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【完結】異世界唯一の透明人間、好き放題生きていく。  作者: 秋田
【第2章】神聖アルディア魔法学校編

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【第39話】同棲しろってことですか?

暇で暇で仕方ない方はご視聴ください!

「なんかいまいち理解できない」など「話無理やりすぎだろ」など思うかも知れませんが、それはご愛嬌ということで!


メイト・マルマロン      透明人間。

ハキマ・クォーツ       メイトの同級生。

イト             メイトのゲーム相手。

 校長との一戦の後、式場を一足遅れて後にした俺、そして薄桃色の髪の女の子ハキマ・クォーツ。

 現在、一年学生寮の入り口であるが……。

「――で、でけぇ……」

 そこはまるでホテルのような場所で、ロビーにはソファやら絵画やらが飾られてあり、階段やエレベーターが見える。

 ロビーにはローブを纏った生徒がワラワラたむろしていた。皆各々"仲間"を作ったらしい。

 まぁボッチもいるけど、懐かしいなぁ、俺も前世なら"そっち側"だったからなぁ……。

「どうやら学食あるようですよ、あとお風呂とか……あ、共同遊びスペースなんてありますよ、あれとかあるんじゃないですか? ボウリング!!」

 ハキマは壁の寮内マップを見ながら言う。俺も横から見る。

 ふむ、基本的設備は完備してあるのか……さすが一流学校……部屋数も三百を超えている。

「一階がロビーで? 二階が食堂か、温泉も二階、3階以降は部屋か、他にも色々あるみたいだな」

「確か部屋割りも自分たちで決めろとか言ってましたね、どこでもいいんでしょうかね〜」

「あぁ、まぁその辺テキトーなんだろ、放任主義だな」

 まぁそっちのほうがこの年の奴らにはいいのか。

「そうですね……しかも十階までありますよ〜、どこ住みます?」

 簡単に言えばこれから卒業まで住む部屋を決めると言うこと。そう即決はできない。

「利便性で言えば三階だけど、やっぱ高いところに住みたいって気持ちはあるよなー……ハキマはどこ行く?」

「私はどこでもいいですよ〜? 私結構そういうの大丈夫なので〜」

「そうか」

 となると……――――。

 俺は顎に手をやり考えようとするが、ふと気がつく。

「ちょっと待って、なんか俺と同室になる前提で話進んでない?」

 俺は手のひらをハキマに向けながら言う。

「へ?」

「へ? じゃなくて、なんか部屋どこでもいいとか言うし」

「あ〜、え? 嫌でしたか? 私はルームメイトがいたら楽しいと思ったんですけど……」

 ハキマはしょぼんと落ち込む。

「い、いや、嫌じゃないけど……流石に女の子の同室って……」

 男として、精神が持つだろうか。

 俺はメアリーの返事を聞きに行かないといけない身、それを聞くまで変なことはできない……。

「大丈夫です! 私はそういうの気にしないので!!」

 ハキマはドンッ! 胸を叩きドヤ顔で言う。その言葉は誰かに似ていて、固まった。

「ん、そうか……でもあれだ、流石に俺もプライベートが欲しいし、せめて隣室とかにしようぜ。何時なったら外出るの禁止とかあるあるの設定もないし、暇な時とかに遊びに行く程度でいいんじゃね?」

「……そうですね、そうしましょうか流石に」

 ハキマは少し残念そうに呟いた。それを横目に俺はマップに視線を戻す。

「でも、まだだいぶ空室あるし、みんなまだ決めてなさそうだし、後でにしね? あまりモノには福がある的な」

「……? ま、まぁそうですね、後でにしますか」

 ……あまり物には福がある、伝わってなさそうだ。もしこれでこいつが本当にイトならこの言葉は伝わるはず、その場合におどけて知らないふりしてきて俺が日本人であることが相手のみにバレても「俺の地元の村の言葉」と言えば誤魔化せるだろう、だいぶ怪しまれるが。

「あぁ、これは余ったものにはいいことがある。っていう意味の言葉、俺の村で使われてたんだよ」

「へ〜面白いですね〜」

 この反応……イトの可能性は低いか……演技くさくもない。

「ま、つーことでどうする? 学園探検でもするか?」

 俺は提案すると、ハキマは楽しそうに笑う。

「いいですね! 私行ってみたいとこあるんですよ〜」

「うし、じゃテキトーにぶらぶらしますか」

 そして、俺とハキマは部屋は後回しにして、散歩することにした――。


――――――――――――――――――――


「な、なん、だと……」

 すっかり日は傾き、夕陽が窓から差し込まれる寮内。俺とハキマは"既に埋まった部屋"を眺めて立ち尽くしていた。

 そう、日中の間に全ての部屋が取られてしまったのだ。

「へ、変だ! 絶対部屋数的に余りが出るはずなのに!」

 俺は長い廊下を歩きながら言う。やはりどこも既に入居者がいる。

「そ、そうですね……結構マズいのでは……」

 俺とハキマは一旦ロビーに戻った。そこには俺たちと同様に住む部屋をなくした人たちがソファに座ったりして項垂れていた。中には正気を失った顔をしている者だったり、頭を抱える者だったり、みんな大変そうだ。

「こいつらなんかダラダラしてるなと思ったけど、部屋がなかったのか……かわいそうに……」

「寮生活で部屋がないって終わってますからね〜……って私たちもか」


 俺とハキマはとりあえず作戦会議として、二階にある食堂に上がり、テキトーな席に座る。

「さて、どうしたものか」

 食堂といっても普通の学食とレストランのような豪華な雰囲気を足したような感じである。

「こうなったら〜、一部屋一部屋訪ねていって同室いいですかって聞くしか……」

「なんという惨め……まぁそれしかないか……はぁ」

 俺はため息を吐く。すると――。


「あら? あなたたちもしかして、そうなの?」


 いきなり横から話しかけられた。俺とハキマはジロッと見る。

 そこには腰に手を当てて、ニヤつく女の子がいた。

 嫌味ったらしく俺たちを見下すその人を横目に、横に座るハキマは俺に顔を寄せて呟く。

「関わっちゃダメなタイプの人ですよ……」

「聞こえてるわよ」

 女の子はムッとした後、ニヤついて俺たちの向かいの席に座る。

「で? どうなの? そうなんでしょ?」

「そう、とは?」

「部屋がなくて困ってるんでしょ?」

「まぁ……はい」

 その人は濃い紫色の長髪を揺らしながら机に肘を立てる。

 てかこの人、透明人間に反応しないんだな……要注意――。

「理由、教えてあげよっか? なんで部屋がないか」

 なんか高圧的な態度にハキマはあからさまにギロと睨んでいるのを横目に、俺は冷静に聞く。

「なんですか?」

 その人はニヤとまた嫌ったらしく笑う。

「馬鹿だから」

「…………」

 んー、殴っていいか?

 という感情を我慢しながら言う。

「ど、どういうことですかぁ?」(震え声)

「いや、だって昼までに部屋決めないとか馬鹿でしょ、普通に早目に決めるよね」

「は、はぁ……そうですか」

 早くどっか行ってくんないかなこの人。

「ま、冗談だけど」

 ぶン殴るぞ。

 俺は硬く拳を作り、殴ろうとする衝動をなんとか抑えながら笑う。

「は、ははは。で何しに来たんですか?」

「そんな怒らないで、ちゃんと説明するから」

 その人は変わらずニヤと笑いながら言う。

「部屋が足りないのは、誰かが勝負して、八階以降を立ち入り禁止にしたからよ」

「は?」

「誰かは知らないけど、勝負で、『勝ったら八階以降は私ともう一人以外立ち入り禁止』ていうのを賭けて、勝ったのよ」

「なんだそりゃ、最初にやったもん勝ちじゃねぇか! 誰だよそんな勝負した奴……」

 俺は呆れて、背もたれに寄りかかる。

「もう一人よ、つまり、コンビで協力して八百長試合したのよ、事前に賭けるものを決めてね」

「は!?」

 俺は驚き声が漏れた。

 それっ……いや確かにルール違反ではないけど……。

「これ知らずに八階上がって退学になった人、三人くらいいるんだよねー」

「なんだそれ、じゃ今俺がこの席に座れるの俺だけって言うのを賭けて勝ったら、座った奴退学にできる罠になるじゃん」

「そうね」

 カスかよ、生徒が賭け事で決めたルールも校則と同じ判定なのかよ。

「だから、確認することを心がけることね」

 すると女は自分の腕を前に持ってくる。

「ルール!」

 女は自分の腕を見ながらそう言う。すると、光が現れる。

「ほら、こうやったら現状の"ルール"が見れるのよ」

 俺も見真似で腕を出す。

「ル、ルール」

 すると俺も同じような光が現れる。そこに文字が書かれてある。ハキマも俺の真似をする。

 えぇ……こんなんでルール見れるの知らないんだけど……。

「確かに『八階以降上がっては禁止』って書いてあんな」

 ルールを作ったやつの名前は見えない、匿名か。

「これが適応されるなら、仲間で八百長して、この部屋立ち入り禁止、なんてしたら一瞬で安全快適の自室の完成だな」

 やっぱ仲間が重要か、コミュ障には辛いわけだ。

「そうよ、それもうみんなやってるから」

「あ、そう」

 確かに、『4○2号室、入居者以外立ち入り禁止』などのルールがスクロールしていくとずらっと並んでいる。

「そうなんですか……で? 結局何しに来たんですかあなたは」

 ハキマは今だにジローと女を睨んでいた。女は考えた後、答える。

「……別に? 暇だったから、それに透明人間と話してみたかったし〜」

 女は俺を試すような視線で下から見る。

「でも、意外と大したことなかったわ。さてさて、私の部屋もーどろっと」

 女は体を伸ばしながら立ち上がり、歩き出す。

「ちょっと待て」

 俺はその背中を止める。女は振り返る。

「なに?」

「あんたの部屋ってどこ?」

「……515号室だけど、まさか行くとか言わないでよ、絶対泊めないから」

「あぁ、言わないよ。だから早く行ってどうぞ」

 俺は手をしっしっと振る。女はフンと鼻であしらった後、歩いて行った――。

 その背中を視線だけで見送った後、ルールを見る。

 515……515……515……――ない。

「さて、と」

「さて、と……どうしますか? 変な女に時間取られましたけど」

 ハキマも俺に合わせ立ち上がる。お前も大概変な女だけどな。

「なに、次の一手はさっきの女が示してくれたさ」

「へ?」

 俺はローブを翻しながら歩き出す。

「追うぞ、さっきの女……!」

 ハキマはその気迫に押され、呟く。

「ストーカー?」

「違う!!」

 

 メイトたちと話した女は、スタスタ自分の部屋に向かっていた。

 はぁ〜意外とつまんなかった。透明人間も大したことないし、部屋無いとか論外でしょ……。

 女は自分の部屋の前にたどり着く。

 さて……うん。

「なにか?」

 女は振り返る。そこには浮くローブと、隣に自分をずっと睨んでくる桃色の髪の女。

「え?」

「え? じゃなくて、なんでついてくるの?」

「いやー俺たち行き場所なくてさー」

 透明人間は誤魔化すように頭をかきながら言う。

「知ってるわよ、で? 何か!?」

「だからさ、"勝負"しようぜ?」

 それを聞いて、女は目の色を変える。

「……へぇ、"勝負"?」

「あぁ……」

 メイトは銃のような形にした手を、銃口を女に向ける。

「最初の勝負相手は、君に決めた!!」

 もしかして関わっちゃダメな人に話しかけちゃった?

 そう思った、女であった。

ご精読ありがとうございました!

毎週平日の朝、投稿してくので次回もぜひ読んでください!

シャス!

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