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【完結】異世界唯一の透明人間、好き放題生きていく。  作者: 秋田
【第2章】神聖アルディア魔法学校編

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52/264

【第52話】揉ませてからにしろ!

暇で暇で仕方ない方はご視聴ください!

「なんかいまいち理解できない」など「話無理やりすぎだろ」など思うかも知れませんが、それはご愛嬌ということで!


メイト・マルマロン

ハキマ・クォーツ

スピネル

ゾイ

イト

 決闘……ね。

 ゾイはその言葉から連想させる最悪を予想しながら、山頂に向かっていた。

 今、すべきことはおねぇちゃんを追うこと、だけどメイトの言う決闘がホントにあるんなら、その前にしなければいけないことがある。

 木々の隙間を縫うようにぴょんぴょん走っていると、森を抜けて、岩肌が露出する山頂付近に到着する。

 早く、おねぇちゃんを追わないと……。

 ゲームの残り時間は、十五分を切っていた。

「よし、ここならある――」

 ゾイは岩を退けて下を見る。そこには黒い砂があった。

 一見岩に見えるここら一帯は、実は一枚岩の下に黒い砂が詰まっていた。

 しかし通常は意識しないと出てこないほど深くにあるもので、すぐ手に入るものは、浅いところにあるtにも満たないほどの量である。

「袋もあと、三個だけ……まさかこんなに使うなんて……本当最初から予想外……」


「なるほど、こんなところでゲットしてたのか」


 いきなり、後ろから声がした。

 ゾイは振り返ると、そこに浮くローブ、つまりメイトがこちらに歩いてきていた。

「へぇ、よくあの速さについてきたね」

「ついて行ってねぇよ、客観的に事実を考慮して、ここかなと思っただけだ」

「そうなんだ、でもごめんね、私急いでるから」

 ゾイは三枚の袋に砂を入れ終わると、走り出そうとする。

「待てよ」

 その目の前に、メイトは魔法を使う。

 岩が削れ、岩石が飛び散る。

「あんたがその気なら俺だって覚悟する。相手を傷つける覚悟をな」

「……足止めするつもりなのかな?」

 ゾイは振り返り、メイトを見据える。

「そう言うこった、悪いが行かせない。最悪、足を折ってでも勝つ」

 メイトならすぐにできてしまうことだ。

「そう、なら私は……あなたを使っておねぇちゃんを誘き出そうかしら」

 ゾイはニヤと嫌らしく笑う。メイトは戦闘体勢に入り、腰を落とす。

 

 ゲームでは、常に勝ちも負けも、一瞬なのだ。


 二人の間に風が通った瞬間、ゾイが持っていた砂が詰まった袋に火をつけた。

 ――火が……今なら見える、あれは袋だ。

 メイトは目をひん剥いて投げられたそれを見る。

 手のひらサイズ、あの火がついた姿、投げ物……"中身"は――。

 メイトは刹那の一瞬で、透明人間を作り出す。

 距離およそ八メートル、大きさ直径五センチ、速度10m/sのそれを、掴み、裂く想像を。

 それがもしそうなら、間違いなく中身は――。

 メイトの予想通りの――。

「――黒い砂――"火薬"」

 

 ゾイは驚いていた。

 どういうこと? なんであれは裂けたの? メイトの魔法は衝撃魔法のはずなのになんで、あんなふうに裂けるのなんて……結構な技術が必要に……。

 空中で広がる黒い砂は、そのどこかが酸化し、それから派生するように爆発が生まれ。

 空中で音を立てながら爆発した。


 火薬――この世界にあったのか。

「なぁ! なんでこんなものがあるんだ、外から持ち込んだ武器はセーフなのか!」

 遠くにいるゾイに話しかける。

「あら? 私は一度もこれを外から持ってきたなんて言ってないよ? これは、この敷地内で取ったものだよ」

 なんだと、それはまさかこの戦場で火薬を一から作ったと言うこと? 何と言う科学、さては科学使いか?

「あんた火薬の作り方なんて知ってんのかよ」

「……? 火薬? いや、知らないよ、これは普通にそこで取れる砂よ、火をつけると爆発するの」

 あぁ、なるほど。とメイトは納得する。

 これは火薬じゃないのか、異世界の特別な砂で、火をつけると爆発ね。火薬と似てるな。

「あー、理解した」

 メイトは心底安堵する。つまり、自分の予想は間違っていなかったらしい。と。

「ずっと疑問だったんだよ……」

 メイトは呟く。

「なぜ、選べる魔法であんな殺傷能力ヤバめの魔法なのかってな、最悪、死人が出るほどの爆発だった……そうなれば負けてしまう、そんな危険を犯す意味はない。ではなぜか?」


「つまり、あんたの爆発は"魔法じゃなかった"ってことだ」

 

 メイトはビシッとゾイを指す。

「この黒い砂……これであたかも爆発魔法を選んだように見せる気だったんだろ、実際俺も騙された。でも、砂の威力は制御できない、一種の賭けだったんだろ?」

 なぜなのか、それはこれしかなかったから。

「それはそうと……あんたが選んだ魔法は、『変装魔法』だ!」

 どうだ? あっているだろう。

 しかしゾイはポカーンとしてメイトを見つめた後

フッと失笑した。

「ざんね〜ん、違うよ〜、これだよ!」

 ゾイはペロッと下を出して笑う。メイトは腕を下げて喋る。

 しかしいつまで経ってもゾイはニヤニヤするだけで変化はない。

 メイトは口を開く。

「なんだと――」

 その瞬間、喉をつかんだ。

 は? ……え? 今誰が喋った? 俺、だよな?


「は?」


 それは完全に"ゾイ"の声音だった。

「そう、それが私の魔法、『変幻魔法』ね、対象を別のものに変える魔法」

 ドヤ顔で上からしゃべるゾイを聞きながら、メイトは感動していた。

 そう、異世界に来てから初めての、"見える自分"なのだ

 腕を動かせばそこに腕がある。足を見れば細く白い綺麗な脚がある。

「な、なんじゃこりゃぁ!!??」

 メイトは驚愕した。

 見えるということは、素晴らしいことだと気付いた。

「分かる、分かるぞ! 俺の腕が見える!! ハッハー! なんて素晴らしいんだ肉体とは!」

 メイトはガハハと笑う。しかし実在ゾイが言っているように見えるので、ずいぶんおかしい光景である。

「アハっ、なんか自分がもう一人いるみたいで、なんか恥ずかしいな」

 ゾイは照れながらメイトに近寄る。

 メイトは視線を下げると、そこにあるのは盛り上がった服。

 なるほど、なるほどそういうことですか女神様!! このメイト、こちらに来てからろくにそう言う展開がないなと思っていましたが……全部はカタルシスの解放のためですか!!

 するとゾイ(メイト)は、自分の胸元に手を寄せる。

「では男メイト……未知の領域へ……いざ――」

 出陣!!

 メイトは今まで溜まっていた何かを発散するように、ゾイ(自分)の胸を掴む――。


「はい、拘束」


 ――ことはできず、両手は黄色い鎖で結ばれた。

「拘束魔法を拘束可能者以外に使ってはならない、なんてルールないからね♡ どう? 魔法も使えなくなる魔法だけど――」

 ゾイはニヤと笑いながら、メイト(ゾイ)と手を握る。

「――――なにやってんの!?」

 メイトは声を荒げる。

「バッカこのバカぁ! なんでこういつもこう上手くいかないかなぁ!? 今じゃないでしょ、せめて俺が揉んでからにしてよ! なんなら赤面してからならなおグット!」

「あっ、ごめ――」

 ゾイは自分メイトにいきなり怒鳴られ後ずさる。

「もぉー! こんなチャンス二度とないでしょもー! せめて下が生えてないことぐらいは確認させろよぉ!」

 見たい触りたい、そんな知的好奇心旺盛のメイト(17)は必死にゾイに気持ちを伝える。

「ごめん……でも流石にキモすぎるよ透明人間……」

「なぜ!? これは俺の体だ! 触って何が悪い!」

「い、いや、そう言う問題じゃなくて――」

 ゾイは自分の顔でア○顔をして遊ぶメイトを殴りたいという衝動を抑えて、懐から袋を取り出す。

「はい、じゃここにおねぇちゃん呼んで? 叫べば聞こえるでしょ?」

 ア○顔をやめるメイト、その目を鋭くゾイを睨んでいた。

 光彩が光り、ゾイの心臓を覗き見るような視線に、ゾイは少し、ザワッとする。

「あー、そうね、まぁ聞こえるな、多分近くにいるし」

「うん、だから早く呼んで? じゃないと――」

 ゾイは袋をメイトの顔を近くに寄せる。


「ここで、爆発させるよ?」


 メイトはゾイの瞳をしっかり見る。それは相手を狩る獣の目だ――。

「なんか自分に見られると恥ずかしい」

「なんなんだよ……」

 顔を手で隠すゾイに、メイトはため息を吐く。そして。

「はいはい、呼べばいんだろ呼べば」

 そう言って、両手を前で結ばれたまま振り返る。


「すぅぅぅぅぅ……ピネルーー!! 助けてぇ!!」


 メイトは息を吸い込んでから叫んだ。意外と素直なメイトに違和感を感じるゾイ。

 ……でもこの状況でメイトができることなんてないし……強がりかな? それともおねぇちゃんを信頼して?

「ま、いいや、それより私も、っと」

 するとゾイは自分で自分の腕に拘束魔法を使い、身体の前で拘束される。

 メイトは目を細める。

「うわっ、それ敵がよくやるやつじゃん」

「よくやんのか? こういうの」

 ゾイはメイトに微笑みかけながら言う。その口調は、メイトそのものだった。

「さて、これからスピネルが来て、どうなる?」

「俺たちの二人どっちがメイトかを探す」

 二人いるゾイは、お互いメイトの口調で話す。もはや、見分けはつかないほどである。

「んじゃ、ここで『絆』が確かめられる訳だ」

「どうかな? ホントに絆なんてあるか?」

「あるね、だってスピネル、ハキマを何回も助けたじゃん、それにハキマが脱落した時も、辞めようとしてたじゃん、なら『絆』はあるね」

「……あー、そう」

 確かに、スピネルがハキマを心配しているシーンはあった、それによく話す。

 ほんと、絆があるみたいに。

 メイトは青空を見上げる。

 ――さて、信じますか――。


 そして、そこに、スピネルが現れた。

「……は?」

 森から出てきたスピネルの第一声はそれだった。

ご精読ありがとうございました!

毎週平日の朝、投稿してくので次回もぜひ読んでください!

シャス!

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