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【完結】異世界唯一の透明人間、好き放題生きていく。  作者: 秋田
【第2章】神聖アルディア魔法学校編

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【第49話】ゲームルール

暇で暇で仕方ない方はご視聴ください!

「なんかいまいち理解できない」など「話無理やりすぎだろ」など思うかも知れませんが、それはご愛嬌ということで!


メイト・マルマロン

ハキマ・クォーツ

スピネル

ゾイ

イト

「……よぉ、"ゲーム"は考えたか?」

 メイトはまた、ゾイと話した湖沿いの建物に来ていた。

 しかし、今回はその後ろにハキマとスピネルがいる。なにより、意気込みが違う。

「やっほー、おはようメイト、ちゃんと考えたよ、"ゲーム"♡」

 ゾイは振り返り、メイトたちを見据える。

「おねぇちゃん……久しぶり」

「……」

 話しかけられたスピネルは、下を向いて返事をしない。

 落ち込んでいる、演技である。

 メイトはゾイに『スピネルは落ち込んでいる』という嘘をついたからである。

「そうか、じゃ早速聞かせてもらうか」

「その前に……」

 ゾイはメイトに手を向けて留めた後、チラッと右上を見る。

「あん?」

 そこには淡く光る水晶が、浮かんでいた。

「なんだあれ」

「このゲームは全校生徒に見られているよ、言わば生中継かな。学年九位と、十位に勝ったやつのゲームなんて、みんな注目するからね」

 あー、どっちが勝つか賭けたりしてんのか?

「それ誰がやり始めたんだ?」

「さぁ? 多分私とあなたの戦うことがどっかから漏れたんじゃない? 私は知らな〜い」

 ゾイは興味なし、と言うように手をぷらぷらさせて言う。

「まぁ理解した、んで、ゲーム内容は?」

 メイトが言うと、ゾイは柵から離れ、口を開く。

 その内容。


 『鬼ごっこ』

 一、参加者は追う役(鬼)と逃亡者に分かれる。

 ニ、鬼は拘束可能者を制限時間内に拘束すれば勝利。逃亡者は鬼を拘束もしくは制限時間逃げ切れば勝利。

 三、鬼含め一人につき使用可能魔法は一つのみ。

 四、逃亡者で拘束魔法を使っていいのは一人のみ。

 五、範囲は学校敷地内の山。(魔法で示す)

 六、相手を殺害した場合、即刻敗北とみなし退学とす。

 

 一通り説明し終えたゾイは、疑問はないかと腕を広げる。

「……『鬼ごっこ』ね、いいネーミングセンスだな」

 メイトはとりあえずパッと思ったことを言う。

「そーだな、会場はあの森でいいんだな?」

「そうだよ、近くに行った時に細かい範囲は示すよ」

「鬼は?」

 メイトが訊くと、ゾイはニヤと笑いながら答える。

「"私"だよ? もう"分かってる"でしょ?」

 メイトは目を細めた後、質問を続ける。

「使える魔法が一つってのは?」

「平等性だよ、これは『追いかけっこ』、魔法が自由に使えたらただの争いになるし、単に魔法の強さを比べたら必ず私が勝っちゃうし、だから一つに限定したんだ」

 なるほど、確かに。ゾイは腐っても九位、魔法のレベルで勝てないだろう。

 メイトは後ろであからさまにムカッとするスピネルを置いといて、続ける。

「分かった、拘束ってのは?」

「殺害はできない、と言ってもただタッチするだけなのは味気ないし、魔法で拘束するんだよ」

「なるへそ、それは選べる魔法の一つに含まれるのか?」

「ううん。だから逃亡者の選択は、鬼を拘束できる者一人を決め、各々使える魔法を一つ決める、拘束できる者の拘束魔法はその選べる魔法には含まれない、つまり逃亡者の内、一人は拘束魔法とあと他の自由な魔法を使えるってこと」

 なるほどなぁ、魔法は一つ、か。

 メイトは顎から手を離し、ゾイを見る。

「分かった理解した」

「良かった、じゃあ決めよっか、賭物(かけもの)

「あぁ、まぁ俺たちの求めるもんなら分かってんだろ」

「うん、学園九位の座を剥奪かな?」

「正確には違う……俺たちが欲しいのは学園一位の称号だけ、九位とか要らん、だから、あんたを倒したという事実が欲しい……幸い、今日はたくさん見物人がいるらしいしちょうどいい」

 メイトは水晶を見ながら言う。

 ゾイは本気で言うメイトに少し、賞賛までのはいかないも、感心していた。

 それは、一位になるとここで暗に宣言したようなもの。

 本気でなる気なのか、一位に。

「ふ〜ん、じゃあ、賭物は『九位に勝った事実の恒久的永続』とかかな?」

「それでいい、俺たちは『自身の退学』でいいな」

 しかし、ゾイはう〜ん、とわざとらしく唸り、メイトを見る。そして、踏み寄り、水晶から見られないよう口元を隠しながら呟く。


「『一位に挑み、負けてから退学』ならいいよ」


 メイトは一瞬、目を開いたが、すぐに理解する。

「あー、特攻ね」

「うん、私も一位になりたいしさ、一位がどんなゲームを挑んでくるのか気になるからね」

 まぁ納得、俺たちが一位に挑んでそれを今回みたいに水晶で見れば少なからずとも一位のやつについて分かる、か。そこで俺たちに勝たれても困るし、『負ける』まで指定か。

「分かった、なら俺たちはそれを賭けよう」

「よし、じゃあ交渉成立〜♡」

 ゾイは手を打って離れる。

「じゃあ、そろそろ始めようか、"ゲーム"」

 ゾイは湖の向こう側にある山を眺めながら言った。

「あぁ、そーだな……」

 メイトはその眺める瞳に違和感を感じながら、そう答えた。


――――――――――――――――――――


 森の麓。

「いい? この魔法で示した赤い線が範囲だよ」

 ゾイが指した地面には、草に紛れて光る赤い線があった。

「なるほど、この円の内側が範囲ってことね、分かりやすくて助かる」

「じゃあ私は離れるから、拘束可能者と各々の魔法、決めてね」

 ゾイはそう言うと、フワッと浮き上がり、離れて行った。

 さて、ここに残ったのはハキマとスピネルと俺。

 メイトは振り返り、二人を見据える。

「さて、ここまで"順調"だが、どうする?拘束可能者、正直一番いいのは――」

 メイトはそこまで言わせて、ハキマが言う。

「――メイトが決めていいよ」

 メイトは固まる。

「だってメイト、何か考えがあるんでしょ?この"作戦もメイトが考えた"んだし、私たちはメイトの言うことを信じるよ」

「そもそもあんた、自分の思い通りにしたいから話術でその方向に運ぶ気でしょ? いいからそういうの、完結に言って?」

 どうやら、ハキマとスピネルはメイトに託すらしい。

 メイトは不覚にも驚きながら、答える。

「……分かった、なら俺が一番いいと思うことをする」

 メイトは辺りを見渡し、ゾイがいないことを再確認した後、二人を見る。

「まず、拘束可能者だが、スピネルがいい。んで一つの魔法は、俺は『動かす魔法』は確定で、ハキマは『回復魔法』……辺りを取って欲しい、スピネルは...『透明化魔法』だな」

「私が、拘束可能者?」

 スピネルは少し意外で訊き返すと、メイトはコクっと頷く。

「あぁ、俺でもハキマでもない、スピネルだからこその役目だ」

「そう……そして透明化……こっそり近づいてってことね」

「いや、多分最後はもっと派手に終わる、あとスピネルはずっと透明で、俺たちが最初にゾイと接触した時から別行動だ」

 スピネルはその行動にいまいち理解できない。

「……? そんなことせずに、一度目で決めればいいじゃない」

「多分無理、ゾイも拘束可能者はスピネルだってすぐに気づくはずだから」

「そうかしら?」

 あぁ、そのはず、だから俺はあの時嘘をついたんだ。

「メイトメイト、私の回復魔法って?」

 隣からハキマが話しかけてくる。

「……俺の計画が外れた時の保険、まぁゾイがなんの魔法選んでくるかで変わるな」

 ……俺の作戦通りなら、"あの系統"の魔法のはず。

「ふ〜ん……まぁ分かった! じゃ私は後ろで隠れるとか? いや、私が拘束可能者アピールしたほうが錯乱になるかな?」

 ハキマはボソボソ呟く。

「いや、ハキマには前線で"戦ってもらう"」

 それをメイトはきっぱりと言い切る。ハキマは目をパチパチさせて、固まる。

「へ?」

「ゾイがもし近くに来たら、攻撃魔法を放つ"振り"をしてくれ、俺がそれに合わせて動かす魔法を使うから」

「はぁ〜……普通にメイトがやればいいんじゃない?」

 ハキマは首を捻る。


「ハキマは今、ゾイに低レベルだと思われている」


 いきなりひどいことを言われてガーンと落ち込むハキマ。

「だが、まだ俺の力は見せていない、見たのは十位をぶっ飛ばし時のやつだけ、あれで力を測るのは難しいはず、だからゾイは俺を一番警戒している」

「そうか、だからあえてメイトがやってることを隠すんだ」

「そう、まだ魔法の強さとか何を選んだとか分からないやつが一人いるだけで、安易に近づくのは危険になる」

「た、確かに……」

「よし、作戦はこうだ。まず最初は普通に警戒しながら森に入る、そして最初にゾイが仕掛けてきたらハキマと俺がさっき言った通りに錯乱させて逃げる、この時スピネルはゾイの後ろについてその時を待つ、その時は俺がいい感じにやる」

「りょ〜かい!!」

「了解よ」

 二人はそう頷いた。俺もそれを見て頷き、声を大きく出す。

「おーい! 終わったぞー!!」

 

 数秒後、空からフワフワゾイが降りてきた。

「よし、じゃ今から一時間、『鬼ごっこ』の始まりね」

 ゾイは楽しそうに、しかし裏には洞察が淀めく真っ黒い笑顔で、三人を見る。

「あぁ、頑張って俺たちの『絆』を壊してみやがれ」

「――ハハッ、うんいいよ、必ず壊してあげる」

 やはり、『絆』に反応しての"これら"らしい、計算内だ。

「じゃあ三人とも用意はいいかな〜?私は十分後に森に入るよ〜」

 俺とハキマとスピネルは、森の入り口――と言っても草や木が生い茂り、人が歩けるようなちゃんとした道はない――に立つ。

「じゃあ、始め〜!」

 ゾイがそう宣言した瞬間、三人は駆け出した。ゾイは草に足を取られないように走る三人の背中を見送る前に、振り向き、微笑む。


「さて、あとは勝つだけか……♡」


 そんな囁きは、水晶の先にいる光板に食い入る不特定多数の誰かに届くことも、今まさに山を登らんとする三人にも届かずに、ただ――風に混ざり、消えるだけだった。

ご精読ありがとうございました!

毎週平日の朝、投稿してくので次回もぜひ読んでください!

シャス!

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