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頭ぶつけて、目が覚めたら過去にいた

※注意 なるべく史実には基づいてく予定ですが、所々変わりますので、鵜呑みにはしないで下さい。

先生「幕末とは江戸幕府の末期、ペリー来航から戊辰戦争までの間をさし」


先生から発せられる言葉は部活動を引退し進学や就職へと進む生徒たちにとっては眠気を誘うお経にしか聞こえなかった。

先生もそれに気付いてか、それとも諦めてるのか特に指摘するとこともなく淡々と授業を進めていた。



生徒「あー、マジでダルい。歴史なんて所詮、暗記じゃん」

生徒「マジで名前覚えるのめんどい」

生徒「けどさ、幕末ってよくドラマになったりするよな」

生徒「ドラマではよく見るけど、日本史に大して登場しなくね?」

生徒「確かに(笑)坂本龍馬とかは出てくるけど一文で終わるし、新撰組なんて日本史に登場したっけか?」

生徒「商品とかよく売ってるんだけとなー」

生徒「近藤勇、土方歳三、沖田総司とか?」

生徒「名前知ってるのに教科書には大して書いてねーじゃん。覚えるだけそんだよ」


休み時間の談話は先程の授業の話で盛り上がり段々と脱線していった。


生徒「そーいや、卒業旅行とかどこ行く?」

生徒「相変わらず気が早いな。まだ前の話じゃん」

生徒「夢の国とか?」

生徒「男だけで?やだよ、そんなの」

生徒「おーい、永倉。お前、どこに行きたい?」

永倉「ん?何?」

生徒「卒業旅行だよ、どこか行きたい所とかある?」

永倉「んー、特にねーな・・・」

生徒「相変わらず自己主張のねーやつだよ」

生徒「と言うかやる気ねーよな」

生徒「お前、本気出したら絶対国体とか狙えたろ」

永倉「そんなことねーよ。俺は争い事とか嫌いなの」

生徒「かー、喧嘩っ早い奴がよく言うぜ」

生徒「病院送りとかざらにあったじゃん」

永倉「あれは、喧嘩を売ってくる奴が悪い!」

生徒「先生だってお前に期待してたから荒事納めてた感あるぜ?それなのに最後の試合、地区予選敗退とか(笑)」

生徒「先生が珍しくお冠だったよな(笑)」

生徒「お前、もっと本気だせ!!ってな(笑)」

永倉「いいんだよ。一番取ったって大して変わらないし」

生徒「うわ、一番なんて楽勝です発言出たよ」

生徒「まぁこいつならあり得るわな(笑)」


生徒「そーいや、松平は?あいつ、最近学校に来てないよな」

永倉「あいつ進学希望じゃん。学校に来るより勉強とか言ってたぜ?」

生徒「勉強って学校でするもんだろ(笑)」

生徒「まぁうちの学力じゃ勉強にもならんか」

生徒「ハハハッ、ちげーねー(笑)」



ギャル「それでさー、あの店員がさあたしらを万引き犯に疑うわけよ」

ギャル「マジでやってねーし!ってぶちギレたら焦ってたよね。マジウける(笑)」

ギャル「んでー?実際はやったの?」

ギャル「んー・・・内緒(笑)」

ギャル「サイテーだよ。こいつ(笑)」







放課後


生徒「永倉ー、俺ら先に行ってるぜー」

永倉「はいよー、俺も先生の面談終わったらソッコー行くわ」

生徒「とっとと進路決めちゃえよー」

永倉「はーい」

誰もいなくなった教室。永倉は引き出しから未記入の進路希望書を手に取り深くため息をついた。

永倉「進路ねー・・・皆、よく簡単に決めれるよな」



先生「永倉ー、あとはお前だけだぞ?」

永倉「どうしたら良いですかね?」

先生「僕に聞くな。お前の人生だろ・・・まぁ、学力も申し分ないし進学を進めたいけどなー」

永倉「でも、その場合スポーツ推薦になるんですよね?」

先生「まぁ・・・お前の実力なら欲しいと言う大学がいくつかあるのも事実だ」

先生「そして我が校も将来の有望株を出したと言う肩書きが欲しくて推薦するのも事実だ」

永倉「俺ってそんなにスポーツ万能じゃ無いッスよ」

先生「馬鹿言うな。お前の実力は結果が全て出てるんだよ」

永倉「だから、予選敗退したじゃないですかー」

先生「一、二年での結果が残ってるだろうが」

永倉「あー、そんなに注目されるって知ってたら頑張らなかったのに!!」

先生「アホか!お前は!!」

永倉「ってか、先生!!いい加減、僕っ子やめろよ!そんな男口調だから、男出来ねーんだぞ!!」

先生「よ、余計なお世話だ!!馬鹿!!」




先生との押し問答も無事に終え、未だ未記入の進路希望書を机に戻し永倉は教室を後にした。

永倉「進路ねー・・・わからん!あと三年は悩みたい!!」

そんな独り言を呟きながら永倉は階段へとさしかかった。

歩き慣れた道のりで特に気にすることなく階段を下り始める。

その時、一瞬の目眩が生じ永倉はバランスを崩した。

永倉「・・・やべっ!」

バランスを崩した体は階段を勢いよく落ちていった。

永倉「のわぁぁぁぁぁぁぁ!!」













??「いくぞ?・・・せーのっ!」

誰かの掛け声と共に桶に入った冷たい水を浴び永倉は目を覚ました。

永倉「うわっ、ビックリした!!」

??「おー、起きたか永倉。お前が目を回すなんて珍しいな」

??「ごめんなさい、永倉さん。僕が稽古つけて欲しいって頼んだから・・・」

??「気にしすぎだ。沖田」

??「しかも沖田は関係ないじゃん。こいつ木刀取ろうとして躓いて石に頭ぶつけただけじゃん」

??「のわぁぁぁぁぁぁぁ!なんて雄叫び上げながらな(笑)」

永倉「????」

??「でも・・・」

永倉「・・・・だれ?」

??「えっ?」

永倉「いや、なにこれ・・・」

辺りを見渡すと、どうも学校ではない。

そして回りにいる人達も見知った人が見当たらない。

??「なんだよ、永倉。目を回したついでに記憶も飛ばしたか?(笑)」

永倉「えっ?なにこれ、どこここ?」

??「永倉さん?大丈夫ですか?い、医者に見てもらいます?」

??「心配ねーよ。どうせ寝たら思い出すさ」

??「永倉、自分の名前はわかるか?」

永倉「えっと、永倉新八・・・です」

??「よし、なら大丈夫だ。俺は近藤さんに永倉が目を覚ました事を伝えに行く」

永倉「いやいやいやいや!大丈夫って・・・えっ?」

??「あぁ、記憶が混乱してるんだったな。一応、自己紹介しておくか」

土方「俺の名前は土方歳三だ」

藤堂「俺は藤堂平助だよー」

沖田「僕は沖田総司です」

永倉「・・・・え?」

土方「藤堂、あとは任せた」

藤堂「はーい」



永倉「・・・・えっ?なにこれどっきり?」

藤堂「どっきり?なにそれ?」

永倉「だって・・・土方、沖田って、新撰組の」

沖田「新撰組?」

藤堂「なにそれ?」

永倉「あの、ちょっと待って・・・今って何年?」

藤堂「安政7年だよ」

永倉「え?」

藤堂「だから、安政7年・・・西暦だと1860年かな?」

永倉「マジで言ってるの?」

藤堂「むしろ、お前が何を言ってるんだよ」

沖田「あの、永倉さん・・・本当に大丈夫ですか?」

永倉「・・・・多分、大丈夫じゃない」

永倉「だってあり得ねーじゃん!沖田総司と言ったら、あれだよ!美青年の代名詞だぞ!それなのに、これじゃ美少女じゃん!」

沖田「美少女言うなし!!こんな華奢な身体の女が美しい訳無いだろ!!」

永倉「何言ってやがる!ずんぐりむっくりよりは俺は好きだぞ!!」

沖田「えっ?ほ、本当に?///」

藤堂「おい、真に受けるお前もアホか」

沖田「はっ!イカン、イカン・・・僕は男だ!!ちゃんとナニも付いてるぞ!!」

永倉「本当か?なら、触って確かめる」

沖田「触ろうとするなぁぁぁぁぁぁぁ!!」バチコーン!

永倉「フベラッ!!」



藤堂「それで?・・・永倉は今は何年だと思ってたの?」

永倉「2017年・・・」ヒリヒリ

藤堂「こいつ、本当に大丈夫か?」

永倉「訳わかんねーよ・・・」

沖田「うーん・・・ちなみにここ、どこだか、わかります?」

永倉「学校では・・・無いよね?」

藤堂「ここは試衛館、天然理心流の剣術道場。学舎では無いな」

永倉「・・・・」

沖田「ところで、新撰組って?」

永倉「それは・・・」


土方「おい!藤堂!沖田!」


藤堂「なんです?そんなに慌てて」

土方「至急、皆を集めてくれ。永倉お前もだ」

永倉「えっ?俺も?」

沖田「土方さん、それが永倉さん本当に記憶が飛んでそうです」

土方「何?・・・なら、丁度いい。今起きたことを覚えれる」

藤堂「本当に何かあったんですか?」

土方「近藤さんからそれは伝える。山南も連れてきてくれ」

土方「永倉、お前は俺についてこい」

永倉「もう、何が何だか・・・」



近藤「・・・皆、集まったな」

藤堂「近藤さん、一体なんです?急に皆を呼び出したりして」

土方「おい、藤堂。口を慎め」

藤堂「はーい」

山南「まぁまぁ、土方君。藤堂は元からこういう奴じゃないか。多めに見てやってくれ」

土方「しかし、上下関係が」

山南「我々だけの仲じゃないか、そのぐらいいいだろ」

土方「・・・」

近藤「話を進めても?」

山南「あぁ、すみませんね。話を進めてください」

近藤「うむ、土方にはすでに伝えたが、大きな出来事が起きた」

沖田「まさかまた黒船が?」

近藤「いや、そうではない。だが、国を揺るがす大きな事だ」

永倉(えぇっと・・・黒船が来てから何があったっけ?)

永倉「たしか、いや誤算(1853年)のペリー来航で日米修好通商条約・・・」ブツブツ…

近藤「・・・永倉は何かあったのか?」

藤堂「あ、気にしないで下さい」

近藤「まぁいい。それで出来事と言うのはだな・・・」


近藤「井伊直弼が暗殺された」

山南「なんと!?」

藤堂「嘘でしょ?」


永倉「・・・誰だっけ?それ」

沖田「幕府の大老だよ」

永倉「大老?・・・老中みたいに将軍を補佐する感じ?」

沖田「全然、違うよ!大老って言うのは・・・えぇっと、山南さーん」

山南「大老とは、将軍がまだ若かったりして政治を行えない場合、変わりに代行する者の事だよ。今の将軍、徳川家茂はまだ十代前半だからね」

永倉「と、言うことは実質将軍ってこと?」

山南「そうだね。さっきぶつくさ言ってたように日米修好通商条約も調印したのは彼だ」

永倉「でも、そんな凄い人がなんで殺されるんです?」

近藤「おーい?話を進めたいのだが?」

山南「あ、すみませんね」

近藤「まぁ殺される理由なんてわかりきった事だ。奴は大罪を犯したのだ。・・・まぁ気持ちはわからなくも無いがな」

永倉「大罪?」

近藤「帝に背く行為を行ったのだよ」

永倉「帝?・・・天皇さん?」

近藤「その通り。奴は帝からの許可を得ずに調印をしたのだ」

山南「本来、帝が行うべき政治行為を徳川将軍が代行している。だから、条約を結んでもいいか帝に尋ね、よしと言われなければその行為は行えないんだ」

近藤「帝が駄目と言ったら駄目なのだ。それを井伊直弼は勝手に調印した。殺されて当然だ。幕府の威厳が無くなったと言ってもいい」

永倉「あぁ、そっか。だから、これから尊皇攘夷運動が活発化するのか」

近藤「・・・おぃ、誰だ。永倉に知恵を授けたのは?永倉が賢くなってるぞ」

藤堂「それが永倉、さっき石に頭ぶつけちゃって」

近藤「そうか、では今度から永倉に物を教えるときは岩を準備するとしよう」

永倉「それで殴るってか・・・」

山南「永倉君。ちなみに尊皇攘夷とは何か知ってるかな?」

永倉「えっ?・・・えっと、・・・沖田」

沖田「ぼ、僕に振るな!」

永倉「たしか、幕府を倒すための運動?」

山南「確かに結果としてはそうだね。ただ意味合いは違うね」

永倉「意味合い?」

山南「尊皇とは王、つまりは天皇様を尊び。攘夷、異国を払う。つまり天皇のもと、異国を武力行使にて払う。と言うことだ」

永倉「でもそんなことしたら今のままじゃ、負けちゃうんじゃ・・・」

山南「その通り。だから、井伊直弼は開国を選択し、富国強兵を謳った」

近藤「だが、帝の許可なく調印した」

永倉「だから殺された?」

近藤「うむ、その通り。国を揺るがす程の大きな事件だ」

永倉「なるほどー」

近藤「おい、誰か岩を持ってこい。永倉の頭に記憶させるためにそれで殴るぞ」

土方「確か庭にちょうどいい岩があったな・・・」

永倉「ちょっと待って!!」










目を覚ますと見たことの無い天井だった。

松平「・・・・どこ、ここ?」

??「慶永ー!慶永はおるかー!!」

そして、知らない声が俺の名前を呼びながら襖を勢いよく開いた。

??「慶永、ここにおったか」

松平「えっと・・・誰?」

??「何を言っておる。強引に隠居させられ、記憶も呆けたか」

松平「いや、えっと・・・ん??」

??「そんな寝てる場合ではないぞ、水戸の浪士達がやってくれた!これで我々の謹慎も解けるはず!」

松平「・・・・」

??「寝惚けておるのか?これから忙しくなるぞ、寝てる暇などないぞ!」

松平「いや、俺は家に帰って勉強しないと・・」

??「勉学に励むのは良いことだが、慶永の今の家はここだろ」

??「まぁ良い。私はこれより言伝てを斉昭に書いてくる。それまで頭を覚ましておけ」

松平「ま、待って・・・あなた、誰?」

徳川「何を呆けておる。私の名は徳川慶喜、一橋家の9代当主だ」

松平「徳川慶喜・・・徳川15代の将軍!?」

徳川「何を言っておる。今の将軍は家茂、それに14代将軍だ」

松平「????」

徳川「・・・おいおい、本当にどうした。気はたしかか?」

松平「いや、もう何が何だか・・・」

徳川「いいから聞け、実はだな・・・井伊直弼が殺された」

松平「えっ?誰それ?」

徳川「おい、我等を不当な謹慎処分にした張本人ではないか。何故、それを忘れる」

松平「えっ?謹慎?なんで?」

徳川「私と家茂、どちらを跡継ぎにするかで井伊直弼と争い、奴は政治を優位に進めるために家茂を将軍にした」

松平「あれ?井伊直弼って大老の?」

徳川「その通りだ。我等が上洛(じょうらく)した際、許可なく上洛したと虚言を吐き※謹慎にしたではないか」

※安政の大獄

松平「???」

徳川「まぁよい。とにかく、これから忙しくなるぞ!共について参れ!」










ギャル「イーーーーヤァァァァァァ!!」

侍「待てオラァァァァ!!止まれ!!」

侍「この、くそアマ!!止まれと言ってるだろ!!」

ギャル「刀振り回してる奴に止まれと言われて止まる馬鹿がどこにいるのよ!この、馬鹿!!」

侍「ば、馬鹿だと・・・貴様ぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ギャル「イーーーーヤァァァァァァ!!なんなのよ!何がどぉなってるのよ!!」

侍「ってか、早っ!なんだ、あの奇妙な走り方は!」

侍「ありゃ外国の走り方だ!足と手を左右逆に振るらしい!」

侍「そんな走り出来るわけ無いだろ!足が縺れるわ!」

ギャル「そっちの走り方の方が足縺れるわ!!ペンギンみたいな走り方してんじゃないわよ!」

侍「ペンギン・・・って何じゃそれわーーーー!!」

侍「何だかわからんが馬鹿にされた気がする!!いいから止まれ!!」

ギャル「イーーーーヤァァァァァァ!!」


??「ちょいと待ちな!」


侍「おうおう、割って入ってきてんじゃねーよ」

??「大の大人がこないなおなごを追っかけ回して恥ずかしいとは思わんのか?んん?」

ギャル「・・・だれ?」

??「お嬢ちゃん、ここはワシに任しときな」

侍「お前、ここの者では無いな?言葉が訛っている」

??「ワシは武者修行の身でな。江戸には何度か訪れておるのだが、根っからの言葉は矯正出来んのぉ」

??「しかし、これとそれとは話は別。何故、この子を追いかけておったのか訳を聞かせて頂きたい」

侍「こやつは、俺らの頭を見てハゲと罵り、大笑いしておったのだ!!」

侍「これは髷だと言っても、訳のわからん言葉を用いて馬鹿にしてきたのだ」

??「ありゃ、そりゃまずい。ちなみに嬢ちゃん、なんて彼らに言ったの?」

ギャル「えっ?コスプレ野郎のハゲ茶瓶」

??「・・・お侍さん、割って入ってきてすまなかった。道を譲るよ」

ギャル「ちょっとぉぉぉぉぉ!?」

??「と、言いたい所も山々だがここは一つ、ワシの顔に免じて許しては貰えないだろうか?」

侍「しかしっ!」

??「な?・・・な!お願い!この通り!」

侍「・・・ふん、興が冷めたわ」

侍「町娘、命拾いしたな」


??「・・・かー、死ぬかと思ったわい」

ギャル「マジ助かったわー、おじさんありがとう」

??「オジ・・・ワシはまだ二十代だ!オジさんと呼ばれる歳ではないわ!」

ギャル「だって、ワシワシ言ってんじゃん。おじさんが使う言葉だし」

??「そうなのか?こっちの言葉はようわからん」

ギャル「ってか、意味わかんないし・・・気が付いたら変なところにいるし、コスプレ野郎に追っかけられるし何ここ、江戸村?」

??「村ではないがここは江戸じゃ。なんじゃおまん、ここの娘ではないのか?」

ギャル「おまんって・・・変な呼び名付けるなし」

??「すまんすまん、ちなみに名はなんと申す」

ギャル「・・・・」プイ

??「なんじゃ?突然、そっぽなど向いて」

ギャル「私、自分の名前嫌いなの」

??「親のつけた大事な名前じゃろが大切にせな・・・で?名前は?」

ギャル「・・・おりょう」

??「おりょう?・・・すると、漢字はまさか龍神様の龍か?」

お龍「そうだよ!龍なんて男の使う文字じゃん!!マジあり得ないし!」

??「ほー、こんな偶然は滅多にあらん。ワシも龍と言う文字を一文字使っておる」

お龍「はいはい、どうせ龍二と龍生とかでしょ、そんなのアルアルよ」

??「ん?そんな奇妙な名前ではないぞ?」

お龍「そうなの?」

??「いかにも!ワシの名は!」


??「龍馬!ここにいたか!!」


??「武市か、なんじゃ騒々しい」

??「そりゃ騒々しくもするわ!これから日本中が騒がしくなるぞ!」

お龍「・・・龍馬?」

??「ん?なんじゃ、この町娘は?」

??「おお、この娘はな」


お龍「・・・あっ!?坂本龍馬!!」


坂本「ん?なんじゃ?ワシの名前を知っておるのか?」

??「龍馬、本当になんだ、この娘は」

お龍「うっそ!本物!?そっくりさん?写真にそっくり!」

坂本「しゃ、写真?なんじゃそれは?」

お龍「えっと、写メ?フォト?」

??「おい、龍馬もしかしてフォトグラムの事を言ってるのではないか?」

坂本「だとしてもワシはとった覚えはないぞ」

お龍「あ、この前眠気覚ましに顔に悪戯書きしちゃったんだ、ごめんなさーい」

坂本「悪戯書き!?ワシの顔に悪戯書きなんてあるのか!?武市!」

※武市「し、知らん!いつもと変わりなく死んだ魚のような目をしておる」


※武市半平太 土佐藩の郷士。後に土佐勤王党を立ち上げ盟主となる


坂本「おまん!ワシの顔をそのように覚えておったのか!!」

武市「だぁっ!もう、話が進まん!!それどころでは無い!今に日本中がその話題で持ちきりになるぞ」

坂本「さっきから何を言っておる」

武市「だから、聞け!これから攘夷運動がさらに過激になるぞ!」

坂本「何?一体何があった?」


武市「・・・大老の井伊直弼が暗殺された」


お龍(あれ?・・・なんか聞いたことあるな、それ)

坂本「なんと!?それは真か!!」

武市「しかも暗殺された場所が場所だ!桜田門の目の前で暗殺された。奉行所の面目丸潰れだ」

坂本「こうしちゃおられん!土佐に急ぎ帰るぜよ!」

武市「おう!」

お龍「あ、それって桜田門外の変?」

坂本「なに!?」

武市「桜田門外の変?なんだそれは」

坂本「お龍、お主知っておるのか?」

お龍「知ってると言うか、聞いたことはあるよ。よくわかんないけど」


武市「おい、龍馬。こいつ本当に何者だ?」

坂本「わからん。だが、西洋の走りをしていてただ者ではないと助けたのだが」

武市「その上フォトグラム、そして井伊直弼暗殺を桜田門外の変と言った」

坂本「まさか!」

武市「龍馬!」

坂本「こいつは・・・こいつはワシに天から送られた運命の人物かも知れんのお」

武市「・・・はいはい、そうだな」(呆れ)

坂本「おい、お龍。主、訳もわからずここへ来たと申しておったな」

お龍「うん、そうだよ」

坂本「ならば行く宛も無いじゃろ。ワシらと共に来ぬか?京の都にワシの行き付けの店がある。そこなら、宿も準備出来るぞ?」

お龍「ほんと!?行く行く!」

坂本「よーし、決まりじゃ!では向かうとしよう」

お龍「はーい」




最後まで読んで頂きありがとうございます。

大河ドラマ(見てないけど)にあやかろうと思いついつい書いてしまいました。


歴史なんて興味ねーよって人が少しでも興味を持ってくれれば俺の勝ちです。

前書きでも書きましたが、時間軸が前後したりすると思うので鵜呑みにはしないで下さい。

興味を持った方は実際に調べてもらえると嬉しいです。

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