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池田屋事件

近藤「これより池田屋へ乗り込む。混戦になる可能性から小数精鋭で敷地内へと入る。残りは周囲を固めてくれ」

藤堂「土方さん達を待つべきでは?」

近藤「いや、逃げられても困る。悟られず、まだ会合を行っている今が好機だ」

近藤「俺、沖田、永倉、藤堂。この四人で中へと入る」

沖田「りょ、了解」

近藤「沖田、俺の側を離れるなよ?」

沖田「は、はい」

永倉「お?久々の試衛館面子じゃね?」

藤堂「確かに(笑)」

近藤「お前達なら信頼し、実力を発揮出来る。皆、死ぬなよ?」

永倉「近藤さーん、最近、刀を握ってる姿見てねーぞ?鈍ってるんじゃね?」

近藤「舐めるな。俺を誰だと思ってる?貴様等の師範代だぞ?」

藤堂「沖田、もしも俺が死んだら故郷の」

沖田「おい、やめてよ。変なフラグ立てるなし」

藤堂「ハハッ、確かに(笑)」


近藤「では、行くぞ」

一同「「おう!!」」





池田屋


近藤「御用改めでござる!!」

店員「ヒィ、お客様!!お逃げ下され!!!!お客様ー!!!!」ダダダッ

近藤「・・・二階へ上がったか」

永倉「ってことは、二階に」

近藤「俺と沖田で二階へ行く。永倉と藤堂は一階を捜索してくれ」

永倉「了解」

近藤「行くぞ、沖田」

沖田「はい・・・永倉さん」

永倉「ん?」

沖田「死なないで下さいね?」

永倉「アホか、俺はお前以外に負ける予定はねーよ。ま、負けてないけどな」

沖田「相変わらずだなー、じゃあね」

永倉「おう」



池田屋二階


近藤「この先か」


近藤が二階の襖を開けるとそこには刀を抜いた浪士が20人以上待ち構えていた。

浪士「何奴だ!!」

浪士達は突然の来訪者を威圧しようと声を荒げる。

しかし、近藤は怯むことなく彼等の前に一歩出て、彼等の声に劣らぬ大きさで声を張り上げた。


近藤「御用改めである!!手向かい致すと容赦なく斬る!命が惜しくない者は覚悟せよ!!!!」


近藤の怒号に浪士は一瞬怯みはしたものの、一人の浪士が近藤に向け刀を振り上げた。


沖田「近藤さん!!」ヒュン

浪士「グァッ!」ドサッ


浪士が刀を振り下ろす前に沖田の一閃が浪士を切り捨て、浪士はその場に倒れた。


浪士「・・・き、斬れ!!こやつ等を斬れ!!!!」

浪士「「おう!!!!」」


近藤「ドォォォォォォリャァァァァ!!」ヒュォッ!

浪士「グハッ!」

浪士「ヒィ!」

建物内は近藤の怒号と浪士の悲鳴が響き渡った。

臆した浪士は二階の窓から中庭へと飛び降り、逃げようとする。


藤堂「お、来た来た」

永倉「藤堂、取り逃がすなよ?」

藤堂「ヘイヘイ」


しかし、中庭には一階を捜索していた永倉と藤堂が待ち構えていた。

浪士「くそっ!こんな所で捕まってたまるか!!」ヒュン

永倉「甘い!!」ヒュン

浪士「グハッ!」


浪士「くそっ・・・」


永倉「投降する者はその場に伏せろ!刃向かう者はその場で死ね!!!!」ズバッ!

浪士「ギャァァァァ!!」


浪士「なんだよ。こいつ等、篦棒(べらぼう)に強ぇ!!」

浪士「臆するな!一対一で戦うな!束になって一人を倒せ!!」

浪士「お、おう!!」


藤堂「こいつ等、何人いるんだよ・・・」

永倉「知らね。途中で数えるの止めた」


キン!ガキィン!!


建物内は刀が空を切る音、鉄と鉄がぶつかる音、奮戦する声だけが響き渡る。

だが、そんな流れを断ち切るかの如く、近藤の声が響き渡った。


近藤「沖田ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


近藤の沖田を呼ぶ声が一階にいる二人にまで轟いた。

藤堂「まさか、沖田が?」

永倉「藤堂っ!よそ見をするな!!」


浪士「幕府の犬っころがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


ヒュン


浪士の振り降ろした刀が藤堂の額を斬りつけた。

藤堂「いってぇぇぇぇぇぇ!!!」ドサッ

永倉「藤堂!!」ヒュン

浪士「グハッ」


永倉「藤堂!!生きてるか!!」

藤堂「額を斬られた!!血で目が見えない!!」

永倉「藤堂!!」


永倉の藤堂を呼ぶ声が上にも聞こえたのか奮戦しながらも近藤が叫んだ。


近藤「永倉ぁ!!藤堂は生きてるか!!」

永倉「生きてる!!だが額を斬られた!!沖田は無事か!?」

近藤「無事だ!だが、突然血ヘドを吐いて倒れた!!」


永倉の脳裏に松平の昔の言葉が蘇ってきた。

松平『沖田は病死する』

永倉「まさか・・・」


浪士「喰らえ!!」

永倉「くそっ!!」ガキィン!!


近藤「永倉!!そこをどけっ!!」

永倉「えっ?・・・嘘だろっ!?」


近藤は沖田を背負い二階から中庭へと飛び降り、永倉とつばぜり合いをしていた浪士を斬りつけた。


近藤「永倉、生きてるか!!」

永倉「今、危うく死にかけたわ!!」

近藤「それはすまん!!」


近藤は藤堂の側に意識を失った沖田を寝かせた。

沖田と藤堂を庇う様に近藤と永倉は浪士達の前で構えた。


近藤「どうした?永倉、息が上がってるのではないか?」

永倉「近藤さんこそ、血が出てんぞ?どこを斬られた?」

近藤「知らん!痛くない!」

永倉「なんだそりゃ」


浪士「敵は残り二人だ!」

浪士「束になってかかるぞ!!」


近藤「行くぞ、永倉!!」

永倉「おう!!」



二人が倒れ、勢い付いた浪士達は残りの二人も倒そうと力が増した。

しかし、そんな浪士達を相手にしても二人が倒れる事はなかった。


だが、時間が経つにつれてそんな二人にも疲れが見えてきた。

近藤「永倉」

永倉「ん?」

近藤「そろそろヤバくなってきたんでな。先に言っておく、すまなかったな」

永倉「あん?何が?」

近藤「芹沢の件だ」

永倉「・・・何を今さら」

近藤「言い訳をするつもりは無い。だが、意外なのはお前だ」

永倉「何が?」

近藤「俺と土方は永倉が半狂乱を起こすことを覚悟していた。だがお前は取り乱す事もなかった。何故だ」

永倉「・・・あの人は自分の生き方に後悔はしていなかった」

近藤「・・・」

永倉「やりたい事をやる。やるべき事をやる。その結果を外野からとやかく言うのは間違えてると思う」

近藤「そうか・・・」

永倉「近藤さん、あんたはどうなんだ?後悔してるのか?」

近藤「ん?してないな」

永倉「フッ、ならいい。もしも、後悔してるとか言ったらあんたを斬るところだった」

近藤「お前が俺を?フフッ、それは楽しみだ」


永倉「さて、休憩は終わりだ」

近藤「そうだな。一気に方をつけるぞ」


土方「おいおい、なに二人で楽しんでるんだ?俺も参加させろ」


永倉「土方さん」

近藤「おお!!来たか!」


浪士「増援か!」


土方「一気に畳み掛けるぞ!!」

永倉「シャア!!燃えてきた!!」

近藤「オオオオオオ!!!!」














お龍「ん~♪」

町人「おい、聞いたか?昨晩、攘夷浪士が一斉捕縛されたらしい」

お龍「ん?」

町人「ああ、なんでも町中に火を放ち、混乱に乗じて天皇様をかっさらうつもりだったらしいな」

町人「まったく、怖い話だ。んで、誰がそいつ等を捕らえたんだい?」

町人「新撰組って言うらしい」

お龍「あ、思い出した。池田屋事件だ!」



後に池田屋事件と呼ばれる、この戦いは新撰組と言う名を天下に轟かせる事となる。

二時間とも言われた死闘で新撰組は三人の大志を失うも(一人は戦闘にて戦死。残りの二人は戦闘で受けた傷で一ヶ月後に亡くなります)多くの攘夷浪士を斬るもしくは捕縛する。


浪士組から出発し一年足らずで彼等の名は知らない者はいない程に有名になるのでした。







沖田「・・・」

永倉「お?目を覚ましたか?」

沖田「永倉、さん?」

永倉「大丈夫か?血を吐いたって聞いたぞ?」

沖田「え?・・・あれ?浪士達は?」

永倉「全部倒した。俺達の勝ちだ」


近藤「勝どきじゃーーーー!!!!声を上げよ!!!!」

大志「「エイ!エイ!オー!!!!エイ!エイ!オー!!!!」」


沖田「勝った・・・のか、よかった」

永倉「とりあえず、お前はまずは医者に診てもらおうな」

沖田「藤堂は?」

永倉「安心しろ。大きな怪我はしたが生きてるよ」

沖田「そっか・・・よかった」

永倉「・・・よっと」ダキアゲー

沖田「・・・は?・・・はぁ!?何してんの!!」

永倉「何って、帰るんだよ。お前、歩けないだろ?」

沖田「いやいやいやいやいや!!下ろして!下ろしてください!!」


近藤「凱旋だ!!屯所まで戻るぞ!!」


沖田「ちょっと待って!!こんなお姫様抱っこで町中をこれで歩くって言うの!?」

永倉「沖田、まともに動けないんだから無理するなって」

沖田「いーーやーーだーー!!恥ずかしい!!!!」

永倉「お前、軽いから大丈夫だって・・・お前、顔が赤いぞ?やっぱり体調悪いんだろ?」

沖田「あ、赤くなんかなってない!!!!」


屯所へと戻る新撰組の行列を一目見ようと道の両脇には人がごった返していた。

土方「これは大成功と言うべきだな」

近藤「いや、まだまだこれからだ。もっと活躍して農民だからと馬鹿にしてた連中を見返してやる」

土方「あぁ、そうだな」


沖田「いーーやーーだーー!おーーーりーーーるーーー!!」

永倉「コラ!暴れるなし!!」

沖田「ギャーーーー!!どこ触ってるんだよ!!この変態!!」

永倉「お前が暴れるからだろ!!」

恥ずかしさで顔を真っ赤に染めていた沖田だが、身体中を敵の血で真っ赤に染め上げ斬り足りないと暴れようとする様に町民達には見えていた。

美少年ともう一つの顔として後に人斬りと恐れられるのでした。




ワイワイガヤガヤ


お龍「あー、見えないー。沖田総司を見てみたいのにー」

町民「あれが新撰組かー」

町民「俺は新撰組ならやってくれるって信じてたぜ?」

町民「お前、人斬り集団とか馬鹿にしてただろ」

町民「ば、馬鹿野郎。そりゃ誉め言葉だ!」

お龍「オジサン、ちょっとごめん」グイグイ

町民「うわ、なんだこの町娘は」

町民「おい、押すなよ」


お龍「おーーーー!!あれが新撰組かーーーー!!初めて見た!」


あさぎ色の羽織で揃えた輪とした新撰組の姿は侍よりも侍らしく見えました。


お龍「ねぇねぇ、オジサン!どれが誰だかわかる?」

オジサン「ん?あぁ、少しならな。先頭を歩くのは近藤勇、新撰組の局長だ。そして、その後ろを付いて歩くのが副長の土方歳三」

お龍「沖田総司は?どれ?」

オジサン「なんだよ。結局、美少年目当てかよ。沖田総司は・・・あー、あそこで担がれてる奴が」

お龍「・・・永倉?」

オジサン「そりゃ沖田を担いでる奴だよ」

お龍「うっそ・・・永倉?」


お龍「ヤッバーーーー!!!!永倉じゃーーーん!!」ダッ

オジサン「んおっ!?コラ!何しとるか!!」ガシッ

お龍「永倉ーーーー!おーーい!!永倉ー!」

オジサン「誰か!この娘抑えるの手伝ってくれ!!」

お龍「離してオジサン!あそこに知り合いがいるの!!」

オジサン「だとしても今は駄目だ!!※浪士が襲撃をかけると言う噂もある!今飛び出したら下手すると斬られるぞ!」

※戦闘は夜の間に終わっていましたが、残党から夜襲の恐れがある為、新撰組は昼まで現場にて待機し、日中に屯所に戻ります。

お龍「だって、あそこに永倉が・・・」


列の向こうでは永倉がこっちを見ている。

だが、首を少し傾げるだけで目を背けてしまった。


沖田「永倉さん!!今の町娘は誰!!」

永倉「知り合いなのかな?わからんけど」

沖田「めっちゃ手を振ってたよ!!誰!!誰なのさ!!」

永倉「なんでまたムキになってるんだよ。知らねーもんは知らねーよ」

沖田「ンーーーー!!気になるーーーー!!!!」ジタバタ

永倉「お前、だから暴れるなって言ってるだろ」












勝「新撰組がついにやってくれたか」

坂本「みたいじゃのー!ワシもウカウカしとれんわ」

勝「お前も追われる身だからな」

坂本「さてと、そろそろワシも動くとするかの?」

勝「あぁ、頼んだぞ」

坂本「ワシに任せんしゃい」

勝「ところで?未来人はどうした?」

坂本「わからんが、買い出しから帰って来たら部屋でワンワン泣いとるわ」

勝「ふむ、今度はどうなるか聞いておきたかったんだがな」


襖 バタン!!


お龍「・・・」グスッ

坂本「お、おぉ、お龍か。敵が来たかと思ったぞ」

お龍「新撰組の屯所ってどこ?」グスッ

勝「し、新撰組の屯所なら八木邸のはずだが?」

お龍「わかった」

勝「お、おい。お龍さん?是非とも今後はどうなるか教えてもらいたいのだが?」

お龍「知らない!!」バタン!!


坂本「・・・なんだか滅茶苦茶気が立ってるのぉ」

勝「触らぬ神になんとやらだ・・・」













屯所


島田「あのー・・・永倉さん?」

永倉「ん?どうした?そんな神妙な顔して」

島田「今、門の前に町娘が来てるんですけど」

永倉「あー、どうせ沖田を一目見たいって奴だろ?追い返せ、沖田は今それどころじゃねーよ」

島田「いや、それがですね?永倉新八を出せ!って騒いでまして・・・」

永倉「・・・は?俺?」


沖田 ガタッ!


永倉「沖田!オメーは寝てろ!!」

沖田「ンーーーー!!!!」ブスーッ!!

永倉「で?なんで俺?」

島田「いや、物凄い剣幕でいいから出せ!としか言わなくて・・・永倉さん、何やらかしたんですか?」

永倉「まったく見に覚えがないんだが?」

島田「追い返そうにもテコでも動かなくて・・・土方さんですら戸惑ってますよ」

永倉「あの土方さんが!?・・・わかったよ。俺が行けばいいんだろ?」

沖田「僕も行く!!!!」ガバッ

永倉「寝てろ!!!!」

沖田「永倉さんなんてキライだー!!!!」

永倉「ああ!嫌われたって構わねーよ!!!!」

沖田「フンだ!!!!」プイッ


永倉「島田。悪いんだけど、沖田が起きない様に見張っててくれ」

島田「構わないですけど、沖田さん大丈夫なんですかね?」


松平『沖田は病死』


永倉「・・・言えるわけねーだろ(ボソッ」

島田「えっ?なんです?」

永倉「何でもない。寝てなきゃ治るものも治らねーよ。とりあえず言ってくる」









お龍「いいから永倉新八を出せって言ってるのよ!」

山南「いやいや、お嬢ちゃん?そんな訳も言わずにはいそうですかって出せるわけ無いでしょ?」

土方「会う理由がわからなければ出せるものも出せんよ」

お龍「あー!!!!もぅわかんない人達だなー!!!!私は永倉と昔・・・昔では無いけど知り合いなの!!」

山南「困ったなー・・・島田君は永倉君を見つけたかな?」

土方「あいつなら沖田の所にいるだろ。すぐに見つかるさ」


お龍「あー、そっか池田屋事件で沖田総司って吐血しちゃうんだっけ?」


二人「「!!!!」」

お龍「可哀想だよねー、せっかくの美少年なのに」

土方「おい!町娘!!何故、それを知っている!!」

お龍「えっ?だって有名事じゃん」

山南「新撰組内でしかまだ出回ってない話だよ。なんで知ってるんだい?」

土方「まさか、貴様。攘夷浪士の残党か?」チャキ

お龍「ちょっと待ってよ!!なんで私が攘夷なんかに・・・あー、でもないかー」

山南「濁すってことはそうなのかな?」チャキ

土方「無駄な、抵抗はするな。抵抗するなら女とて斬る」

お龍「ちょっ!!マジあり得んティーだし!!」

山南「マジ?」

土方「あり得んティー?」

お龍「あーもぅ!!なんて説明すりゃいいのよ!!」

山南「・・・土方君、もしかして彼女」

土方「あぁ、永倉とは少し違うが未来言葉だ」


お龍「えっ!?マジ?未来言葉知ってるの?」


土方「永倉の妄想ではなかったのか?」

山南「どうだろ?永倉君と面識があると言っているし」


永倉「おーい、土方さーん、山南さーん。変な町娘が来てるって?」

山南「永倉君!いいところに来た!」

永倉「え?」

土方「こいつはお前の知り合いか?」

お龍「永倉!何、さっきはシカトこいてくれてんのよ!!」

永倉「・・・誰?」

お龍「マジあり得んティーだし!!」ブスーッ!!

永倉「未来言葉!?・・・お前が三人目か!!」チャキ

土方「永倉!!どういう事だ!!やはり、こいつは残党か!!」

永倉「わかんない!」

お龍「人の話聞けよ!!」飛び蹴り!!

永倉「ヒデブッ!!」ぶっ飛びー

土方「な、永倉ーーーー!!」


お龍「私はあんたと同じクラスメイトのお龍だ!!」


永倉「お龍・・・あのギャルか?」

お龍「どんな覚え方してんだよ!」

永倉「嘘つけ!あいつは髪の毛が茶髪でパーマだったぞ!」

お龍「この時代じゃ、染めれねーし、あてれねーよ!!」


永倉「・・・あー、確かに黒髪のストレートにしたらそんな感じかも」

お龍「だからそうだって言ってんでしょが!!」

永倉「・・・マジ?」

お龍「マジだよ!」

永倉「ちなみにギャルは何年から来たんだ?」

お龍「2017年」

永倉「いつからこの時代に?」

お龍「桜田門外から」グスッ

永倉「な、泣くなよ!!」

お龍「会いたかった・・・」グスッ


沖田 ガタッ!

島田「沖田さん!落ち着いて!」ガシッ


お龍「会いたかったのに・・・首かしげてどっか行っちゃうし」グスッ

永倉「あーーーー!!もう!場所移すぞ!こっち来い!!」










境内


永倉「・・・少しは泣き止んだか?」

お龍「うん・・・」グスッ

永倉「お前、ずっと一人だったのか?」

お龍「違う。今は旅館のお登瀬さんの所で働いてる」

永倉「そっか・・・それは大変だったな」

お龍「永倉は?ずっと一人だったの?」

永倉「あ、そうだ」





松平「・・・誰?この町娘」

お龍 バチコーン!!

松平「ヒデブッ!!」

永倉「ハハハハハッ!!松平、ザマーミロ!!」

松平「いやいやいやいや、おかしくね?なんで俺、ビンタされてるの?俺、幕府のナンバー2なんだけど?」

永倉「んで?誰だと思う?」

松平「お前が従者使って未来人の三人目見つけたって言うから来たのになんだよ。この仕打ち・・・んで?誰だよ」

永倉「歴女のギャルだよ」

松平「ハァ?パーマも髪も染めてねーじゃねーか」

お龍 バチコーン!!

松平「ヒデブッ!!」


割愛


お龍「・・・んで?松平は政事総裁で永倉は新撰組の二番隊組長なの?」

永倉「ああ」

松平「そうだな」

お龍「・・・馬鹿なんじゃないの?」

永倉「はぁ?少なくともお龍よりは成績よかったし!!」

松平「お龍なんかに・・・馬鹿呼ばわり、だと?」ガーン

お龍「このあと、どうなるか知ってて今のポジションにいるとか馬鹿じゃん」

松平「まぁ」

永倉「確かに」

お龍「ね?二人とも私の所に来ない?私、今さ」

永倉「あー、言うな言うな。誰とつるんでるか聞いちゃったらお前を捕まえなきゃいけなくなる」

松平「ん?なんで勝海舟とつるんでると捕まえなきゃいけないんだ?」

永倉「勝海舟?あの幕臣のか?チゲーよ。桂小五郎だよ」

松平「なに?桂だと?」

お龍「え?二人とも知ってるけど、その人達じゃないよ?」

永倉「え?違うの?」

松平「つまり二人を結ぶ人物ってことか?」

永倉「ってか、つるんでるとか言うなよ。今のは聞かなかったことにする」

お龍「あー、そっか永倉って今お巡りさんみたいな感じなのか」

永倉「そう言うこと。だから言うな」

お龍「はーい。じゃなくてさ、二人ともこのままだと死んじゃうよ?わかってるでしょ?」

永倉「死なねーよ」

松平「あぁ、俺もそのつもりはない」

お龍「そうは言ったって、幕府は無くなるんだよ?」

永倉「だからと言って、テロ行為を続ける長州や薩摩を許すつもりはねーよ」

松平「その通りだ。奴等は新しい支配者になろうと天誅を唄い国を滅ぼそうとするクズだ」

お龍「それは、やってることはそうだけど・・・」

永倉「少なくとも今の攘夷浪士に俺は同調するつもりはない」

松平「俺もだ」

お龍「・・・だって、せっかく会えたのに二人とも死んじゃったらやだよー」グスッ

永倉「だから泣くなっての」

お龍「だってー」グズグズ

松平「お龍って、そんなに涙脆かったっけ?」

お龍「そんなことないし!!今まで泣かなかったもん!!」

永倉「松平、お龍は俺等とは違って今まで同じ状況の人間がいなかったんだ。感情が高ぶるのは仕方ないだろ」

松平「まぁ確かに・・・そうだな」



永倉「そうだ!沖田がヤバイんだよ!病気で死ぬってなんの病気なの?」

松平「いや、そこまでは知らんよ」

お龍「確か結核じゃなかった?」

永倉「結核?それって栄養取れば治るんだろ?」

松平「そんなことねーよ。結核は2017年でも感染症の中でHIVの次に死亡者が多い病気だ」

永倉「・・・マジ?」

松平「空気感染する病気だ。新撰組隊内でパンデミック起こす前に隔離しろ」

永倉「・・・なんとかならねーのか?」

松平「医学の知識の無い俺達じゃ無理だ。ただし、死亡率も高いが死なない人もいるのは確かだ」

松平「俺達に出来ることと言えば、部屋を綺麗にし、栄養をしっかりと取らせることだな」

永倉「わ、わかった。頑張るよ」


松平「そーいや、池田屋の件は悪かったな」

永倉「本当だよ!なんで誰も来てくれなかったんだよ!来たとしても終わった後だぞ!?」

松平「勝海舟に邪魔された」

お龍「勝さん?」

松平「あぁ、あいつのお陰で守護職の奴等は動けなかった」

お龍「えー?嘘でしょ?勝さん早く幕府が長州を取り締まってくれとか言ってたよ?」

松平「なに?そうなのか?」

永倉「なんか言ってること矛盾してね?」

松平(勝の野郎、また何か企んでるのか?)














鹿児島


坂本「会いたかったぜよ。西郷隆盛さん」


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