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2-4 変態

この物語は英雄である主人公が悪役をばったばったとなぎ倒すストーリーです。

決してカオスな展開にはなりません。

ましてや主人公が変態なんてことはありません。

悪いのは全部世界のほうだ!

覗きが犯罪だってだれが決めた!

覗きはまさに――え?110したって?

ちょ、ちょ、待ってよ。別に俺は覗きを勧めてるわけじゃ――



アッー!

 幻術というものは極めたら最も恐ろしいものだと言われている。

 何せ相手の視覚を完全に奪えるのだから。

 常に現実とは違った映像を見せられれば為す術などあるはずもない。

 幻術に長けたものは視覚だけではなく、嗅覚や聴覚、味覚や触覚など五感全てを操るという。

 しかし、これは予想外に過ぎた。


「ふざけやがって――!」


 俺の股間にぶらさがっているはずの大事なものが消去されている。

 それだけではなく、視界が低くなっていることから身長が低くなっていることもわかるし、身体が華奢になったのか、鎧が重いし、ブカブカだ。


「私は幻想を操る魔女。私が願うだけでそれは現実となる。どうですか?女の子になった感想は?」


 最低で最悪だよ!

 なんだこれ。股間がさびしいぞ。あるべきものがないだけで全てのバランス感覚がおかしくなっているみたいだ。

 溢れるばかりの力の脈動を感じていた俺の肉体は今となっては弱弱しい力しか出せない。武器を軽々と扱えたはずの腕力は衰えきったのか、超大な魔剣を持ち上げるにはあまりに力が足りなさすぎる。

 持ち上げようとしても情けなくプルプルと震えるだけだ。非力ってのはこんなにも不便なものなのか。

 ならば、と一足飛びで魔女のところへ突進しようとしたが、鎧の重みに負けてしまい、俺は前のめりに豪快に飛び込んで――転倒した。


「アイタタタッ!」


 ズザザザァー、と土の上を見事に滑る。傍から見れば俺は阿呆にしか映らないだろう。

 ググッ、と腕に思いっきり力を込めて立ちあがろうとするが、力が足りない。

 俺は立つことすらできない、生まれたての馬ほどの存在に成り下がってしまった。

 悔しくて涙が出る。

 俺は――俺は――ッ!


「立つことができないようじゃ――自分の裸すら満足に見れねぇっ!目の前に湖面があるというのに、それなのに俺は自分の肢体を見ることすらできねぇっ!感触的にはどうだ。これはどうだ。なかなかのおっぱいじゃねぇか!身長だって低くなってるぞ。かなり可愛いんじゃないのか?!問題は顔立ちだが、柔和な感じになってるか?!釣り眼のままなのか?それはそれでいいかもしれない!最高だ!早く、早く、俺に自分の裸を見させてくれ!」


 それまで余裕の表情をしていた魔女の顔が一気に歪んだ。

 まるで俺の言っていることが理解できていないというような――そんな雰囲気を醸し出している。

 まぁ理解できることではないのかもしれない。

 俺の気持ちは恵まれないモテない男たちにしか理解できないことなのかもしれない。

 というより、理解されたくない。

 もし、今誰かが「お前の気持ちはよくわかるよ」などと言いやがったら「勝手にわかったようなフリをしているんじゃねぇ!」と激怒してしまうかもしれない。

 本当にわかってくれる奴ならば、俺はきっとそいつと親友になれるかもしれない。

 だが、わかったフリをするやつもわかってくれるヤツも今周囲にはおらず、ただただ俺の叫びがブルッシュリウムの森の中を木霊するだけだ。


「俺は裸が見たいんだ!女の裸が見たいだけなんだ!俺は自分で言うのもあれだが、なかなかに綺麗な身体をしているぞ。鍛えぬいたから、なかなか見目麗しい肢体をしているぞ!それが女になったんだろう?感触的にはおっぱいだって大きいぞ。これはかなりのものじゃないのか?!」


「――予想外ですっ!この男、全くダメージを受けていないっ?!」


 良いこと考えた!

 見れないのはわかった。

 だが、手は動く。動かせる。

 ならば――ならば!


「せめて、揉む。俺は揉むぞぉぉぉ!」


 言うなり俺は身体のバネをあますことなく利用して仰向けになった。

 そして、皮の胸当ての隙間から手を入れて自分の胸をまさぐった!

 柔らかく、包み込むような温かいものがあった――が、


「別に気持ちよくねーな。自分のものじゃ興奮もしねぇ」


 結論が出た。

 他人のものだから興奮するのであって、自分のものだと意味がないということを悟ってしまった。

 世界の真理を掴んでしまったが、この真理を語るべき相手はいない。このことは俺の胸の中にだけ留めておこう、と固く決意する。


「自分の裸は見たいけれど、自分の裸じゃおそらく気持ち悪いだけだ。男の身体に戻してもらおうか」


「仰向けのまま何を偉そうに言っているのですか?あなたは自分の状況を理解していないのですか?」


 もちろん理解している。

 今の状況としては俺と魔女が対面しており、魔女の横には先程俺が助けた冒険者が二人いる。ハイゼルとクライツだ。

 何故か魔女に平伏してはいるが、きっと俺のことを助けてくれるに違いない。何せ助けたのだ。恩に報いるのは当然のことのはず。しかも、ハイゼルは騎士道がどうとか言っていた。

 俺は知っているぞ。『騎士道大原則の一つ。命の恩は命を持って返さなければならない』ということを。

 だから――


「ハイゼル!俺を助けろ!」


 他力本願極まりないが、俺は立てない。立てるほどの筋力がない。

 甚だ不本意ではあるが、人の助けがないと起き上がることすらままならないのだ。だから、恥も外聞も何もない!助けて下さい。お願いします!

 その祈りは通じたのか。平伏していたバイゼルはのろのろと起き上がり、俺の方を見た。

 先程までギラギラと輝いていた瞳は濁っていて、全く意志を感じない。欠片も知性を感じない。

 どういうことだ……?

 戸惑っていると、くすくす、と嘲笑うかのような魔女が俺を見下している。

 まだ気づいていないの?とその笑顔が悠然と物語っている。

 まさか……?!


「洗脳か……」

「人聞きが悪いですね。私は洗脳の素養を持っていません。これは私の美しさの結果です。それと、単純極まりない魔法を併用していますよ。【魅了(チャーム)】、よく聞く魔法でしょう?」


 【魅了(チャーム)】――確かによく聞く魔法だ。簡単な術式で発動できるノーリスクの魔法。効果は自分の魅力を最大限に引き出すことができるということ。そして、無差別的に魅力をばらまいて術者に惚れさせるという驚異の魔法。

 あまりに恐ろしいので禁術指定されていたりする。

 上手く使いこなせばこれだけで一国の主になることすら容易だからだ。

 なればこそ、この魔法に対する防御訓練などはある一定の階級を超えたあたりから義務となる。

 男に溺れたり、女に溺れたりして退廃せぬように、との処置だ。

 実際、【魅了(チャーム)】を使って一大ハーレムを作った奴を俺は知っているが、バレて国外逃亡の身になっていることも知っている。

 口癖は「なぁカシム。良い女見つけたんだ。紹介するぜ?金貨1枚で」だった。

 魔術師だったわけではなく、たまたま術式を教えてもらっただけという幸運な男だ。

 たまたまというよりもあれは一種の悪意すらあったように思えるが。

 方法は聞かなかったが、いわゆる恐喝の部類に入るのではないだろうか。詳しくは知らないので推測で物事を語る気はないが。


「誰かの依頼でここを守ってるんだろ?それなのに禁術指定のものを使うなんて大胆なやつだな」


「ふふ、ここは治外法権のようなものですよ?裁く者などいるはずがないではありませんか。それに――これは万国共通の考えだと思います。要するに使っているということを隠し通せればいいのですよ。そうすれば誰にも気付かれることなく、穏便に過ごせます」


「そうかい。まぁそりゃ良い考え方だな。俺の知り合いにもそういう考え方のやつはいっぱいいたけどよ。だいたいは破滅したぜ?」


「私はなりませんよ。現に私は自由です。それに貴方は人のことを言えないでしょう?女風呂を覗くのは立派な犯罪ですよ?」


「俺は死ぬ覚悟すら決めてここまで来ている」


「その情熱を違う方向へ向けようとは思わないのですか?」


「俺はやりたいことをやる。今やりたいことは美女の身体をあますことなく視姦することだ。これは俺の正義であり、俺の存在意義であり、生き甲斐でもある」


「堂々とハレンチなことを仰いますね。死んだほうがよろしいのでは?差し出がましいようですが、お手伝いさせていただきますよ?」


「まだ見ぬ世界が俺を待っているというのなら、俺は死ぬわけにはいかないな」


 そうだ。死ぬわけにはいかない。

 俺はまだ何も成し遂げていない。

 目標を達成できていない。

 最初は生活苦に追われて仕方なく冒険者になった。その次は生活レベルの向上ためにがむしゃらに魔獣を討伐した。いつの間にか強くなり、地位も名誉もそこそこにあったが、彼女ができなかった。

 だから、俺は魔王を討伐した。

 結局はモテなかったわけだが。生まれてからずっと彼女ができたことなどあるはずもない。

 そして、今の俺がいる。

 女風呂を覗くために命を懸ける馬鹿がここにいる!

 俺は絶対止まらねぇ――止まってたまるかよ!

 どんな障害が立ち塞がろうと、俺は決して諦めねぇ。

 女の身体になったからどうしたってんだ?立てないから何だ?諦める理由になりはしない。

 そのように諦めない俺を見る魔女の眼は冷たかった。

 まるで虫を見るかのような、侮蔑の混じった恐ろしいまでに冷え切った視線。

 俺――軽蔑されてんのかな。


「そうですか。残念ですが、貴方には死んでもらおうと思います。主観も多分に入りますが、私は貴方のことが理解できそうにありません。異性の裸は魅力的ですか?ずいぶんと俗物的な考えです。そもそも理解したくもありません」


「俺は死なねーよ」


「私がなぜこのように長々と無駄話をしていたかわかりますか?」


「さてね」


「地響きが聞こえませんか?」


「あぁ、聞こえるな。肌で感じるよ。大地が揺れているな」


 実のところ先程から聞こえている。

 身体全体で感じる地響きは間違いなく巨大な質量を持つ何かがこちらに近づいていることを教えてくれる。


「貴方を追っていた魔獣は私に魅了されていたものたちです」


 さっき俺がぶっ殺した奴らはこいつの仲間だ、ってそういえば言ってたな。


「そして、私は幻術を使うことができますが、戦闘能力はからっきしです。というよりも、女に戦闘能力などいらないというのが私の持論です」


 色香で勝負ってわけか。

 というよりも、あれだな。わざわざ戦う必要がないんだろうよ。

 何せ自分の手となり足となって動いてくれる従僕がいるんだから。

 ある意味それは特権だよなぁ。

 俺なんか、今は自分の身体すらままならない。


「私の下僕はいくらでもいますから。貴方にトドメを刺すのは私の下僕たちです」


「なるほど、わかりやすいな」


 仰向けなので視界が広い。

 視界の端っこにミノタウロスやらオーガがたくさん見える。

 こりゃ絶望的だな。


 ――ブモォォォォ!


 なんて雄叫びあげてるし。

 なんか眼が真っ赤になってるし。超怒ってる?何か俺悪いことした?ちょっと殺しただけじゃん。

 ――殺される理由にしては十分すぎるな。


「つまり、貴方は私に触れることすらなく、惨めに死に果てるということです」


 何ということだ。

 俺はまだ死んでいないのに死ぬのが決定事項にされている。

 にこりとも笑わずに冷たい視線で俺を見下しながら裁決を下してくれる。

 バイゼルとクライツを侍らせながらそんなことを言ってくれる。


「最後に聞かせてください。雑魚のように死ぬというのはどんな気持ちですか?」


 俺の頭上には数多の魔獣が君臨していた。

 大斧や戦鎚を振り上げる魔獣がいた。

 絶体絶命の大ピンチ――ってわけでもない。

 実際のところさ。動けないっていってもさ。何もしてなければ動けないだけだ。

 俺には魔獣の胸当てがある。これを使えば身体能力を底上げできる。危険なまでに強化できる。

 今使うのはたいへんよろしくないが、まぁ死ぬよりマシだな。


「覚醒しろ」


 その言葉をキーとして魔獣の胸当てが俺の身体を浸蝕する。

 常日頃、俺にやり込められている鬱憤を晴らすかように、いつもよりも過激な激痛を俺にプレゼントしてくれる。

 俺が弱っているから、今がチャンスだとばかりに攻め立ててくる。

 まぁでも耐えられないほどじゃない。

 ほんのちょっと腕がもがれそうになったり、腹が押し潰されそうになったり、足が引き千切れそうなくらいの痛みなだけだ。我慢できないほどじゃない。

 脂汗をだらだらと流しながら、俺は永遠にも近い一瞬で心から死にたいと思えるほどの激痛を耐えて、ケルベロスの加護を一身に受けた。

 ――ドガァァン!、と地面が破裂するかのような爆撃音が鳴り響く。何度も何度も鳴り響く。 

 食らえばきっと痛みすら感じるまでもなく死ねるだろう。

 まぁ、俺はあっさりと回避したわけだが。

 即座に立ちあがり、横に飛び跳ねて、俺は逃げ延びた。


「痛ぇ。超痛ぇ。ちょっとは加減しろよ。鎧のくせに持ち主に攻撃を加えるとかどういうことだよ」


 ゴキリ、と首を回して俺は言う。

 身体全身の痛みは消えている。

 万全というほど身体の調子は戻ってはいないが、男の身体よりも全然能力は劣ってしまうが、ミノタウロスやオーガ如きを相手にするには十分だ。


「おら、こいよ。テメェらに俺の怒りを刻んでやる。お前ら全員男だろ?俺と同じ苦しみを与えてやる」


 言うなり俺は飛び込んだ。

 視界に映る魔獣たちの数は10匹ほど。全く問題ない。

 魔獣たちの隙間を掻い潜り、ど真ん中に立つ。

 まさに四面楚歌という状況。自分からこのような危機に立つなど馬鹿でしかないかもしれないが、別に俺の場合は問題ない。


「大地粉砕剣」


 地面に魔剣を突き刺す。

 知覚できるものがいたら卒倒するかもしれないほどの【(オーラ)】を切っ先に集めて爆発させる。

 その爆発の余波で地面が吹き飛び、大地は敵に猛威を振るう。

 防御する術などあるはずもなく、一撃必倒のために編み出した技は俺の敵を叩き伏せる。

 たった一度の攻防で魔獣は既に息絶えた。


「さっき俺に聞いてきたな。雑魚のように死ぬというのはどんな気持ちですか?だっけか?」


 突き刺していた魔剣を引き抜く。

 至極格好よく見えるように、大仰に魔剣を肩に担ぎ、空いている左手で頭髪を梳いてみせる。


「存外に悪くない気分だぜ?逆転勝利なんてよ。まさにヒロイックサーガみたいじゃねぇか」


 ついでとばかりに親指を地面に向けてやる。

 最上級の指での罵倒。

 意味合いとしてはそう――ざまぁみろ、くそったれ!だ。


「まぁ、俺も弱いものイジメなんて趣味じゃねぇ。さっさと俺を男に戻せば身体の安全も命の保証もしてやるよ。女を殴るなんてしたくねぇしな」


 だけど、その台詞は途中で途切れることになる。

 予想外なのは予想外だったが、こんなえぐいこと普通するか?

 へこたれているように俯いていた魔女は実のところ笑っていた。嗤っていたのだ。

 くつくつ、と嗜虐性の強いまさにドSな高笑いを押し殺していたのだ。


「圧倒的勝者は私でしょう?」


 言うなり見せてきたのは俺の――俺のッ!


「それは――ッ!」


「名前を言うのもおぞましい。この汚物」


 ぐりぐりと圧力が加えられているのか。

 メキィ!という出してはいけない擬音が耳へと届く。

 なんかすげぇ痛々しい音だぜ……。思わず今はない息子を求めて手が動いてしまった。


「ふふ、人質としては十分でしょう?それに、下僕はまだ二人ほどいます」


 すっ、と魔女の前に出てきたのはハイゼルとクライツのブッシュファイア親子。

 結局はこうなるのかよ。


「卑怯者っ!って罵る権利を俺にくれ」


「どうぞ、存分に。私は虐めるのが好きです。子犬が泣きそうな顔をしながら抵抗してくる様を見るだけで絶頂すら迎えられます。貴方も――今の状況は子犬と変わらないでしょう?」


「クッ――」


 未だに圧力は加えられ続ける。

 俺の痛みが止まらないっ!

 脂汗が止まらない。冷や汗が止まらない。絶望が俺の真正面から向かってくる感じだ。

 肉体的には痛くはないはずだが、何かがとても痛々しい!


「ハッ、その二人は既に意識ねーのかよ?」


「えぇ、この二人は既に私の虜ですよ?」


「そうかい。じゃあ仕方ねぇな」


 あぁ仕方ないな。

 本当に仕方ない。

 俺だって好きでやるわけじゃねーよ?助けられる方法があればそれを行使しようと思うよ?でもさ。仕方ないだろ?意識ないんなら仕方ねーよ。ほら、俺言ったしさ。デルブライトには言ったしさ。格好良く言っちゃったしさ。俺の障害は全て踏みつぶすって言っちゃったしさ。だからさ。仕方ないよなぁ?


「まぁ、女に溺れて死んだ友人は数えられないほどいるしな。全員哀れな死にざまだった。けど、結構満足そうな往生した顔だったから、きっと本人は満足だったんだろうぜ」


 肩に担いだ魔剣を両手で持って構えてみせる。

 戦闘態勢は十分に整った。

 目の前にいる敵になったハイゼルとクライツはペアでようやくミノタウロスに勝てるような程度の実力。

 正直なところ、束で来られても負けることはない。


「え?え?」


 俺の態度に魔女が困惑する。

 俺が止まるとでも思ったか?

 止まるわけねーだろ。止めたければよ。せめてドラゴンでも連れてこいやっ!


「まぁ、これも何かの縁だったのかもしんねぇ。せめて苦しまないように殺してやる」


「女風呂のために人間を殺すのですか?!」


 今更そんなこと言われてもなぁ。

 ここに来るまでに親友すらぶった切ってるわけだしな。

 本当に今更だよな。


「ん?うん。そいつら今日会ったばっかりだし。友情すら芽生えてないし。死んでも何も困らないしな。まぁこんな森だ。多少行方不明者が出てもバレはしねーよ」


「さ、最低ですね!」


「お前も言っただろ?」


 ニンマリと笑ってやる。


「バレなきゃいいんだよ」


 火蓋は切って落とされた。


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