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異世界転移は理不尽すぎる!  作者: 春アントール
準備
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転移

「……よしっ!勝ちー!どうだ!アグナ!」


KO!の文字が浮かび、消えた後『You WIN!』

の文字が浮び上がる。

そしてネッ友のアグナに勝ち誇る。


『だー!負けた!お前ほんと二三回目は強いよな!』


「ふーん!お前の動きは手に取るようにわかるんだからな。」


『魔王みたいなこと言いやがって!よし!もう1戦だ!ココア!』


『ココア』それが俺のキャラクターネームだ。


本名天野 雨冬うと年齢16歳高校1年だ。


最近有名になってきた格ゲーでかなり上位プレイヤーの1人だ。


あだ名は『2先のココア』

2先というルールの中で一発勝負以外なら行動を読む戦い方をするからそんなあだ名をつけられた。


だが、雨冬という名前は個人的にお気に入りの名前だ。


だが、気に入った名前を差し置いてのなぜココアなのか、それは……。


「よし!やるぞ!……と言いたいけど、悪い、ちょっとココア入れてくる。」


ココアが好きだから。


『あー、もうその時間か、OK

そういや昨日ココア無くなったってボヤいてたじゃん。』


「うげっ、そうだった。」


『ははっ、買ってこい買ってこい。


その間トレモでコンボ練習しとくからよ!』


「すまん、そうしててくれ。」


アグナは良い奴だなぁ。


そう言って部屋出て1階のリビングの母に


「あ、母さん、ココア買いに行ってくる。」


「はいよ、あんたも好きね、気をつけて。」


「わかってるって。」


今日は少し雪が降り掛かってるなぁ……。


そう思いながら親父のコートを着ていく。


去年の誕生日プレゼントに、昔から着ていた黒のロングコートを貰った、口では『コート!?いらないって!』


と言っていたが内心嬉しかった。


最近親父と本音で話せてないからなぁ。


なんて事をぼーっと考えながら坂を下る。


今はいつも通り夕日が落ちていっている。


ココア飲む時はいつも夕日を見てたけど今日は真っ暗になりそうだなぁ。


なんて思いながらポケットに手を突っ込みながら歩く。


その瞬間視界が光に包まれ景色が変わる。


『何事!?』


と叫ぼうと思ったのにそれすら声になる前に襲いかかってきた気持ちの悪さ。


1番近いものは車酔いや船酔いだ。


だが、それとは比べ物にならないほどキツいものだ。


「おぉ!成功した!」


「勇者様だ!」


「ぅぅうっ……ぁああ!」


唸るようなおかしな声しかでない。


「どうされたのですか!?」


知るか!俺が聞きたいぐらいだ!


「恐らく召喚酔いかと、世界を超えたものだからその負荷が体にかかっているのでしょう。」


世界を超えた?何の話だ?


ってか召喚酔い?なんだよそれ、まるで俺が召喚されたみたいじゃないか!


「ぬぅ、ならば、どのぐらい経てば勇者殿は立てるのだろうか。」


「およそ5分と言った所でしょうか?

でも、勇者様ならもっと早くかも知れませんね。」


「うむぅ……一刻を争う事態だというのに……。」


誰がここに呼んだんだっけか?

お、ま、え、ら、だ!


なんて愚痴を吐いていると気分が良くなって立つことが出来た。


「……き、気持ち悪い……うっぷ……。」


「おぉ!流石は勇者様!お目覚めがお早いようで。」


「……俺のこと言ってますか?」


彼女が向けてくる視線は明らかに俺の方を向いている


「はい?何を仰っているのですか?

あなた以外に誰が?」


「……何の話だよ……と言うかここはどこだ?」


「あなたを異世界に呼びました、つまり、あなたがいた場所は……はるか遠くです。」


「……は?じゃあ!親父や母さんに、アグナがいた世界は!?

どういうことだよ!?」


「アグナ?……申し訳ありませんが、それもまた別の世界のものとなります。」


「……ざけるなよ……」


「?何かおっしゃいましたか??」


「ふざけるなよ!って言ったんだ!

俺の人生をぐちゃぐちゃにしやがって!

マジでふざけるなよ!?」


白い服に身を包んだ金髪の女性に掴みかかる。

「ゆ、勇者様は錯乱しておられます!

どうかお許しを!」


何かよく分からないけど、光の壁に大きくぶつかった。


「づっ!?」


頭に鈍い痛みが走る。

よそ見をしながら走って電柱にぶつけた時ぐらい痛い。


そのまま横に持っていた……メイス?って言うのだろうか、やってた格ゲーにそんなものを持っていた奴がいた。


それを振り下ろし意識が朦朧とする。


「騎士様!この方をどこかで、心を休めてください。」


少し体を持ち上げられたところで意識が落ちた。

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