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【完結】異世界唯一の透明人間、好き放題生きていく。  作者: 秋田
【第2章】神聖アルディア魔法学校編

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53/264

【第53話】スピネルとの絆

暇で暇で仕方ない方はご視聴ください!

「なんかいまいち理解できない」など「話無理やりすぎだろ」など思うかも知れませんが、それはご愛嬌ということで!


メイト・マルマロン

ハキマ・クォーツ

スピネル

ゾイ

イト

 さて、ゾイになった俺だが……。

 ゾイによる変幻魔法で姿をゾイに変えられたメイトは、戸惑うスピネルを見ながら考えていた。

 今、問題は、俺はスピネルにゾイの魔法の予想は『変装魔法』なるものと伝えた。

 しかし実在は『変幻魔法』であり、それは自分ではなく他者の姿を変えるもの。

 さては、ゾイは俺が変装魔法と考えることを見越していたのか? まぁなんにせよ、もう遅い、とにかくここから生まれるズレ、それは……。


 どうしてメイトではなくゾイが二人いるのか……?


 スピネルは二人のどちらかがメイトであると理解したのはほんの一瞬だった。

「なるほどね」

 スピネルは二人を観察する。

 立ち方、表情、重心、服装、どんな小さな差異も見逃さい。

 結果、違いはなかった。

 さて、困ったわね……。

「スピネル、ゾイは変幻魔法で俺の姿を変えたんだ、俺の読みは外れた!」

 迷うスピネルに左にゾイが話しかける。

「んで、自分で自分の腕に拘束魔法を使って、俺と同じ状態になっている、俺がメイトだ」

「違う、いや言ってることは間違ってないけども俺がメイトだ」

 二人のゾイは、メイトの口調で話す。

「よくできてるわね妹、メイトの口調そっくり」

 スピネルは全く違いが分からないが、ブラフをかける。

「おい言われてるぞー」

「言われてんのはそっちだろ……」

 どっちもメイトが言いそうなことを……。

「てかもう二人ともスピネルが拘束しようぜ、ならゲーム終了で俺たちの勝ちだろ」

 ふと、左のゾイが言う。

「まぁ、それが手取り早いわね……」

 スピネルは納得し、近寄ろうとする。

「待て、ゾイの近接の強さは分かるだろ、不用意に近づくのは危険だ、なぁゾイさんよ」

 しかしそれはもう一人のゾイによって阻止される。

「本人なら任意のタイミングで拘束を解ける、近づくなら確定してからの方がいい」

「あぁーそういうこと言うのね、怪しいな、まるで拘束されたら困るみたいな」

「いやいや、俺は単に最悪を考えてるだけ、お前こそ、近づいて欲しいみたいだぞ?」

 ……確かに、妹に不意を突かれたら多分反応できない。ならやはり、近づくのは……――。

「スピネル、気づいているか?このゲームは変わったことに」

 いきなり左のゾイが言う。

「変わった?」

「今までは『鬼ごっこ』だったが、今は『どちらがメイトか当てるゲーム』となっている、つまりこれこそゾイが狙っていた状況なんだよ」

「そうだ、つまり『絆』を試すゲーム、『絆』があるなら本物を見分けられるだろと言うゲームだ」

 つまり、これまでの戦闘は全て無意味で、ゾイはこの瞬間だけを狙っていたのだ。

 二人で合わせて話すゾイに困惑しつつ、睨む。

 さて、確かにこれは『絆』を試されている……どうにかして本物のメイトを……いや、この場合――。

「そう、探すべきは俺ではなく、ゾイ本人だ」

 そう、左のゾイが言う。

 どっちが……。


「スピネル、俺がホントにメイトだ、信じてくれ」

「俺がメイトだ……俺はお前を信じている」


 スピネルはハッとする。その口調は、どこか違っていたから。

 信じている……? 確かにメイトはよく「信じてくれ」よりも「信じる」の方をよく使う。

 もしかして……左が本物?

「おい、もしお前がホントにメイトなら、持っている物全部出せよ」

「フッ、変幻魔法は周囲にも効果が及ぶ……つまり所有物も同じになるんだ、知らんふりすんな」

「へー、どれどれ」

 ゾイはニヤと皮肉に笑いながらポッケを探る。

 あー、確かに入ってるなぁ……。

「俺がその知識を持ってると思うかスピネル、俺は学年最下位の魔法バカだぞ、あっちがゾイだ」

「てめっ! ずりぃぞ! せっかく色々勉強したのを!」

 埒が明かない二人にスピネルは、一つの提案があった。しかしそれは酷く非人道的で、普通なら許されるものではない。

 だから、即刻廃棄した提案。

 その時――。


「ゾイ」


 左のゾイが、チラッと後ろを見た後、確信を持って言う。


「あんたの負けだ」


――――――――――――――――――――


 いきなり告げたゾイに、もう一人のゾイとスピネルは固まる。

「あんたの敗因は、まず一、俺とのゲームの賭物に納得したこと、この状況、あんたは実はこのゲームなんてどうでもいいんだろ?」

「あ? 何言ってんだあんた」


「なぜなら、ゾイはこのゲーム負けてもデメリットがないから」


 ゾイの賭けたものは『九位に勝ったと言う事実の恒久的永続』。つまり、ゾイにはなんの被害がない。

「だから俺は"わざと"あんたにデメリットがない賭物にした、この『鬼ごっこ』というゲームを一度中断するために……この状況にするために」

 つまりメイトは、ゲームが始まる前から、すでに動いていたのだ。

「――騙されるなスピネル――!」

 誤魔化そうとするゾイに被せながら続ける。

「ニ、俺の『絆』を信じたこと」

 ゾイは鎖で拘束された手を挙げて、人差し指と中指を立てる。

「あんたは俺の『絆』を壊そうとしていた、実際、スピネルはハキマを助ける場面はあった、最初の爆発の身を挺にして守り、崖でハキマが倒れた時もゲームに負けてでも助けようとした、ここに友情と言う名の『絆』があるのは事実だ」

 ゾイは「けどな」ときっぱり言って、手を顔に近づける。

「俺は一度もスピネルに助けられていない! ここに気づけなかったことが敗因だ!」

 ゾイは目を開いて固まる。


「なんせ、俺とスピネルは、ただの『協力者』……『パートナー』だからな」


 その瞬間、スピネルは今話しているゾイが、メイトであると確信する。

「さて、ここまであんたの爪の甘さを暴露した訳だが、まだ俺はあんたに勝っていない、『絆』を見せれていないからな」

 メイトはそう言いながら、内ポケットを探る。

「……」

 ゾイは何も言い返せない、なぜならメイトに最初から読まれていたことに、理解が追いついてないからだ。

 いつから!? いつから読まれていたの!?

「スピネルが落ち込んでいる、なんていう嘘に気がついたあんたは、『絆』も嘘ではないか、と疑う、しかしそれを先ほど述べたハキマとの『絆』により、決定付けた。人は悩んでいたことに一度納得すると、もう考えなくなるからな、だから俺との『絆』はないことに気づけなかった」

 驚きの最中、さらに驚くことをメイトはペラペラ語る。

 それって、あの最初の最初……初めてメイトとちゃんと話した時のことだ。

 この男、ホントにどこから読んでいたんだ――!?


「三、俺がこいつらからなんて言われてるのか知らないこと」

 

 これこそ、メイトの本質であり、最初から狙っていたフィナーレ。

 その時、メイトは内ポケットから、小さい箱を取り出す。

 それは、前世、地球人だったからこそ知っている道具。

 ……この魔法が飽和した世界の奴らが知らないのも当たり前だわな。

 メイトは箱をスライドして開けると、中から細く小さい木の棒を取り出す。

「フッ、俺がなんて呼ばれてるか知っているかゾイ」

 メイトはゾイに向かって、木の棒を見せつける。

 目を見開きアグアグと口を動かすゾイに向かって、一言。

 

「頭のおかしい奴だとよ」


 そして、メイトは箱の横についている側薬に、頭薬を擦りつける。

 そう、これは"マッチ箱"である。

 この片手で火をつけれる世界に取って、無縁の道具である。

 そして、その小さくとも確実に輝く炎を消さないように動かしながら、マッチ箱を捨て、ポッケから袋を取り出す。

「――!」

 それでだけはゾイは理解する、この男の異常性を。

「ハキマなら必ず止めていたこんな"命"がかかること、だからスピネルだった――勝つ為には手段を選ばないことこそが、俺とスピネルの『絆』だ」

 単なる、協力者としての――。

 その勝ちにこだわる共通意識こそが、スピネルとの『絆』と。

 そして、メイトは思いっきりゾイに飛びかかる。ゾイはその狂気的な行動とは似つかない、勝利したと言う歓喜に満ちた顔が、とても怖かった。

「生きてたら、またな」

 そして、メイトは爆弾にマッチで火を付けた。

「やめ――――」

 ゾイは一瞬、スピネルを見て、手を伸ばし、懇願した。


 ――助けておねぇちゃん、と――。

 

 そして、辺りはまばゆい光に包まれた。

ご精読ありがとうございました!

毎週平日の朝、投稿してくので次回もぜひ読んでください!

シャス!

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