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第3話 勇者ワレイド視点

「なんだと! ちゃんと鑑定したんだろうな!」


「なんですか、私は紛れもなく正規の鑑定士ですよ。王国の認定証もここにあります。いかに勇者さまとは言え横暴がすぎますよ。 あなたの持ち込んだこの石は、なんの価値もありません!」


 俺はクソ鑑定士のだした認定書をみて、舌打ちした。


「くそ、こんな店に誰が売るかよ!」


 俺たちはロディを追放した後、ダンジョンで手に入れた宝石を高値で売るために王都の宝石店をしらみつぶしに回っていた。


「ねぇ、ワレイドもう何店舗めよ~その宝石、本当に何の価値もないんじゃないの~」


「うるせー! ちょっと黙ってろエレン! 次の店はビビるぐらいの高値がでるはずだ!」


 くそ~、なんであんなに苦労してゲットしたお宝がクソなんだよ~ざけんなよ~俺さまがわざわざダンジョンでゲットしたんだ、高値がつくに決まっているだ。


「もう歩きつかれた~」


「エレンおまえさっき、高級マッサージ屋で最高コースを受けただろう、もうちょい我慢しろ」


「え~、なんかさ~あの店高いくせに、まったく気持ちよくないのよ~まだあいつのマッサージのほうがましだったな~わたしもマリーナみたいに受けなきゃよかったよ~」


「そうですねエレン、マッサージにおいてロディを上回る者はいないと思います。そもそも私はロディ以外の男性に肌を触られたくないので」


「うるせぇ! あいつの名前なんかだんすんじゃねぇ!」


 クソ~イライラするぜ。あの高級店よりも追放野郎のロディの方がいいだと、あの野郎が夜な夜なマッサージと称してエロい事してただけだろうが! ちょとばかしかわいいからって調子に乗りやがって。2人とも俺の女にする予定だからパーティーに残してやってるんだぞ、クソが!


 王都の城壁内の店は全てまわったので、今は城壁外を歩いている、ひらけた場所にボロイ教会がみえた。


「ワレイド、教会でその宝石の鑑定をしてもらってはどうですか?」


「あん? マリーナ、教会なんかで何がわかるてんだよ!」


「教会は宝石を専門に鑑定する場所ではありませんが、幅広い鑑定が可能ですよ」


 あまり気ノリはしないが、俺たちは教会に入って鑑定を受けることにした。

 しかし古臭い教会だな、無駄にでかい女神像とか御大層に奉ってやがる、やっぱ俺様以外は全員アホだな。


「こ、これは!」


 ボロイ教会のおっさん神父がなにやら驚いた表情で、宝石を触っている。


「おお、やっぱな、超高値のお宝だったか!」


「い、いや、勇者どのこれは…」


 おいおい、いいかげん俺様の宝石から手をはなせよ、てかこいつ価値がわかったとたんにくすねる気か?


「てめぇ! 魂胆バレバレなんだよ!」


 俺は教会のおっさんから宝石を無理やり奪い取ろうとして、力を入れすぎた。

 宝石は宙を舞い、教会の石床におちて、粉々に砕け散ってしまう。


「ああ! てめぇ…俺様の超レア宝石を…どう弁償してくれんだ!」


「ち、ちがう、勇者どの! これは宝石ではなく魔石だ! しかも大量の魔物を封じ込めている魔石だ!」


 はあ? なんだこいつ、俺様の宝石をくすねようとしたあげくに、今度は魔石だ~? 意味不明なことほざきやがって!


「ワレイド! あれ!」


 その時、聖女マリーナが割れた宝石の床を指さした。なにやら黒い物体が徐々に姿を大きくしながら現れる。


「ご、ゴーレムだとぉ!? なんでこんなところに、さては教会おっさんの仕業か! あくまで弁償しねぇ気だな!」


「いや違うでしょ、あんた今まで何聞いてたの?」


 賢者エレナが何か言ってきたが、とにかくこのゴーレムへの対応が先だ。


「くそ、やるしかねぇか。エレナ! マリーナ!」


「はいよ、ワレイド! アタックアビリティ(攻撃力アップ)!」


「シールド展開します! ホーリーシールド(魔法防御壁)!」


 賢者エレナが俺様の攻撃力をアップさせて、聖女マリーナがシールドを張る。これが勇者パーティーの必勝パターンだ。 


 眼前のゴーレムから凄まじく重いパンチが振り下ろされるも、マリーナのシールドはビクともしなかった。


 勇者ワレイドが口角をあげてニヤリとする。


「ゴーレム1体程度が調子にのるんじゃねぇ!」


 俺は振り下ろされたゴレームの腕に聖剣の斬撃を叩き込んだ。


「ぎゃげぼっ!」


 俺の剣は簡単にはじかれて、ゴーレムには傷1つついていない。


「おい! エレナ! 最大魔力で攻撃力アップをかえろ! 出し惜しみするな!」


「うるさいわね! いつもどおりアップしてるでしょ! ほれ、ハイアタックアビリティ(攻撃力最大アップ)!」


「たく、あのクソあまが! おら~~~! クソゴーレムが真っ二つになりやがれ! スキル【ブレイブソード】!!」


 俺は最大の力でゴーレムの頭部に光の斬撃を叩き込んだ。


「ぎゃげぼっ! ひゃぎいぃいい!」


 またもゴーレムには一切ダメージを与えられない。


「おい! 賢者エレナ! ざけんな! 全然いつも通りじゃねぇよ!」


 おれは後ろにいる使えないバカ賢者の方に振り向いて怒鳴る。

 ん? なんだ? 賢者も聖女も口開けやがって。本当のアホか? こいつら? 


 ガシャン ガシャン ガシャン なんか音が聞こえる。


「お、おいおいおいおいおいおい!」


 いつもの間にかゴーレムは5体になっていた、というかさらに床から新しいゴーレムの手やら顔やらが見え始めている。


「な、なんじゃこりゃ!!!」


 俺は思わず驚きの声を上げてしまった。


「ワレイド! いったん教会から出ます! 神父さま、私たちが引き付けているうちに他の方たちと教会から避難を!」


 聖女マリーナは光魔法を使用して、ゴレーム達をひきつけつつ、教会の外に出る。


「ここなら、大丈夫! さあワレイド! 攻撃してください!」


 おいおい、あいつは真正のアホか? あんな大軍を相手にできるわけないだろ。さてと聖女がひきつけてくれた隙になんとか逃げねぇとな。

 マリーナはゴーレムの巨大な足に踏みつけられるのをなんとかシールドでしのいでいた。


「そ、そんなワレイド何やっているの? 早く攻撃して、もうシールドが…あれは!?」


 聖女マリーナが誰かの影が近づいてくるのをみて、大声で叫んだ。


「ロディ!」


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