1 死
異世界系初です。
光る看板。隣から聞こえる車が走る音。そして、道行く人々。
視界が歪む。飲み過ぎてしまった。確実に。
意識があるだけありがたい。さっさと帰りたいことだが…
…体が言うことをきかんな・・・
っと、よそ見してた危ないあぶな…
「おっさん!赤だぞ!!」
トラックが急ブレーキをかける音。床を流れる血の赤。周りのザワつき・・・間違いない、俺は死んだ。
世界が暗転した。真っ暗だ。何これどういうこと?
死んだら普通、天国に行くか地獄に行くか、閻魔様のとこに行くんじゃないの?なんで真っ暗なままなの?え?
あ、時間差だったりする?笑 あーもう、早く言ってよー笑
・・・にしてもだぞ。遅いくね?
閻魔様?遅いくないですか。ねえ。
『遅いくないですよ。』
えええええ だ、誰・・・?
『貴方を誘導するために来た、天の声てきなやつです。』
あー成る程、天の声ねー! ・・・ってなるか!!
なんだよそのアニメやマンガみたいなのは!
『実際そうなのですから、仕方ないじゃありませんか。』
いや・・・俺に状況説明するとかないの・・・?
『説明した方が良いですか?』
良いですか?じゃねーよ!普通するだろ!!
『分かりました。説明致します。』
うんうん、それでいいんだ。・・・ちょっと質問いいか。
『なんでしょう?なんなりと。』
・・・なんで俺は喋ってないのにお前と会話が出来ている?
『私が天の声、所謂、神に近い存在だからです。神というより、天使といったほうが良いでしょうか。そういう力がありますから、貴方様が喋らなくとも、会話が出来るのです。』
成る程・・・神...天使ね・・・今の状況の説明をしてくれ。
『はい。今貴方は、死んで、何もない状態、魂のみとなっています。なので、周りが真っ暗ですし、喋ることが出来ません。』
成る程。死んでいるのは分かっていたが、魂のみ、か...そんな状態にもなるもんなんだな。んで?この状況を打破するには、どうすればいいんだ?天の声...は呼びにくいから、名前をつけよう。天…天使…エンジェル…ボイス…合わせて、エンジェイス…とか?
『・・・ネーミングセンスが独特ですね。』
知ってるよ!ネーミングセンスがないことぐらい!いいから大人しくエンジェイスになっとけよ!説明続けろ!!
『はい。承知しました。・・・嫌ですがゲフンゴフン・・・えー、この状況を打破するには、貴方様がこの状況を受け入れなくてはなりません。自分は死んだ、今異世界にいる、と。』
・・・嫌じゃないよな?な?(圧)
『・・・・・・・・・はい。・・・・・』
よし。それでいいんだ。話を戻すが、状況を受け入れる、か。
死んでるのは分かってたけど、異世界にいるっていうのは聞いてないな。なんだそれは?
『・・・異世界ですよ。異世界。現実とは異なる世界。皆さん、あの世あの世といってますが、天国や地獄だって、立派な異世界です。鬼がいますからね。』
あー...そういうことじゃなくて...ここが異世界とは、どういうことだ?
『貴方様が見えてないだけで、ここは異世界なんです。貴方様は今魂のみの状態なので周りにも見えておりませんが、周りには貴方様が見慣れない生物がたくさんですよ。』
ふぅん...状況を受け入れる...ね...ちょっとやってみますか。
読んでいただきありがとうございました。
次回は、気が向いたら作ります(笑)
宜しければ、ご意見などお聞かせください。