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錦の御旗

松平「・・・」

ギャル「・・・」

松平「・・・話を続けよう」





油小路事件の後、西郷隆盛がクーデターを起こした。

教科書に乗ってる、王政復古の大号令だ。

幕府は天皇に政権を全て返したと言うのに薩摩はそれを信用しなかった。

議会制をやるにせよ、徳川と言う絶対的影響力を除外しようとしてきた。

自分達が新政権だと言い張り、俺達を悪として戦争を吹っ掛けてきた。


戊辰戦争の始まりだ。









勝「ついに始まりやがったか・・・」

徳川「薩摩め・・・あくまでも私の首を求めるか・・・」

勝「とにかく、大将を取られちゃたまったもんじゃない。慶喜さん、あんたは江戸へと逃げてくれ」

徳川「しかし、それでは回りの兵達が・・・」

勝「今は面子を気にしてる場合じゃねぇ!松平の思いを無下にする気か!!」

徳川「・・・クソッ!」

京にいた徳川慶喜は体制を立て直すため、江戸へと逃れます。

しかし、兵達には一人になろうとも京を護るよう指示。

大将不在の指揮はみるみると下がるのでした。











王政復古の大号令後、俺達は二条城の警護のため二条城へと向かっていた。

その時、壊滅させた御陵衛士の生き残りが近藤さんを狙撃。

近藤さんは肩を撃ち抜かれ、沖田と共に大阪城で治療を受け、戦線を離脱することとなった。


永倉「近藤さんは大丈夫か?」

土方「大丈夫だ。あの人は鉛玉なんかじゃ死なん」

永倉「それもそうだな」

土方「未来人よ。このあと、俺達はどうなる」

永倉「・・・悪い。俺は詳しく覚えてないんだ」

土方「フッ、剣術馬鹿は未来でも変わらんか」

永倉「そうだったな・・・名前は知ってても、ぶっちゃけ過去にどんなことがあったかなんて興味もなかったよ」

土方「そうか・・・名は残っても栄光は残らぬか・・・」

永倉「大体、永倉新八なんて、どこにこんな猛者がいたんだって感じだよ。俺、結構活躍してね?」

土方「自分で言うな。アホが」

永倉「あー、畜生ー。俺が一番隊だったら皆に名前覚えてもらえてたのかなー?」

土方「一番隊は総司の物だ。お前にはやらん」


近藤勇が戦線を離脱し、新撰組はしばらくの間は土方が指揮を取ることとなります。

そして、鳥羽・伏見の戦いで旧幕府軍と新撰組は壊滅的な損害を被る事となります。









松平「鳥羽・伏見の戦い・・・」

ギャル「ヤバイ・・・※錦の旗印」


※錦の御旗 天皇が官軍の大将に与えるもの。


松平「錦の旗印?・・・まさか、幕府が朝敵になるのか!?」

ギャル「鳥羽・伏見の戦いで薩摩が錦の御旗を掲げることになる。それで、幕府勢力の指揮が一気に落ちる」

松平「ふ、ふざけるな!!俺達が、どれだけ苦労してこれまで・・・それを、賊軍扱いだと!?」

ギャル「私に言わないでよ!!私だってわかんない!!」

松平「す、すまん・・・だけど、こんなのって・・・くそっ」

ギャル「・・・待って、って言うかこれ、永倉の文章残り少なくない?」

松平「まさか・・・あいつ、このまま戦いを」




二人は知ってると思うが、鳥羽・伏見の戦いで俺達は賊軍となった。

信じられるか?俺達は今まで、幕府のため、国のために忠を尽くしてきたつもりだった。

だが、賊軍として京を追い出されるのは俺達だった。

このあと、どうなるのか俺はわからない。

一つわかるのは、この境内に来れなくなる。と、言うことだけだ。

未来で会おう。そう言って別れたはずなのにな・・・

俺達はこれから江戸へ戻る。言伝てはここまでだ。

また生きてたら、江戸でも言伝てを残そうと思うが・・・多分、難しいよな。

江戸で未来まで残ってる建物なんて知らないし、まぁあれば頑張って書くよ。

それじゃ、未来でまた会おう。







永倉「それじゃ、これ2017年まで保管しておいてください」

坊さん「は?2017年?」

永倉「松平喜永か、お龍って奴が来たら渡してください」

坊さん「????」

島田「永倉さーん、そろそろ出発しますよー」

永倉「はいよ、今行く」


鳥羽・伏見の戦いで永倉新八と島田魁は決死隊を組織。

刀のみで敵陣に突っ込むなど活躍を見せるも、数で圧倒され撤退します。


徳川慶喜が江戸へ逃げた。

その話は瞬く間に広がり、京を守っていた兵士たちは続々と江戸へと向かうのでした。















桂「・・・」

板垣「どこを見据えている?桂よ」

桂「いや、京や大阪をこんなにも簡単に納めることが出来たのでな。ちょっと拍子抜けしてるんだ」

板垣「何、簡単なことだ。長州と薩摩は異国との戦闘を経験して古い兵法は使えぬと理解していた。幕府はそれを知らぬ」

桂「だが、幕府には勝さんがいる。あの人が何もしないとは思えん」

板垣「勝海舟か・・・確かに、頭は切れる。だが、切れる人間も所詮は一人だ。幕府全てを変えることなど出来んよ」

桂「・・・土佐はこのあと参戦するのか?」

板垣「薩土密約を結んでるのでな。その予定だ」

桂「大義名分はそれか・・・」

板垣「・・・」

桂「坂本と中岡の敵討ちか?」

板垣「指揮は上場だよ。皆、仇討ちが出来ると息巻いている」

桂「・・・坂本と中岡は望んではおらんぞ」

板垣「そんな事は知っている。・・・だが、許せんのだ。許せぬのだ」

桂「そうか・・・」

板垣「・・・西郷は江戸を最終決戦と睨んでいる。またたくさんの血が流れるだろうな」

桂「そんな事はさせねーよ」

板垣「何?」

桂「・・・仇討ちだの。天下だの。そんなものよりも俺は先を見たいんだ」

板垣「先を?・・・先程見据えていたのは未来か」

桂「俺に未来を見る力は無い。だが、未来を見ていた者達の思いを汲み取りたい」

板垣「・・・」

桂「坂本と中岡はそれを望んだはずた・・・」

板垣「だが、桂よ。主一人の力では、勝と同様。変えることなど・・・」

桂「俺は一人じゃないさ。奴等の思いがある。俺の中ではあいつ等の思いがまだ生きてるのさ」

板垣「・・・」

桂「あんたはどうだ?板垣さんよ。あんたの中では二人は死んだのか?死んで終わらせたのか?死んで終わらせたいのか?」



















徳川「京は奴等の手に落ちたか・・・」

勝「仕方がないさ。護るべき大将がいないなら兵は引くもんだろ」

徳川「勝よ。私はお前の助言に従った。だが、この結果はなんだ?お前は何を企んでいる」

勝「・・・倒幕の流れは変えられない」

徳川「それをさせたのは貴様だろう!!」

勝「違う!分岐点はもっと前だ!・・・桜田門外の変だ」

徳川「井伊直弼か・・・」

勝「幕府がこれまでやって来たことは、所詮は井伊直弼の真似事だ。そして、※有村次左衛門の真似事をするのは薩摩と長州だ」

※有村次左衛門 桜田門外の変、襲撃犯の一人

徳川「俺の首が必要だと言うのか?」

勝「そうはさせない。薩摩と長州が天下を取ろうがやることは井伊直弼の真似事だ。そして、このままではまた桜田門外が起きる」

徳川「・・・輪廻か」

勝「その通りだ。この輪廻は絶ち切らなきゃならねぇ。その為にもあんたの首は繋がってなきゃ困るんだよ」

徳川「・・・」

勝「慶喜さん、全貌は語れねぇが俺を信じてはくれねぇか?」

徳川「勝よ。お前は何に忠を尽くしている?」

勝「・・・」

徳川「答えよ。お前が尽くしている物は、私でも幕府でもない。国か?帝か?」

勝「・・・俺っちは誰かに忠を尽くしてるつもりはない。国でも帝でもない」

徳川「・・・」

勝「皆がこう言うんだ。『国の為』・・・皆が忠を尽くしてる。だから、俺はそんな抽象的な物にすがるつもりは毛ほども無い」

徳川「では、なんだと言うのだ。貴様を突き動かす原動力はなんだ」

勝「俺は、俺の信じる道を突き進むだけだ。慶喜さん、あんただってそうだろ?」

徳川「・・・」

勝「国の為。言うのは簡単だ。だが、それは自分に言い聞かせているだけだ。誰かのために俺はやっている。そう言って自分を正そうとしているだけだ」


勝「俺は俺がそうしたいからやっているだけだ。誰かの為になんて偽善は語らねぇ」


徳川「・・・そうか」

勝「期待に沿える回答だったかい?」

徳川「いや、全然だ」

勝「ああ、そうですかい」

徳川「だが、理解は出来た。・・・良いだろう。お前の好きなようにやってみろ。責任は取れぬが後悔はするな」


こうして徳川慶喜は事態の収拾を勝海舟に一任。

勝海舟を幕府陸軍の最高責任者に昇進させるのでした。




この頃、怪我から復帰した近藤勇は勝海舟に呼ばれることとなります。

そして勝の思惑を近藤へと伝えるのでした。

近藤「・・・なるほど、それならば現状を打開出来るかもしれぬな」

勝「あんたには辛い役回りをさせる事になるがな・・・」

近藤「何、気にするな。むしろ感謝したいくらいだ。これが成功すれば、俺は侍として死ねる」ニッ

勝「・・・すまないが、頼めるか?」

近藤「わかった。そうと決まれば早速、出立させて頂くとしよう」

勝「・・・」

近藤「そんな顔をするな。自身が正しいと信じるならば顔を上げろ。ドンと構えろ」

勝「・・・ああ、そうだったな。すまねぇが、近藤勇。俺っちの思惑の為に死んでくれ」

近藤「了解だ。陸軍総裁・・・だが、一つ頼みがある」

勝「なんだ?」

近藤「俺は逃げん。逃げた奴を責めるつもりはない。だから、逃げてきた奴は必ず保護してくれ」

勝「わかった。必ず保護する」

近藤「頼んだぞ」ニッ












近藤「これより我々は甲府城へと向かう!!」

永倉「甲府?」

近藤「現在、薩摩は朝敵となった我等を討ち滅ぼそうと東進。江戸を滅ぼそうとしている!それを食い止める為に甲府城を占拠。奴等を足止めする!」


島田「なんか近藤さん、戻ってきてからめっちゃ元気じゃねーッスか?」

永倉「あの人も戦闘狂だからな。鳥羽・伏見に参加できなくて悔やんでるんでね?」


近藤「我々は朝敵に非ず!!我々が官軍であると奴等に思い知らせてやれ!!」

一同「「オー!!!!」」

近藤「出立は二日後とする!!皆、覚悟を決めて参れ!!」







二日後、明朝


沖田「永倉さん!!」

永倉「おお、悪いな。起こしてしまったか」

沖田「僕になにも言わずに行くつもりだったんだね」

永倉「・・・新撰組は壊滅した。このあとの事はみんなに教えた通りだ」

沖田「行かないで」

永倉「それは無理だ。近藤さんや土方さんをここで死なせるわけにはいかない」

沖田「僕は?」

永倉「・・・」

沖田「僕を一人にしないで・・・一人で死ぬのはやだよ・・・」

永倉「俺は二人の友を亡くした・・・お前まで失いなくない」

沖田「・・・」

永倉「お前を失ったと知りたくない・・・」

沖田「僕も一緒に連れてって!!」

永倉「無理だ!!」

沖田「じゃあ!ここで殺して!!藤堂みたいに僕も殺して!!そうすればみんなと一緒にいられる!!」

永倉「そんな事出来るか!!」

沖田「永倉さんにしかこんなこと言えない!!お願い!!僕を殺して!!」

永倉「・・・くそっ、なんで・・・なんで俺は未来なんて知ってるんだ・・・」

沖田「・・・」

永倉「未来なんて、知らなければこんな思いもしなかったのに・・・」


土方「・・・おい、永倉」


永倉「土方さん」

土方「出立に遅れるとは良い度胸じゃないか」

永倉「悪い。今行くよ」

沖田「永倉さん!!」


土方「しかも、随分な遅刻だ。・・・出立は昨日だ。皆、出立してるぞ」


永倉「・・・は?だって二日後だって」

土方「ああ、そういやお前に伝えるのを忘れてた。一日早めると変更があったんだ」

永倉「おいおい、何言ってるんだよ」

土方「それに近藤さんは言ったはずだ。覚悟を決めて参れと・・・覚悟の決まってない貴様なんぞいらん」

永倉「てめぇ、まさかわざと・・・」

土方「俺は先に行く・・・それに、沖田にそんなにしがみつかれちゃここを抜け出せないだろ?」ニヤリ

永倉「・・・」

土方「後から追いかけてこい。俺達は先に行く」

永倉「土方さん・・・ありがとう・・・」

土方「さてな。なんの事やら・・・ああ、そう言えば沖田の本当の名を知っているか?」

永倉「本当の名前?」

土方「沖田総司。それは男の時の名だ。本当の名は・・・まぁそれは本人から聞け。じゃあな」








沖田 ギューッ

永倉「あの、そろそろ離してもらってもいいですか?」

沖田「ヤダッ!離したらどこか行っちゃうもん!」

永倉「どこにも行かねーよ」

沖田「嘘だ!絶対に離さない!」

永倉「困ったなー・・・」


沖田「・・・死ぬのは怖くない」

永倉「・・・」

沖田「でも、離れ離れになるのはイヤだ。・・・一人はやだよ」

永倉「俺も同じだよ。お前を死なせたくない」

沖田「・・・」

永倉「結核なんかで死ぬなよ・・・なんでなんだよ・・・」

沖田「死なないで欲しい?」

永倉「当然だ!」

沖田「僕も、永倉さんに死んでほしくない」

永倉「勝負も付いてないしな」

沖田「そうじゃないもん・・・」

永倉「・・・」

沖田「僕、・・・違う。私はずっと貴方の側にいたい」

永倉「待った」

沖田「えっ?」

永倉「そう言うのは、男から言うもんだ」

沖田「・・・未来人のくせに古い考えだね」

永倉「うるせっ」


永倉「沖田総司。俺と結婚してください」


沖田「・・・ヤダ」

永倉「えっ!?なんで!?今の流れって完全にそう言うやつだろ!?」

沖田「そうじゃないもん。名前が違う」プイッ

永倉「名前?」

沖田「・・・小常」

永倉「小常」

小常「僕の本当の名前」

永倉「小常か・・・いい名前だな。じゃあ改めて」

小常「はい!僕も永倉さんと結婚したい!!」

永倉「おい!!俺のせっかくのプロポーズ・・・ングッ!!」

小常「・・・・・・・ブハー。ヘヘ、やっちゃった」

永倉「な、・・・おま、今、キス、えっ?」

小常「永倉さん、初めて?」

永倉「あ、当たり前だ!!」

小常「僕も・・・だよ?」

永倉「あ、・・・ありがとうございます」

小常「なんだそりゃ(笑)」

永倉「いや、すまん。その、こ、こう言うのに慣れてなくてなくて、なんて言えばいいのか・・・」

小常「フフ、永倉さんって結構可愛いんだね」

永倉「か、可愛いとか言うな!!」

小常「あのね。永倉さん」

永倉「な、なんだよ・・・」

小常「僕ね・・・」


小常「永倉さんのこっこが欲しい・・・」





実際、永倉新八には小常と言う女性が側にいます。

しかし、鳥羽・伏見の戦いが起こる前夜に永倉との間に出来た子供を出産し命を落とします。

永倉新八はその知らせを聞きますが立場上、その場を離れることが出来ず小常の側に行くことが出来ませんでした。

そして、鳥羽・伏見の戦いが勃発。

戦いに行く直前、永倉の元へ、赤子を抱いた小常の父が現れます。


剣豪、永倉新八。享年77歳。戦闘狂で仲間思い。

自分と小常の子の為に永倉新八はここで死ぬわけにはいかないと考える様になったのではないかと思います。


その後、永倉新八は数々の戦闘に参加します。

戦争が終わった後も自分の子にに会うことも出来ず、新撰組の名誉回復に尽力。

子供に会うことが出来るのは初めて会ってから30年後になります。





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