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屍従王  作者: シギ
第二章 ギアナードの魔女編
31/113

030 ナルシストの杖術指南

 実はヒゲは武術の達人だった……


 そう言われても、俺の中でのヒゲの評価は上がらない。


「ムッシュ。準備はできたかね?」


 もう! 革手袋をはめつつ、歯を光らせるなんて所作いらんから!


 そういや、コイツも両性なんだっけ。なんか納得がいかん。なんか知らんがズルい気がする。

 俺より背が高くて、格好も良くて、気障ったらしいのに、男女どちらも虜にできるなんて…うーん、悔しくないから!


「杖術か短棍術ということだったが…ムッシュのような体型だと、ルフェ様のような突剣術の方が我的にオススメなんだがね」


 一応、ルフェルニのことは敬称つけて呼ぶのか。

 ルフェ坊とか言いそうだけど、そこはさすがに弁えて…いるのか?


「俺は先端恐怖症のがあるの。だから、相手を突き刺すというのには抵抗があるからイヤなの」


「フフン。なるほど。まあ、魔法士であるしね。理解したよ」


「…あー、もう我慢できない! その喋り方と動作どうにかなんないのか?」


「どうにかとは? どんなかね? ハッキリと言ってくれたまえ」


 ムカつくー! ヤレヤレと肩を竦めるな!


「お前、年齢としいくつなんだよ!?」


 年齢でマウントは取りたくない。けれど、相手が最初から礼儀知らずならば話は別だ。


 敬語で話せとは言わんが、臣下の態度がそんなだと、教育がなってないと思われる主人(ルフェルニ)が可哀想なんだぞ!


 こちとら100歳越えなんだぞ!


 ハーンとか、フフンなんて見下されてたまるか!


「我は満年齢167歳である」


「……あ。スンマセンした」


 ヤベェ。めっちゃ年上だった。


 マウントを取り損なった俺は、直角に腰を曲げて謝罪する。


 うう! ならば、この喋り方と態度に我慢しなければならないのか…


 クノヤロウ! 年功序列なんてクソ喰らえだ!


「…ムッシュが、我の態度を不快に思われていることは重々承知」


 部屋の隅にある木棒を2本持ってきて、その1本を俺に手渡しつつ言う。


「? どういうことだ? 不快に思われていると知っていて、わざとやっているのか? なんでまた?」


「…我の方が伯爵っぽく見えるであろう?」


「え? うん、まあ、そうですね…」


 そんなこと自分で言う事か? ルフェルニをディスってんの?


「ならば、いざという時には、我がルフェ様の身代わりになれるであろう」


「ん?」


「暗殺などを企てるような不埒者は、ムッシュのように聡明ではないだろうからね」


「…うーん、まあ、俺が聡明かは知らんけど」


「その様な愚者であれば、我をハフムーン・ディカッターだと誤解してくれる可能性が高かろう」


「え? 代わりに殺されててもいいって言ってんのそれ?」


 マジか。コイツ…


 何も考えてなさそうで、そんなこと考えてたのか。


「ヒゲ…いや、イグニストと言ったか…。すまない。あなたのことを誤解していた。改めて謝罪しよう」


 俺が深々と頭を下げると、イグニストは少し驚いた顔をする。


「…カダベル殿。王が軽々しく頭を下げるべきではない。ましてや格下の者を相手にはな」


「いや、そういうわけには…。

 それに“王”と名乗ったのは詐称だ。だから、本当は俺はルフェルニを責められる立場にもない」


 改めて考えてみりゃ、嘘をついたってのは俺も同じだ。

 腹を割って話す…ってさ、最初から疑っていた俺が言える話じゃないよな。


「…フム。しかし、ルフェ様は貴殿を王と認めている」


「…認めてる…のかねぇ?」

  

「認めているとも。ひとりでも認める者がいるのであれば、貴殿はすでに王だ」


「それってちょっとおかしくないか?」


 なんか言ったもん勝ちに聞こえるぞ。


「なにもおかしくはない」


 うーん。堂々とそう言われるとそんな気もしてくる。


 イグニストはなんかブレない男だな。


「なるほど。忠誠心…敬意の払い方にも色々あるんだな。俺はブレまくりだわ」


 自分に自信があって、少しの迷いが無い点。そこは俺も見習うべきかな…。


「特にルフェ様は、これから様々な経験を積まねばならない」


「領主…だもんな」


「その道を備えるのも配下の役割である。ゆえにカダベル殿を王として、我々も受け容れるのが道理である」


「…んん? なんだか奇妙に聞こえるぞ。それが俺を王と認めることと何の関係があるの?」


 なんか微妙に話が噛み合ってない気がする。


 俺が王であることで、イグニストたちに何の得があるってんだろう?


「若き当主の“初”の相手となるやも知れぬ者には、詐称でもなんでも、王ぐらいの立場の者でないと…とても安心できぬのだよ」


「…“初”?」


「む? ルフェ様は童貞兼処女なんだが…まさか知らなかったと?」


「エッ?!」


 イグニストが「しまった!」みたいな顔をする。


 あっれー?


 ヴァンパイアにとって未経験なのって、人間なんかより恥ずかしいとかなんとか…ロイホあたりが言ってたような言ってなかったような。


 えーと、確か15歳を越えて未経験とかだったら腹を切るくらい恥ずかしいことで、ロイホもエイクも「自分だったら自害します」とかなんとか、かんとか……


 俺だったら、とうの昔に死んでなきゃいけない。…いや、もう死んでるけどさ。


「元からルフェ様は、ヴァンパイアにしては奥手の方で…」


「呪詛のせいだ!」


 これ以上は聞くわけにはいかない! 俺はそう叫ぶ!


「いや、呪詛はルフェ様が15の齢を越えた後に…」


「いいや、呪詛のせいだ!」


 うるさい! お前は忠臣だろう!


 聞け! 俺の雄叫びを!! ここは屈しろ!!!


「呪詛のせいだ!」


「…う、うむ。呪詛のせいである!!」


「呪詛のせいだ!」


「呪詛のせいである!!」


「呪詛のせいだ!」


「呪詛のせいである!!」



 しばらく叫んで気を取り直し、俺は木棒を構える。思ったよりも重い。


「ムッシュ。構えは常に半身に。手首は内側に曲げ、手甲を打たれても武器を手放さぬよう心掛けたまえ」


「はい!」


 イグニストは教えるのが上手い。

 尊大な態度は欠点だが、それといちいち「構えが美しくない」なんて言われるのは癪だが、それでもひとつひとつ懇切丁寧に教えてくれる。


「杖術、短棒術、長棒術…基本的なところを押さえれば、それら全部が使えるようになる。剣とは違い、全ての箇所が支点、打点となるように活かす!!」


 何となしに構えていたのを、一瞬にしてイグニストに叩き落される。


「お、おおッ!?」


 クルンと回転させた棒の先端が、俺の眼前にと突きつけられた!


「…こんな具合に」


 歯は光らせなくてもいい! 


 だ、だが!


 か、かっけぇ!


 なんだ、今の流れるみたいな動きは!


「続けよう。…距離を詰め、一挙に脚を払う!」


 その場で棒を回転させ、遠心力を使って俺の左足首の直前で寸止めする。


「両手の武器を落とし、鳩尾を突く!」


 左右の両端で俺の手を払う仕草をして、引いた棒先を胃の上に軽く当てられる。


「おんおおッ!」


 思わず感動して、変な声を漏らしてしまった。


「ムッシュのような魔法士であれば、このように機先を制して、虚を突く技を主に修得するといいだろう。魔法を使ってくると思っている輩には効果的だと思われるぞ」


「はい! イグニスト先生! あざーす!」


 もう俺の中で、ヒゲ→イグニスト→イグニスト先生と出世魚のごとく、彼の評価が爆上がりだ! 株価上昇が止まらない!


 今なら、彼にだったら尻も差し出しても惜しくはない!


 嘘だ! 尻を掘られるのはやっぱりイヤだ!


 だが、わかってもらいたいのはそれだけの俺がイグニストをリスペクトしているということだ!


 うーん、しかしそうなると好みぐらいは聞いてもいいかな。


 俺はちょっと無理だが、ゾドルとかゴライとかメガボンとか…紹介できる子はたくさんいるしぃ。


 ほら、無理強いはやっぱダメじゃん。やっぱ恋愛とか本人の意思も大事だしぃ。


 でもぉ、普段から俺のためなら死ねるとか言ってる男だったらぁ、きっと泣いて喜んでイグニストの元に嫁ぐんじゃないかしら!


 あ。ゾドルにはミライが…でも、確かこの国って重婚認められてるし、まったくもって問題ないか(平民で重婚するってのはあんまり聞かないが)。


「イグニスト先生!」


「なんだね、ムッシュ!」


「つかぬことをお聞きしますが、先生に好みのタイプとかはあらせられるのでしょーか!?」


 唐突すぎるが、ヴァンパイアではあんまり変な質問じゃないはずだ。


 というのも、この種族的に性的なことにオープンらしく、今朝もメイドたちが「今日のパンティ何色?」「白だよー」みたいな会話を天気の話でもするかのように普通にしていたからだ!


 そしてイグニスト先生も「フフン」と笑って頷いている。


「我の好みのタイプか…。知りたいかね? ムッシュ」


 いや、正直どうでもいい。


 だが、武術を教わる上で何か礼はしたいからな。


「好みは…我自身かな」


 ……何言ってんだ、コイツ。


 大暴落だ。


 今まで爆上がりしてたこいつの株が地の果に落ちる。


 盛者必衰。驕る平家は久からず…。

 

 今までの盛り上がりは何だったのって感じだ。


 返してくれ、俺のリスペクト。


 こんな奴に敬意を払うなんて俺のプライドが許さん。


「…そういえばムッシュ」


「はぁ…?」


 ダメだ。ぞんざいに扱ってはいかんと頭で思っても、俺の精神はすでに冷え切っている。


 ナルシーは自分の部屋でやれ…そう思わず言ってしまいそうだ。


「知っておられるとは思うが、武器の中に“魔法杖まほうじょう”というのがあってだね。それを使えばもっと多彩な…」


「魔法杖!?」


 なにそれ!


 そんな魔法みたいな響きのワクワクする杖があんの!?


「まあ、魔法士なら誰しも知ってる物だし、今更珍しくも…」


「いや! イチから教えてくれ! いや、下さい!! イグニスト先生! いや、大先生! いいや! 超先生様ぁ!!!」


「う、ウム。それは別に構わぬが…」


 げへへ。俺は魔法のためなら、ナルシストの靴だって平気で舐めてやるぜ……


 プライドはどうしたって?


 ハッ! プライド守って魔法杖が手に入るなら苦労しないって話だ!




──




 イグニストに「後は反復練習あるのみ」と言われるくらいまで手ほどきを受ける。


 小手先の技を覚えるよりも、基本を忠実に行う積み重ねこそが奥義だ…みたいな、そんなアドバイスももらった。


 さすが160年も生きたヤツの教えには深いものがあるような気がした。



 俺が訓練している間、ルフェルニが俺のために新しい仮面を用意してくれていた。


 鍛冶屋に言わせて、速攻で作らせてくれたらしい。


 今までの木製とは違う、薄い鉄板を引き延ばしたもので、スリットを細かいメッシュ状にしたものだ。


 視界は拡がったが、網目がどうにも邪魔くさいし薄暗く視える。


 見た目はかなりいいんだけどな。子供の頃に観た変身モノのヒーローを思い出す。



「その文字は? …いや、模様ですか?」


 仮面の左頬に【筆記】で書いた文字を見て、ルフェルニが不思議そうにする。


「ああ。これは漢字というモノさ。文字で合ってるよ」


 そうだ。この世界で使われている字ではない。ルフェルニに読めないのも仕方がない。


「“かんじ”? 初めて聞きました。この文字はいったい何と読むのですか?」


「“むくろ”だよ。死体とか亡骸って意味さ。俺を一文字で表すには相応しいだろ? 中二病的には外せない要素だ」


「“ちゅうにびょう”?」


「ああ。この漢字を使って相手を威嚇するんだ。もしくは敵対するヤツを小馬鹿にするって意味合いもあるかね。“喧嘩上等!”、“天下無双!”…とかさ」


「なるほど…。確かにメッセージ性のありそうな文字ですね」


「かなりアレンジしてるからな。生粋の日本人じゃないと読めないだろう…たぶん」


「それは種族…ですか?」


「種族……まあ、そう言っても間違いないじゃないかな」


 もし読めるヤツがいたら、そいつもまた俺と同じように異動してきた可能性がある。


 もし都市部に行くなら、出会う可能性も考えていた方がいいだろうと今更になって思ったのだ。

 イルミナードやサーフィンだけの狭い世界を見て、異動者がいないなどとは思わない方がいい。


 あ。でも外国人だったら……まあ、その時はその時か。   


「カダベル殿は本当に色々な事をご存知なのですね」


「いや、明らかに知らない事の方が多いけどね」


 そうだ。引きこもりのカダベルと、大した経験もしてない道貞の記憶なんてたかが知れている。


「…カダベル殿。実は…今までのお詫びというわけでもないのですが、お渡ししたい物が」


「渡したい物? もうこの仮面をもらったじゃないか」


「いえ、それだけでは私の気がおさまりません。

 なかなか、この街では見つからない代物でようやく…」


 ルフェルニが何やらモジモジとしつつ、背中から何かを取り出そうとした。


 その時、バサバサという羽音が廊下の奥から聞こえてくる。


「キンキュー! キンキュー!」


 甲高い声でそんなことを叫ぶ声がする。


「何事か?」


「サルミュリューク郊外にて…ギャミュー!」


「うーん?」


「つかむなぁミュー!」


 目の前をパタパタと飛んでいる生物を思わず両手に挟む。


「…なんだいコレ?」


 俺は生物ではなく、ルフェルニに尋ねる。


「えーと、これが我々の使うコウモリです」


「コウモリ? …これが?」


 なんか違う。


 羽は確かにコウモリっぽいけど、ずんぐりむっくりしてる。顔もなんか丸いし。


 色はオレンジっぽくて、毛むくじゃらの手足の尻尾もある。


 うーん? どう見ても隠密活動には向かなさそう。


「なんだっけかなー。なんかに似ている。動物園かテレビで見た気がするんだよなぁ…」


 ネコ、タヌキ、キツネ…ちがう。クマ、イヌ……うーん?


 思い出せない。


 ここまで出かかっているんだけどなぁ。


「離せミュー!」


「しかも喋っている…」


「え? この者の言葉がわかるのですか?」


「うん? “離せ”って言っているじゃないか」


 短い手足をバタつかせている。


 あー、なんか見たことある。見たことあるぞコレ。


 もっとよく見ればと思って、俺は仮面を少しばかり外す。


「ギャー! ミイラだミュー!! ミイラが喋ってるミュー!!」


「何を言っている。ケダモノの分際で…あ! そうだ! 思い出した! これ、レッサーパンダだ!」


 この怖いんだか、可愛いんだかよくわからない威嚇ポージング。シマシマの大きな尻尾。まさにレッサーパンダだ!


 レッサーパンダにコウモリっぽい羽を生やした何かだ!

 

 これは俺の知るコウモリじゃない!


「しかも語尾に“ミュー”だと? マスコットキャラのプリプリアピールか? 今日日きょうび流行らんぞ。歌って踊れるくらいせんとな。ゆるキャラに選ばれるのは大変だぞ!」


「アヒャ! アヒャヒャ! や、やめてミュー! くすぐらないでぇ!」


 俺はそのマスコットをこねくりまわす。触り心地は良い。


 しかし、この小さな羽でどうやって飛んでるのか不明だ。物理法則を無視している。まったく生意気な生き物だ。


「ルフェさまぁ!」


「あ、逃げた…」


 マスコットは俺の手を逃れると、ルフェルニの後ろに隠れる。


「彼らは特殊な波長で会話しています。ヴァンパイアにしか意味を理解できないはずなのですが…。カダベル殿はヒューマンなのですよね?」


「生前はな。今はウォーキング・オブ・ザ・ミイラだ。いわゆるアンデッドってやつじゃないか? この世界じゃあまり浸透していない言葉だろうがね」


「そうですか。不思議ですね。…彼の名はミミ。私の持つコウモリの1体です。

 この方はカダベル殿だ。私の大事な客人だから粗相そそうのないように」


「コウモリ…まあ、いいか。よろしく。ミミ」


 握手は変だと思ったので手を振るが、ミミは不愉快そうに頷くだけだ。どうやら嫌われてしまったらしい。


「…すみません。後で叱っておきますから」


「いや、いい。俺が悪かったんだしな。それでさっきキンキューとか言っていたが…」


「そうですね。ミミ。何があったんだい?」


「あ! そうだミュ! こんなノンビリしてる場合じゃないミュー!! サルミュリューク郊外にてプロト多数発生! こちらに向かって進撃中だミュー!!!」


 俺とルフェルニは顔を見合わせて驚く。


「こりゃまた微妙なタイミングで魔女が仕掛けて来たか」


 撃退されたら次の手を打つはわかるけど…魔女は民衆のヘイト集めないためにプロトを寒村に送り込んでたんじゃないの?


 いくら俺を倒すためとはいえ、こんな大都市に送り込む? 


 ……ちょっと無茶苦茶じゃね?


「そ、そんな…でも、そんなに手持ちの魔物がいるはずがないです」


「ルフェルニ。ずっと気になっていたんだが、それはどこから得た情報なんだ?」


「お、王都に忍ばせている私の手の内の者です」


「なら偽りの情報をつかまされたか、懐柔されたかだな」


「懐柔されるなどと…あの者に限って…」


「忠誠心が高いんだろ? 俺だったらそれを利用する。主人の呪詛解除を餌にするとかな。幾らでも手段がある」


「はぅ!」


「ルフェルニ。そんな風になる話じゃないぞ」


「は、はい…。すみません」


「……恐ろしいミイラだミュー」


 マスコットが何か言ってる。お喋りヌイグルミは後でイジメよう。


 でも、まあ、魔女とやらはそこまで思いつかんだろうな。


 …きっと王都に持っていたプロト以外にも居たって話だろう。製造工場が別にあるとか、な。


「…そういや、ニルヴァ魔法兵団か。もしかして他国に巣があるのか? 魔女には他に支援者がいるよな」


「支援者…でも、ニルヴァの活動拠点は、遥か南方のシャンガラリアですよ」


「転移魔法があるならどんなに遠くても関係ない」


「し、しかし、火磔刑の魔女は幽閉されているという話で…ジュエルとどんな関係かまではわかりませんが」


「噂なんて話半分だ! ネットも情報サービスもない世界の噂なんて、どこまで信用できるものか!

 …ちなみに俺の仮面の裏側には“情弱”の文字が書かれてあーる! これは自戒だな!」


「あーもう! 敵が迫ってるミュ! こんなノンビリ話してる暇はないミュー!!」


 チッ。ヌイグルミの分際で…。


 まあ、でも確かにそうだな。


「まあいいや。撃退しよう。…で、どんな布陣なんだ? きっと、どうせ頭の悪いことまたやってんだろー」

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