【第59話】ハーレムか修羅場
暇で暇で仕方ない方はご視聴ください!
「なんかいまいち理解できない」など「話無理やりすぎだろ」など思うかも知れませんが、それはご愛嬌ということで!
メイト・マルマロン
ハキマ・クォーツ
スピネル
ゾイ
アイカ
イト
あり得ないわ、間違いなくハキマとおねぇちゃんがメイトを意識するようになったことに関係がある。
もしかしたらおねぇちゃんとハキマ、そしてこの子の三人で誰かに挑んで負けた?
ゾイは目の前にはチェスボードがある、アクア色の髪の女の子により完封させられたものだ。
ゾイは椅子に座りながら、メイトを見る。
「モテ期、来ましたか――」
いきなり告白されたメイトは、そう呟いた。
来てないよ、とつっこみたいが、メイトが何らかの策略を練っていることは分かっている、というかそう信じているので、ここはメイトに任せることにした。
「あ、あのだから、その……」
アクア色の少女は、手をイジイジしながら俯く。
「フッありがとう嬉しいよ、付き合おうか」
メイトがそういうと、周りの男子たちが「おぉーー」と歓声が上がる。
「え、い、いいんですか?」
「当たり前じゃないか、君みたいな可愛い子に告白されたら――断れるわけないよ」(イケボ)
ゾイの全身に鳥肌が駆け巡る。
キモっちわる。
女の子はと言うと、メイトの言葉に胸打たれ、頬を真っ赤に染めていた。
「そ、そんな可愛いなんて……」
「いや、可愛いよ」(イケボ)
「――〜〜///」
死ねよ。
ゾイはメイトにそう思う。
今までそんなこと言う人じゃなかったでしょ、てか付き合うとかとは無縁の人だったでしょ、なに急に色気出してんのよ。気持ち悪い……。
本当に策略なんてあるのかなメイト。気持ち悪い。
「あ、ごめんなさいまだ名前も名乗らずに、私"アイカ"です」
女の子基"アイカ"はペコッと頭を下げて言う。
「……アイカ、よろしくな、俺はメイトな、知ってると思うけど」
「は、はい、よろしくお願いしますメイトさん」
「うん、さて、じゃ訊くけど俺のどこか好き?」
アイカは止まる。
「え、と……かっこいいところです」
「そっか、いつから好きになった?」
「そ、それはこの前のゾイさんとのゲームに勝ったときからです」
「……二日前何してた?」
「二日前ですか? えと……特にはなにも……強いて言えばメイトさんにどうやって話しかけようかと考えていました」
メイトは思い切って質問する。
「ハキマとスピネルとゲームをしたか?」
するとアイカは戸惑いながら首を傾ける。
「いえ、してませんけど……どんなゲームですか?」
「……いや、知らないならいいんだ」
メイトの口調は軽くなった。アイカは疑問に思いながら喋る。
「あの、メイトさん、付き合ったらなにをするんですか? 私そこらへん疎くて」
アイカは視線を下げ、訊く。メイトは仰ぎ「んー」と唸った後、顔を下げる。
「なぁ、"ゲーム"をしようか」
「え? ゲームですか?」
「おぅ、とりあえずチェスでいいだろ、さ、早く早く」
メイトはウキウキしながら椅子に座る。ゾイは席を立ち、声を出す。
「はいはい、ここはこの二人に譲って私たちはどっか行きましょ」
「そうだなー」
「たくっ、このリア充が!」
「爆ぜてろ!」
そうして、ゾイを筆頭に男子諸君はメイトとアイカの周りを離れた。
ゾイは離れる際、一瞬メイトを振り返る。
何かは知らないけど、頑張って――。
――――――――――――――――――――
目の前には縮こまるアイカが座っている。
「さて、先手は俺からか。まぁ気楽に行こうぜ、仲良くなるためのゲームだから」
「そ、そうですか……」
アイカは安堵し、ため息を吐く。メイトはそれを一瞥しながら駒を動かす。
「俺は『アイカの要望を絶対厳守』を賭ける、アイカは何賭ける?」
「え、このゲーム賭物設定するんですか?」
「そりゃあな、ゲームなんだから」
アイカは納得して、考えながら駒を打つ。
「私も『メイトさんの要望を絶対厳守』でいいですか」
メイトは目を細め、アイカを見る。
「いいぞ、じゃやろうか」
メイトはそう細く口角を上げながら、駒を打つ。
「ちなみに、手加減はなしだからな? 全力でやれよ」
「わ、わかりました……がんばります」
アイカは、あの中継されたゾイとのゲームを思い出す。相手は九位を負かした人。
敵の思慮を読むことに長けている。勝ち筋を辿るだけで勝てる相手ではないことは承知。
負けない……要望とか特にないけど。
数分後――。
「負けた」
盤上は、全くの攻撃ができないまま、メイトがチェックメイトされた。
「あ、あの……すみません、なんだか……ここまで弱、いとは思わず……」
アイカはとりあえず頭を下げる。
い、意外と弱かった……すごく。
「いいって、さて、俺はアイカの要望に絶対厳守か、何を要求する?」
問われ、アイカは考える。
「えー、別に要求とかはないんですが……強いて言えば」
「強いて言えば?」
アイカは赤く染待った頬に手を当てて、身を捩りながら、しかし心のこもった声音で言う。
「頭ポンポンして欲しい……です」
メイトは固まったが、すぐに我に帰る。
「ポンポン……あぁ、なるほど、いいぜ」
「ほ、ほんとですか――」
アイカが驚いて声を出したのと同時に、アイカの頭はポンポンされる。
「――あ、ありがとうございます……」
アイカは撫でられる頭を感じながら、身を縮こませる。
「こんなんでいいのか? これくらいいつでもやってやるぞ」
「いいんですこれで……ありがとうございます」
アイカは優しく微笑み、幸せが満ちた息を深く吐いた。
ジーとメイトはアイカの反応を伺う。
前髪で目元が隠れているが、口元はモニュモニュ動かして喜んでいるようだ。
メイトは手を下ろし、椅子に座る。
すると、沈黙が流れる、お互いなにを喋っていいのか分からない雰囲気だ。
「……メイトさんの顔ってどんな感じなんですか?」
アイカが沈黙に耐えかね、話しかける。
「わかんねぇ俺も見たことないから、まぁ触った感じ普通だよ」
「そうなんですか、触ってみてもいいですか……?」
「まぁいいけど、目とか入らないよう気をつけてな」
メイトは身を乗り出してアイカに顔を近づける。
「ありがとうございます」
アイカはゆっくり手をメイトの顔あたりに近づけ、触れる。
「わぁ……」
サワサワと頬やおでこを撫でられくすぐったい。
「ありがとうございました、イケメンですよ多分」
「ハッ、ありがとよ」
メイトはそう、軽く失笑しながら立ち上がる。
「おし、次は何のゲームすっか」
「何でもいいですよ、メイトさんがやりたいやつで」
「じゃー――」
その時、メイトはふとゲームコーナーの入り口が開いたことに気がつく。
そこから二人の女の子が入ってきていた。
「メイト〜? いるの〜?」
「さっさと部屋掃除しなさいよ」
メイトは瞬時に察して、近くの机に隠れる。
「え、なんですか?」
「しっ! 静かに!」
戸惑うアイカに命令しつつ、顔だけ出して二人を見る。
キョロキョロ見渡した後、アイカに気がつく。
「ねぇそこの人、ここに透明人間来なかった?」
スピネルはアイカに問う。
「え、それならここにいますよ」
普通にバラした。
「え! いやなんだ、俺は別に逃げた訳じゃなくてだな――」
メイトは諦め、立ち上がり手を振って否定する。しかしハキマは優しく微笑み。
「いいよ、怒ってないから」
そう言いながら、近づいてくる。
「そ、そうか……」
「代わりにはなんだけど――」
ハキマは近くまで来てから、囁く。
「キスしてくれたら、さっきの校則は消したげる」
「なっ!?」
「――」
「――ッ!」
ハキマは下からメイトを試すように見る。透明なので視線は合わない。
スピネルは、焦った様子で汗を伝わせるが、どうしていいか分からず、不意に頬を染めるだけだ。
アイカはハキマの言動に理解が追いついていないが、ハッと我に帰る。
「ダメです! メイト……さんは私とお付き合いしています!」
アイカはメイトの腕をがっちりホールドして、ハキマを威嚇する。
「お、お付き合い!?」
ハキマは驚愕して、扉の位置まで後ずさる。
すると、スピネルが少し怒った様子で一歩前に出る。
「――ちょっと! あんた私と言う人がいながら――」
そこまで言って、口を手で押さえ、赤くなる。
「い、いや! 今のはそういう意味じゃなくてッ別に私があんたなんかと"そう"なりたいわけじゃないから!」
スピネルは顔を真っ赤にさせ否定する。その視線は惑い、指が震えている。
「メイト! ちゃんと説明してよ〜! 私ぃ……も別にそう言う訳じゃないけど、仲間として!」
「そう! ちゃんと説明しなさいよ! というか誰その女!」
「あなたたちこそ何ですか! 聞きましたよ、ハキマさん、スピネルさん、あなたたちはメイトさんの何でもないらしいじゃないですか、そんな人たちに私たちの関係をとやかく言う筋合いはありません!」
メイトは顔を顰める。
こ、これはいわゆるハーレムというものでは!?
そうか、こんな気持ちなのか、自分を取り合いされるということは……仕方ない、ここはビシッとこの修羅場を収められることを一つ――。
「――ハイ」
それしか言えなかった。
ご精読ありがとうございました!
毎週平日の朝、投稿してくので次回もぜひ読んでください!
シャス!




