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【完結】異世界唯一の透明人間、好き放題生きていく。  作者: 秋田
【第1章】マルマロン家編

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【第23話】無傷

暇で暇で仕方ない方はご視聴ください!

「なんかいまいち理解できない」など「話無理やりすぎだろ」など思うかも知れませんが、それはご愛嬌ということで!


メイト            主人公。透明人間。

メアリー・フォレスト・レンズ 家庭教師。

シャル・マルマロン      メアリーの教え子。

ハル・マルマロン       シャルの母親。

ライカ            元山賊。

シロツメ・クローバー     ライカを殺したい貴族

 メアリーは病院の入り口のホールにて、椅子に座っていた。

 ふと、病院の扉が開く。

「ういーす、連れてきたデェ!」

 俺はがたーん! と扉を開けて大声で言う。メアリーはうざったい顔をしながら近寄ってくる。

「あ、メアリーさん」

 俺の後ろから赤髪のナース、ミルが顔を出す。

「あ、ミルさん……安心してください。シロツメは拘束しました」

 メアリーは後ろに視線を送るように横を見る。後ろにはシロツメが座ってる。

 後ろで手を拘束され目を瞑るシロツメ。ずいぶんおとなしい。

「今シロツメの視覚と聴覚と触覚を止めているので実際宙に浮かんでいるような感覚です、彼は今、なにもできません」

「サラッと鬼畜すぎることしますね……」

 俺は横からツッコむと、メアリーはいつもの眠そうな目で首を捻る。

「なにかやられると面倒なので、仕方ないとこです」

「まぁそうなんだけど」

「メアリーさん、ライカを助けてくれてありがとうございました」

 ミルは頭を下げてお礼を言う。メアリーは手を胸元まで挙げて否定する。

「いえ、私は何も……ライカを助けたのはメイトです。それに私を呼んだのはミルさんなんですから、あなたもライカを助けてますよ」

「でも、私のせいでライカの左腕が……」

 ミルは自分の責任により涙が流れる。メアリーは平然と答える。

「あぁ、それならもう治しました」

 メアリーはスッと横に避ける。するとミルの視界にライカが入る。ライカは長椅子の上でスヤスヤ壁に背をつけ寝ていた。

「ラ、ライカ……腕が治ってる……ど、どうやって」

「時を戻す魔法があるので、それで」

 メアリーが言うと、ミルはポカーンと呆ける。

 そりゃそうだ、時を戻すなんて魔法、日常的にある訳ないし、なにより凄すぎるんだよそんな魔法。

「メアリーさん、なにがあったのか詳しく聞いていいですかな?」

 すると、ミルの後ろから初老の白い髭を生やしたおじさんが出てくる。医院長だ。

「避難誘導させられ外で待っていたら、中から何かが崩れる音がしたり、何が起こったのかね?」

 医院長は優しく聞くが、実際怒ってる雰囲気だ。

「詳しいことはこの後の会議でメイトから話されます」

「メイト……? あぁ、あの透明人間か……」

 名前も知らなかったのか? この爺さん。挨拶しとくか……俺が連れてきたのにな。

「どうもメイトです、俺はあの場にいたので俺から説明させてもらいます」

「……君は病院の出入り禁止にしたはずではなかったかね?」

 ふむ、痛いとこ突いてくるな……だがこっちにも策はある。

 俺は小さく息を吸ってから口を開く。

「た、たはは……」

「……」

 秘技、誤魔化す。誤魔化せてるのかは知らんけどこれでどうにかなる。たぶん。

「まぁいい、そこも会議で話させてもらおう、そもそも何を会議するのかね?」

 ほんとにどうにかなった!

 医院長はメアリーに聞く。メアリーは医院長にシロツメを見せる。

「今回の騒動の主犯のあの男の処遇を決めます、私は立会人として参加させてもらいます」

「あの男が……一体、目的はなんだったんだね?」

「ライカを殺すことだよ、まぁ返り討ちにあったんだけど」

「……ライカを殺す……」

 医院長はそう呟くと、長椅子で寝ているライカに視線を送る。いかにも邪魔者を見る目だ。

 そうだろう、医院長としてはライカも出禁にした、にも関わらずライカは居座った。そのせいでシロツメがこの病院に来たんだからヘイトがライカに向かうのも無理はない。

「あ、そうだ医院長」

 俺はふと思い出したことを聞く。医院長は俺の声の方向を見る。

「どっかになんかたくさんの人が座れるところないかな? 会議に使いたいんだ」

「なら普通に会議室を使いなさい、二階にあるから」

「りょ」

 俺はメアリーの肩を叩く。

「じゃぁもう始めるか、早い方がいいだろ……あ、でもまだライカが寝てるか」

 相当疲れてるようだし、回復するまで寝させた方がいいか。

「……そうですね、さっさと始めますか。ライカには悪いですが無理矢理起きてもらいます」

 メアリーはライカの近くにそっと寄る。俺はそれを後ろから小声で留める。

「おい、優しくな! ライカ相当疲れてるんだから!」

「分かってますよ……」

 メアリーはムッと口を尖らせた後、ライカに手をかざす。

「優しくですね――――」

 次の瞬間、閃光が走った。ライカの体に強大な電撃が流れた。

「――――」

 ライカは声すら出ずに、体をビクビク痙攣させ、体から煙が上がる。

「優しさの欠片もないんだけど!? なんで電気ショック!?」

「いえ、これが一番手取り早いので……大丈夫です、だいぶ威力下げたので」

「そういう問題なの!? 強さじゃなくて方法じゃない!?」

 ライカはハッと気がつく。

「あ、あー……」

 横には目を瞑り無抵抗なシロツメ、前にはこちらを見下すメアリー、その横に驚くメイト、そしてミルと医院長。

 メアリーがいる時点で全て解決してると理解する。そして体の痛みもない、腕がある。

「悪いな、俺狙いのやつなのに」

 ライカが瞬時に理解したことを理解したメアリーは頷く。

「いえ、私のことはいいんです。それより感謝すべきはメイトにでは?」

「……あぁ、そうだな、ありがとうメイト」

 ライカの優しい笑顔は初めて見た。俺は驚きで固まった後、答える。

「気にすんな! お前は大事な人だからな!」

 ライカは嬉しそうに笑った。今まで誰からも求められなかった自分が初めて、生きてていいんだと思えたから。


 しかし、隣のメアリーは心中いろいろな考えが錯綜していた。

 大事な人……て、好きってこと? 友達として? じゃあ私は大事な人の何? 友達? メイトにとって好きって友達のことを言うの?

 メアリーは勘づく。


 もしかして、メイトって私に気がない?


 もしかして、メイトの言う好きって、友達としてってこと?

 メアリーは楽しそうに話すライカとメイトをよそに羞恥心に飲まれていた。

 もしかして、私が一人で勝手にいろいろ考えてただけ?

 メアリーは真っ赤に染まる頬を隠すように後ろを向いた。

「しかし、あの瞬間、俺の動きに合わせて魔法使っただろ」

「あぁ、まぁな。悪いな勝手に」

「いや、相変わらずの天才だよ、スポンジ野郎」

 スポンジ野郎……? まぁいいか、ライカが元気そうなら。

「さて、ライカも無理矢理だけど起きたことだし、会議始めようぜメアリー」

 メイトが振り返ると、自分の頬を抑えるメアリーがいる。

 何してんだ?

「おい、聞いてるか?」

「うひゃぁ! ――す、すみません……」

 え、なに驚いてるのこの人。逆にこっちが驚いたんだけど。

「いや、ライカ起きたから会議始めようぜ」

 俺が同じことをもう一回言うと、メアリーは思い出したのか、「あー」と返事をした。

「そ、そうですね、始ましょう」

 メアリーはメイトに顔を見られないように背を向けながらスススと移動してシロツメに手をかざす。

 するとシロツメはフワッと浮き上がりそのままスイーと宙を漂ってメアリーに着いていく。

 なんだそれ……浮遊魔法って人にも使えるの?

 その後ろを医院長がついていく。ミルはライカの前で立ち止まる。ライカは首を捻る。

「助けてけれて、あ、ありがと……」

 ミルは恥ずかしながらそういうと、スタスタ階段の方向に早歩きで行ってしまった。

「……あー最初のやつか」

「最初?」

「最初にシロツメの攻撃があいつを巻き込むやつだったから体押して助けたんだよ、そのせいで俺の腕が斬られたんだけどな」

「なんだそれ、お前少年漫画の主人公か、カッコよすぎだろ惚れるわ」

 ライカは苦笑いをしながら立ち上がる。

「やめてくれ、めんどくさすぎる」

 その痛いセリフは普段なら恥ずかしいが、ライカが言うと本気で思っていそうでおかしかった。

「お前あんな可愛い人にそんなことしてたのかよ、やけにライカのこと心配するなと思ってたんだよ」

 そんなくだらない話をしながら、俺たちもみんなの後を追った。

ご精読ありがとうございました!

不定期で投稿してくので次回もぜひ読んでください!

シャス!

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