テスト/rippers
初心者なのでお手柔らかにお願いします。
『Rippers』
ボクの身体は戦慄と歓喜で震えていた。あの無色の少女がここまで紅く染まるものなのか?いや、無色だからこそあそこまで紅く染まるのか?この際そんな些細な事はどうでもいい、目の前にボクが求めていた彼女がいる。今はそれだけでいい。
「フフ、フフフフ…鈍く輝る銀、むせ返る程の甘ぁ〜い排気ガス、ベットリウットリ唸る朱いエンジン…私の愛しいステキなジャック…」彼女、『帰寂 霧沙』は恍惚と夢心地の様な表情でチェーンソーを優しく撫でた。
ースルスルッスルスルスルー
チェーンソーを愛撫する霧沙の白く滑らかな手が黒い取っ手を掴む。
「わかってるわ…。獲物はすぐそこ」
霧沙は子守唄を聴かせる様に静かにチェーンソーに語りかける。
そして唐突に勢い良く黒い取っ手を弾いた。
オォォォォォッ!
荒々しい律動が咆哮し、猛る狂想曲を奏でだす。
「今日もふらふら夜道を歩き、迷える子羊見つけたジャック♪」
チェーンソーの唸りに応えるかのように霧沙は歌う。
「今日も狂える悦び抱いて、全てを切り裂く…切り裂きジャック♪」
壊れた微笑みを顔に貼付け、舌なめずりをする霧沙は一言、
「…Shall we 乱舞?」
その掛け声の下、命懸けのダンスが幕を開けた。
コレだ、コレがボクが求めていた『必要悪』だ。彼女がいればアイツを、アイツを追い込む切り札になる。
「Hey,baby!I'm ripper!I long to rip you!!」
霧沙の愉しい宴は夜を切り裂く。
「Damn,damn,damn!What's up you!?」
苛烈で優美、大胆で繊細なステップは宵を増すごとに速さを増していく。
「We don't hope end,each!But!Black or White this midnight!」
ーダンッ!ー
全てを終わらせる、いや始まりを告げる踏み込みを霧沙とジャックは踏み出した。
こうしてこのボク、『森阿 帝』は復讐の要たる切り裂きジャックを引き連れ闇へと舞い降りた…。
読んで下さってありがとうございます。