど、ルールを見てみろ、すぐ分かる」

 メイトの言葉に、コーラルは腕を出し、生徒間によって作られた校則の数々、その並ぶ電子的な文字を見る。


『アイカの元へ転移する』


「こ、これは」

「"ゲーム"は単なる勝敗を決めて利益と罪科を決めるモンじゃねぇ……――"ゲーム"は手段だ、そう使って来たことを忘れてたぜ」

 それは、八百長試合。自分の利益となるように相手と協力し、思うように勝敗を決めるということ。

 転じていえば、本来ただ学校生活を活発にさせるために存在するものを、自分のいいように利用すること。

 まぁ、とある双子の姉が思いついたことなんだけどねー……。

「お前も、『ここに入ってはならない』とかいうルールを作れば良かったのにな……やっぱ基本を忘れるのはダメだな」

 と、話すメイトは、アイカの両手足首を縛る特殊製法のロープに手を向ける。

 すると、どんな魔法も干渉できない――それは"事実の"――ロープを意図も容易く切り破った。

「――…….」

 コーラルは心底仰天という表情で、破られたロープを見つめ固まる。

 全てのロープを破りアイカを解放すると、アイカは手首を摩りながらゆっくり起き上がる。アイカは未だ衝撃を隠せない。瞳を丸くし、その瞳の目尻に宝石のような美しい涙が溜まっている。

 それを見て、いざとなると何も言えないチキンであるメイト、無駄な思考を巡らせ、恥ずかしながら。

「…….待たせて悪かったな」

 自分の手で、アイカの頭を撫でた。

 アイカが安堵で涙を留めようと、瞳を閉じようとした時、透明な手に頭に撫でられたアイカは、さらに宝玉のように瞳を丸くする。

「……ん、さて、じゃあー不明点を解いたところで始めますか…なぁコーラル君?」

 気まずい羞恥心に苛ままれ、頭をガリガリかきながら立ち上がり、コーラルを睨む。

「な、なんだよ……ッ、てめぇ急にしゃしゃり出て、調子乗ってんじゃねぇぞ!!!!」

 困惑から理解、そして怒りへと変化していく。


「黙れど阿呆!!!!!!」


 叫んだメイトの覇気に、コーラルは口を噤んでしまう。

「……"男"とは、一言で言えば何であるか?」

 メイトは腕を組み、一歩一歩、強く踏み込みながら低い声音で問う。

 コーラルはメイトから感じる威圧感に戸惑いながら説明しようと思うが、上手く言葉にできず思惑は口の中で蟠るだけだった。

「……ふむ」

 メイトはごほん、と咳払いしてから答える。


「『変態』だッ!!!!」


 部屋の二人は固まる。

「いいか? ちなみに当て字として『バカ』と当ててもいいぞ、まぁそれはいいとして――男は変態、そこは否定しない」

 メイトはぼんやり過去を思い出す。前世、光る板の前を。

「俺が最も嫌悪するものレ◯プ物だ。レ◯プ物なんて、ふとした学校の帰り道にポケーと考えてみたり、そういう行為を始めてから幾らか経って、おかずに困ってきたな〜と思ってきた時に、なんの気無しに調べて見て胸糞悪くなってそっ閉じしたり、そんくらいな物なんだよ」

 メイトの力説にコーラルもアイカもなんとなく理解したような理解してないような微妙な顔で引き攣る。

「それはいいんだ……それはいいのだが……!」

 メイトは行きの場のない苛立ちで、手を握る。

「なんでお前はそれを実行しとるんじゃぁぁぁぁぁぁぁァァ!!」

 メイトは突如出現した巨人が超寒い一発ギャグを披露し、氷河期を再来させた時ような微妙な表情で固まるコーラルの顔面を指す。

「『変態よ、紳士であれ』――……これが代々伝来される、我が家訓である」

 嘘であった。

「男=変態で、変態=紳士ならば、紳士ではないお前は既に男ではない……!」

 暴論である。

「まぁ別にいいんだけどとにかく俺の大切な人を傷つけようとしたこと許せない殴るぞ!?」

 ↑結論であった。

「――……あ、あ、え?」

 怒涛の話ついていけないコーラルは、口をパクパクさせる。

「説教タイム終わり」

 メイトはふぅと、言い切ったことに感無量という感じで今まで溜まっていた苛立ちを吐き出した。


「――……お、"お前ら"まさか、嵌めたのか!?」

 

 その時、コーラルが訳のわからない言葉と共に、震える指と瞳をメイト向ける。

「嵌めた……? 話逸らすなよ、とりあえず殴るぞ?」

「――ッ、てめぇ!! お前それ――」

 なにもおかしくないはすだ、強いて言えば法律的な解決ではないことぐらいだろうか、しかし大切な人がレ◯プされようとしたのに、罰として一発殴るくらいには別にいいのではないだろうか?

 メイトはせめてもの慈悲として、グーではなくパーで、ビンタした。

「――――うわっ!?」

 ビンタされたコーラルは、頬を触って腰が抜けて、地面に座り込む。

「あぁ!? あぁぁうあ!?!!」

 コーラルはバッと頬を触ったり引っ張ったり、自分の股間を見たり、何かをしている。

 その酷い動揺具合に、アイカとメイトは困惑する。

「お、おい、なにもそこまで慌てなくても…落ち着けって」

 メイトはとりあえず宥めるが、コーラルは頭を抱える。

「終わった、あぁくそ!? なんでこうなんだよ!! 全部予想通りなのかよ!! ――あぁ?!」

 コーラルは汗やら鼻水やらでぐちゃぐちゃになった顔面を摩る。

「待て待て待て!! なんのことだ! おい、コーラル!」

「全部、アクロとゲームを始めた時から、分かってたって言うのかよ!? あぁ!?」

 メイトは目を開いて眉を寄せる。

「――おい、アクロがなんだって? ゲームってなんだ?」

「クソなんで俺は――あ? あぁ!? ――なんで俺はゲームなんて受けたんだ? なんで受けたんだ!?」

 コーラルは、はち切れそうになる脳を抑えて思い出そうとする。

「あいつは、男だった、そんなの事実だ、わかってるだろ!? じゃなんでゲームを受けた! ――俺の心は、あいつを――」

 いい尻にいい胸、壊したくなるような澄ました顔。


「あいつを女だって告げている……!!」


 つまり、コーラルは前にアクロ・アイトとゲームを受けた。その時アクロは女だったと言うのか?

 いやないだろ、アクロの性別が変わるなんて、魔法も見えなかったしそんな校則もない。

 でも、ならなんでこいつはこんなに慌ててる?

 メイトは急に現れた謎に混乱する。

「おい! アクロとどんなゲームをしてたんだ!!」

 メイトはコーラルの肩を掴み、問う。

「『次コーラルを殴るのは、メイトかメイト以外か』、だからお前が殴って俺の負けなんだよ!!!」

 怒りを込めて、コーラルはメイトの手を払う。

 俺か、俺以外か。どこぞのホストが言いそうなことだが、別にいい。

 そんな具体的すぎるゲーム内容は、まるで、"未来でも読んだような"。

 でも、イトは――――意味分からん。

「それで、なに賭けたんだお前は!」

 しかし頭を抱えて取り乱しているコーラルは答えない。メイトは立ち上がりルールを開く。

 一番上にある、最新に作られた校則を見る。

 そこに、コーラルの言う校則は、無かった。

 ねぇじゃねぇか……。

「おい、そんな校則ないぞ! なんのこと言ってるんだお前は」

「バカなこと言ってんじゃねぇ! 確かに俺はゲームを受けたんだ! なら確かめてこいよ、アクロの状態を」

「まずお前だ、お前は何を賭けたんだって!」

 少し怒りを込めて問うメイト、コーラルは歯切りしつつ答える。

「『俺から生殖機能を無くさなければならない』って……そんなことできる訳ないよな、だから俺はこのまま退学だ……――はぁ、まぁいいか」

 諦めたコーラルは、立ち上がる。

「なんか取り乱してたけど、よく考えたら別にここに残りたい訳じゃねぇし、女を二十人くらい食ったし、もういいや、まぁアイカは食ってみたかったけど仕方ねぇ……ここはお前らの用意周到な作戦に負けたことを認めてやるよ」

「お前らって、俺はなにも知らねぇよ、誰のことだよ」

「あ? アクロにお前にアイカだろ――あ、そろそろ五分経つかな、じゃなクソ野郎ども」

 その瞬間、コーラルは嫌味に笑いながらその姿を消した。

 部屋にはコーラルの下卑た笑いだけが残り、耳が痛くなる静寂が、ただ流れる。

 実質、コーラルの勝ち逃げであった。

ご精読ありがとうございました!

毎週平日の朝、投稿してくので次回もぜひ読んでください!

シャス!

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