魔法
「……これ、なんですか?」
いつもの様に図書館で勉強をしているとよく分からないものがでてきた。
「あー、それが魔法よ、私が1番得意なやつよ。」
「へー、これが魔法……」
「そうそう、あなたは魔法の才能もしっかりあるんだから伸ばさなきゃ損よ。」
「はい、お願いします」
この人は俺の魔法教師としてやってきた『エルナ カーラ』さんだ。
『魔法研究者』略して『賢者』に、18歳という最年少で入ったいわゆる天才だ。
……それよりも研者で『けんじゃ』にならなくてよかったね。
魔法といえば、俺がやっていた格ゲーにも存在した。
あのゲームは意外とガチなゲームなのでそういう設定はよくできている。
その中に出てくる遠距離主体の女性キャラはこんな設定だった。
『マップの端から高速で飛ばす魔法!
足は全キャラで最も遅い
近距離技は発生が遅く判定も最弱』
こんな感じだった。
発売当初は『強い』と言われていたが……
彼女には明確な弱点があった。
それは『ガードで対処出来る』だ。
魔法攻撃はガードできるしガードを余り削らない
つまりじわじわ詰めていけば足の速さで負けてやられてしまう。
「魔法か……使ってみたいなぁ。」
「なら、外行ってやってみましょ。」
「え?はい。」
外に出て実技のレッスンだ。
「いい?魔法で大切なのは『イメージ』よ
魔法はMPを変換するもの、変換先をしっかりと思い浮かべることよ。」
「はい!」
イメージ……使う魔法は炎の魔法。
……炎?
人生で炎を見る機会と言えば……ガスコンロとかか?
「……あれ?出来ないな」
「うーん、もう1回!鮮明にイメージするのよ。」
「鮮明に……」
マッチを思い浮かべ人差し指を掌に付けて擦る。
マッチもこんな着火方なはず……
ボッという音とともに小さな炎が浮かび上がる。
「おぉ!やった!火が出た……熱くない?」
何故か人差し指は熱くない。
「?そうよ、最近の研究の結果
魔法を使うのに使うMPは同時に体に膜を貼ってくれるんだって。
ただし、自分の魔法にだけ効果があることも確認されたわ。
他の魔法に対してカウンター気味に使うことは出来ないの。」
「へぇー、魔法って難しいな……」
「でも、使えたらなんだか嬉しいでしょ?」
「……そうだね、ありがとう、エルナさん。」
「いいのよ、さ、ご飯食べましょ、お腹減ったわね。」
「オススメの店、教えてくださいよ?」
「お、いいわね、じゃあ食べるわよ!」
後書きと言うか、私の勝手な考えですけど
RPGを作った人に尊敬しています。
主に今のような『勇者と魔王』の構図だと尚更です。
作った人はきっと対比の天才でしょうね
これに関しては……是非ともまた深く話したいものです。
それでは、また。