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屍従王  作者: シギ
第二章 ギアナードの魔女編
24/113

023 懐かしのイルミナード

 馬車の旅は思っていたよりも快適であった。


 車や電車と比べてしまうと音や振動が気になるが、やはり歩くのとは速度が全然違う。


 この世界の馬は特別なのか、かなり急な坂道も軽々と進んで行く(なんか見た目も馬っぽくなく、ヤギとかキョンに似てる気がする)。


 たまに岩間に車輪が取られることがあるが、マッチョ2体がその度に持ち上げるので何の支障もないのだった。


 しかし、移動している馬車の中と言えば何もすることがない。


 魔法書の1冊でも持ってくれば良かったかもだが(元の俺の家にあったのはゴライが移動させてくれた)、もう手持ちの物はだいぶ読み古しているしな。


 うーん、この旅で何か新しいのが手に入るといいが。


「…ロリー。そんなジッと見つめられても困るよ」


「ご迷惑ですか!?」


「…いや、迷惑ではない…けど、落ち着かないね」


 そうだ。ロリーと言えば、すぐ横で満悦の笑みで俺を見やってくるわけだ。


 それこそ瞬きしてないんじゃないかってくらいに表情が変わらない。…怖い。


 俺の顔にバラエティ番組に負けない面白さでもあるのか?


 バラエティってより、ジャンル的にはホラーだと思うが。


 もしサスペンスだとすると、事件の発端となる最初の殺害された役だな。


「カダベル殿は仮面をいつも外されないのですね」


 向かい側に座ったルフェルニが言う。


 眼鏡を掛けて地図と睨めっこしてたが、なんか印象が少し変わるな。ひょうきんな感じする。


「外して欲しいのかい?」


「え?」


 ルフェルニは少し驚いた顔をした。


「…いいのですか?」


「別に構わないよ。でも…」


「でも?」


「……後悔するぞォォォ〜。きっとォ〜、夜も眠れなくなるぞォォォ〜」


 俺が冗談めかしておどろおどろしく言うと、ルフェルニもロリーもフフッと吹き出す。


「後悔することはないと思いますが…」


「見たことがないからそう言うんだよ」


「私は後悔したことなんてありません!」


「…ロリーシェさんは、カダベル殿の素顔を?」


「え? …あっ!」


 あーあ。ロリー。余計なことを…。


「いいなー」


 んん? いいなだって?


 なんかルフェルニも変わった子だな。


「…お聞きしてませんでしたけれど、カダベル殿とロリーシェさんはどういったご関係なんですか?」


「それはですね! 血より濃い絆で繋がった主従関係にして、結婚秒読み間近の…」


「彼女の父親をたまたま助けたことがあって、ロリーはその恩を返そうとしてくれてるんだ」


 ロリーよ。なんだその顔は? 俺はなにひとつ間違ったことは言ってないぞ。


 俺はロリーを従者だと思ったことは一度もない。


 ゾドルなら奴隷にして馬車馬のようにこき使ってもいいが、若い年頃の娘がミイラのために時間使うのって、とっても勿体ない気がする。


「? 肉体関係はないんですか?」


「はぁ!?」「え!?」


「そ、それはこれから…」


「ない! まったくもってない! これからもだ!」


 いや、普通におかしい質問だろ!


 公に聞くようなことじゃないぞ!


「ロリーもおかしなことを言うな! そんな恩を売ったり、弱みを握ってどうこうするって話が一番キライなんだよ!」


「す、スミマセン…」


 声を荒らげてしまったせいで、ロリーがショボンとする。


「…はー。そういう話は冗談でもやめてくれ。

 俺は彼女をそんな風に見たことはない。人様から預かった大事な…それこそ我が娘のような存在だと思っているんだ」


 ロリーが「…娘」と呟いて凄く落ち込んでいる。

 だが、仕方ない。ミイラが好きすぎて、それを恋愛感情だと勘違いしているんだ。


 そういや、父親も早くに亡くしたんだったな。

 父性愛の不足が、歪んだミイラフェチを生み出してしまったのか。まったくもって悲劇だ。


「そうなんですね。しかし…」


 ルフェルニは何だか納得しかねるといった感じに首を傾げる。


「…カダベル殿には、欲はないのですか?」


「なに?」


「あなたは“王”です。そして、“力”も持っておられる…」


「んん?」


「…であればこそ、欲望のままにすべてを欲しようとは思われないのですか?」


 ルフェルニの眼が、いつもと違う妖しい光を帯び始めた。


「なぜ自制するのでしょう? あなたの暗く深い眼は…何かを渇望しているのでは?」


 仮面の奥底を覗き込むでもするかのように、ルフェルニが少し前に乗り出す。


「…背徳は甘美です。それに身を委ねるのは決して悪い事ではありません」


 ルフェルニは自分の唇を舐めた。妖艶な仕草だ。濡れた唇が妖しく光っている。


「……好きにされればいいのに。ロリーシェさんだけではなく…私をも……それだけの力と資格があなたには…アテッ!?」


「…メッだ」


 舌を噛んだらしく、涙目に俺の顔を見やる。


 俺が杖で、ルフェルニの頭をポカンと殴ったからだ。


「…イタイです」


 自分の頭をさするルフェルニは、いつもの表情にと戻っていた。


「それ格好いいと思ってやってるか? 全然そんなことはないぞ。そんな演技して俺を試そうとするな」


 眼を丸くするルフェルニ。そしてすぐに真っ赤な顔になった。


「あ、あの決して誘惑しようと…思ったわけでも…あの…」


「まあ、難しい言葉を並べて使いたいのもわかる。なんとなく格好いいからな。俺も経験がある」


 思い起こせば顔面から火を吹くような恥ずかしい記憶だ。  


「“闇への渇望”だとか、“背徳の堕天使”だとか、“漆黒の翼”とかだな…よくある。うん。でも全く意味不明なんだぞ」


「…え?」


「うん。中二病は心の病気だ。ここで気づけて良かったな。“第三の魔眼”とか、“封印されし左腕”が…なんて言い出したらもう手遅れだ」


「…なんの話ですか?」


「? “第二人格の発動”じゃなかったのか?」


「え? 人格?」


「……あ。いいや。なんでもない。俺の勘違いだった」


 なんかそういう風に見えたんだけど…じゃ、素でやってたの? だとしたら、ルフェルニはイタすぎじゃね?


「……コホン! さぁて、今はどの辺りなのかな。よーし。ちょっくら外を見てこようかな」


 なんだか気まずくなって、俺は中腰のままルフェルニの脇をすり抜けて行く。


 この黒歴史な雰囲気が消えるまで、マッチョ共の様子でも見て冷やかして来るとしよう。




──




「……うまく逃げられちゃいましたかね」


「……カダベル様に対して、よろしくないかと思います。ルフェルニさん」


「…そうですね。気をつけます。でも、本当に読めない方だ。なかなか一筋縄ではいかないです」


「……私たちはライバルですか?」


「…たぶん、そうですね。嫌でしたか?」


「…正直、はい」


「…ロリーシェさん。あなたも素直な人ですね。嫌いじゃないです」


「……ちょっと腹立ちますけど、私もルフェルニさんのことキライにはなれません。……お互い頑張りましょう」


「……ふふ。そうですね」




──




 本当に何年ぶりだろうか。このイルミナードに再びやってくる日がくるとは…。


 何も変わってないな。魔法は科学のような進歩しないから、劇的な変化というのは起きにくいのかも知れない。


「食料や必要物資を集めて参ります。今日はこの街に泊まり、明日から王都の方角を目指します」


「伯爵の邸宅は王都の外れ…西方って話だな?」


「ええ。距離的には大したことはありませんが…ガダベル殿とロリーシェさんは王都には?」


「行ったことはない」


「私も…です」


「それに俺はギアナードじゃなく、元々はクルシァンの人間だ」


「貴族階級…ですよね?」


「…うん。まあ、そうだね」


 元カダベルに貴族の意識はなかったし、今の俺にももちろんそんなものはない。あまり聞かれたくない部分だ。


「貴族でいらっしゃるとは思っていましたが、まさか他国の…どうりで記録にないわけです」


「まあ、俺の事はクルシァンで資料に当たってもなかなか見つからんと思うよ。

 公的な記録からは抹消…とまでは言わんが、比較的最近の公文書には記載してないはずだ」


「そうなんですか? 確かにクルシァンの情報網にも…あ!」


 ルフェルニは気まずそうな顔を浮かべる。


「どうした?」


「すみません。実はカダベル殿の事は色々と調べてまして…勝手に…」


 コウモリで情報収集か。便利だよな。


「気にしなくていい。普通、相手の素性は調べるだろ。別に隠し立てしようと思っての話じゃないさ」


「しかし、貴族の名前が記されていないなんてこと…何か事情がおありなんでは?」


「いや。別にないよ。ただ単に、俺が静かに隠棲したかったってだけの話だ。

 ただ、クルシァン貴族に煙たがられていたのは本当だがね」


「それでギアナードに来られたと?」


「ああ。俺がこの都市のロッジモンド市長と懇意にしていたから、そのよしみで住まいを借りられていたんだよ」


「では、ずっと自領地から離れられておられたのですか?」


「宗教がキライでね。魔法の研究にもしつこく干渉されるしな。治療系魔法以外は暗黒魔法だなんて見下す国だ…相容れなかったのさ」


「なるほど…。確かにクルシァンでは魔法士の地位は低いですからね」


 なんだかロリーがやたらと頷いてメモ取ってるが、これ話してなかったけ?


 別にそんな大した話をしているわけじゃないんだけれどな。


 東京に住んでいた小金持ちが、喧騒や人混みを嫌って田舎に移り住んで悠々自適に暮らす…それって別に普通じゃね?


 東京にいるのは利便性があるからだけだし。カダベルもそういう人間だっただけの話だと思う。


 あー、でも、そうか。普通は領地を持つ貴族だったらそんなことしないのか。


 それを考えると、使用人に領地のことを全部任せ、縁を断ってしまうってところは確かに変わり者だよな。世捨て人、か。


「王都入場には通行証が必要でして…発行までに時間がかかります。

 入国が初めてになると審査が必要ですから更に待つことに」


「どれくらいなんだ?」


「早くて3日ですが…。身分証や紹介状がないと1ヶ月以上かかることも…。

 ですから、今回は王都は迂回しての方がいいかと。道のりは長くなりますが…」


「任せる。伯爵が王都への紹介状を書けないのは理解している」


「…ありがとうございます」


 ロリーが困惑した顔を浮かべている。


「俺たちの訪問は公式じゃない。密会なんだ。魔女が王都に根を張っているなら、どこにスパイがいるか知れたもんじゃない」

 

 うーん。ロリーよ。顔が疑問符だらけになっているぞ。そんな顔をするな。後で説明してやるから。


 ルフェルニの反応を見やる。緊張しているのがわかる。そこは図星かね。


「…カダベル殿。魔法で情報収集…というのは、どこまでできるものなのでしょうか?」


「ん? さてね。諜報魔法ってのはないはずだが、【集音】のように小さな音を拾ったりする魔法はある。

 ヴァンパイアがコウモリを使役して情報を集められるぐらいなら、きっと魔女だって似たようなことができるんじゃないかな?」


 黒猫やカラスを操って……安直すぎるかな? 


「魔法は恐ろしい…。カダベル殿。これだけは知って置いていただきたいのです」


「ん?」


「私たちは魔女の情報を出し惜しみしているわけではありません…。全然わからないのです。どこまで話していいのか、どこまでが平気なのか。その線引きが本当に…」


 なるほど。魔法は知らない者からすれば万能に見えるだろうな。なんでもできるように見えるわけか。


「んー。俺の勝手な思い込みかも知れんがね。その魔女とやら、あんまり情報には興味ないと思うよ」


「え?」


「やってることが幼稚なんだよ。マクセラルたちに野党の格好させたり、赤鬼どもを気まぐれに放って襲わせたり…そんなヤツが情報分析なんてするとは思えない。今頃きっとクリームソーダでも食ってるよ」


「ま、魔女が幼稚…ですか」


「それにお前たちを縛るのに魔法は必要ないだろ。そういう恐怖を与えて、身動きできなくさせるだけで充分なんじゃね?」


 ルフェルニが眼を大きく開き、ロイホとのエイクがあんぐりと口を開く。


 ロリーは相変わらずメモだ。鼻の穴をおっぴろげるな。ゾドルみたいな大穴になっちまうぞ。


「…お、お聞きしてもいいでしょうか」


「なにを?」


「も、もし、カダベル様が…魔女の立場だとして、王国を…影で支配すると…したら…どうされるのですか? も、もちろん仮定の話ですが…」


 魔女ってこの国を影で支配してんの?


 ふーん、マジかよ。


 てっきり貴族程度の立場かと思ってたわ。


「うーん…」


 影の宰相か。

 

 …ああいうのって調子にのって失敗するんだよな。


 わざわざ“俺って悪いんだぜー”みたいなアピールしなきゃいいじゃん。


 自己顕示欲が強いのがいかんと思う。


「…俺なら敵を最初から作らない。反抗しようとすら思わせないようにする」


「…え?」


「相手に気づかれないように、首に頑丈な鎖をつけて、それが当たり前だと…俺に従うことこそが、最高の状況なのだと思わせられれば…俺の勝ちだろ?」


 俺はわざとルフェルニの首に指をかけようとする寸前で止める。


「あ…ぐっ!」


 ルフェルニは、冷や汗びっしょりになって屈む。


「ルフェ様!!」「若!!」


 え?


 道の往来で何やってんの、この子?


 そんでもって、なんで股の間に手を突っ込んでるの?

 

 なんかロイホとエイクが魔法使ったんじゃないかって疑いの眼を向けて来るんですけど…俺なんもやってないよ?


「カダベル様! どうか、どうか! 私にも鎖をつけて下さい!」


「お馬鹿か! 喩えだ! 比喩! 実際に首に鎖なんかつけるか!」


 ロリー。お前にはすでにミイラフェチという、将来に禍根を残すデッケー鎖が巻き付いてんよ。


「だ、大丈夫…。ロイホ、エイク。心配しないで。私は大丈夫だから…。

 すみません。いきなり失礼しました」


 良かった。ルフェルニが立ち上がってくれる。


 ほら見ろ。マッチョども! 俺は悪くないぞ!


「……で、では、先に宿を取りましょうか。部屋割は…」


「私とカダベル様は同室で…」


「別々のシングルにしてくれ」




──




 馬からハーネスを外すと、厩へと連れて行く。


 柵に手綱をかけると、ロイホが大きく疲れたように息を吐いた。


「…なあ、エイク。あのカダベルという男。どう見る?」

 

 エイクは腕を組み、しばらく考えるようにしてから重々しく口を開いた。


「正直、わからん。まったく考えが読めない。少なくとも、我々が知る王や主君の姿…また単なる貴族とも何かが違う」


「同感だな。下手をしたら魔女より厄介な存在を味方にしようとしているんじゃないのか?」


 長く深いため息を揃って同時に吐く。


「よう。ロイホ、エイク」


 背中に声をかけられ、ふたりはビクッと振り返った。


「こ、これはカダベル殿…」


「部屋に行かれたのでは?」


 カダベルが片手を振って近づいてくるのが見えた。


(聞かれたか?)


(いや、距離はあった。大丈夫だろう)


 ロイホとエイクはアイコンタクトして頷き、カダベルにと向かい合った。


「いやー、宿に着く前に美味そうな菓子が露天に出ているのが見えてさ。我慢できなくて、今さっき買ってきちゃったのよ」


 カダベルの手には、湯気の立つ紙袋が握られていた。


 ロイホとエイクには見ずとも中身がわかる。芋を油で揚げて、甘辛いタレにつけて食べるこの都市で流行っている“アマイモン”というダジャレネーミングの菓子なのだった。


「ほら、おすそわけ。アマイモンっていう“甘いもん”食べられないわけじゃないだろ? あっはっはっは!」


 何が面白いのか、ツボに入ったらしいカダベルは陽気に笑い続ける。 


 ふたりが迷っていると、カダベルは「遠慮するな。もう知らん仲でもないんだから」と半ば強引にロイホの手にと渡す。


「ありがとうございます…」「いただきます…」

 

 通常、客人から、従者自身が何かを貰うことはない。あったとしても従者が固辞するのが普通だ。

 それは少額の物であったとしても賄賂ともとられない行為だし、後々にトラブルを招くこともあったからだ。

 もし何かをあげたいと仮に思ったとしても、主人を通して渡すのが貴族社会の礼儀だった。


 しかし、いまロイホがつい受けってしまったのは、カダベルにそんな意図がまったくないとわかったからだ。悪意も作為もそこには感じられなかった。


「さて。ロリーも喜ぶだろな。甘いもん大好きだからな。

 …はて、ルフェルニはどうかな? 意外と渋いのが好みで、塩辛とかの方が良かったりな。

 でもこの世界にイカとかいんのかね? いなかったら、イカだけにそれは遺憾イカんだな! なーんって! あっはっはっは!」


 何がそんなに楽しいのか、ひとりでそんなことを言って大笑いしている。


「カダベル殿。凄くご機嫌ですね…」


「ん? そりゃね。スイーツだろ。スイーツ。テンションだだ上がりさ! 最近、甘いの食べてなかったからさぁ」


「は、はぁ…」


「サーフィン村には甘い菓子ないんだよなー。ミライにその話ししたら、甜菜そのまま茹でて出してきやがんの。あんなん誰が齧るかっての! …いや、齧ったけどさ。苦味もあるじゃん! ダメだよ! あれ!

 砂糖を精製する技術が…あれ? 魔法使えばいけんじゃねぇかな? それは盲点だったわ。帰ったら試してみよーっと」


 どれだけテンションが高くなっているのか、聞いてもいないことをベラベラと喋る。


「…その、カダベル殿は…食べられるのですか?」


「ん?」


 ふと、エイクは疑問に思ったことを率直に…いや、もしかしたら今の状態だったら喋るんじゃないかと思って尋ねたのだ。


「んーん。噛んでしゃぶって吐き出す。味覚は多少あるから甘さは……あ」


 カダベルがピタッと固まる。


 ロイホとエイクはコクと喉を鳴らした。


「違う! ムシャムシャ食うぞ! バリバリ食うぞ!

 いやー、俺、今はスリムだけど太ったら困るなぁ! いやー、あっはっはっはっ!」


 乾いた笑いを上げつつ、そそくさとカダベルは宿の方へと戻っていったのだった。



「…あれで気づかれないと思っているのか」


「もしくは、本当に我々のことを馬鹿にしているのか…そのどっちかだな」


 ふたりは悩みはさらに増す。ますますカダベル・ソリテールという男の事がわからなくなったと……。

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