その名はジャスティス(3)
「それが本当だとして、どうしてそんなことあたしが出来ると思うわけ?」
時は三日前、近藤伊佐美がこの事件に巻き込まれるよりも前に遡る。
夕暮れ時、丁度響がモノレールを乗り違えて迷走していた頃。
陸上の練習を終えて汗だくのまま、伊佐美はその男を見つめ返していた。
黒衣の男はそれを見て肩を竦める。
「冗談じゃなくてマジなんだぜ?君、このまま行くと近い内に大変な目にあうんだよ」
「それはさっきから何回も聞いてるし、理由には心当たりもあるから信じてるって。でも、それを信じているからってそれから逃げ出すかどうかはあたしが決める事でしょ」
軽く鼻を鳴らして笑い飛ばす。
それを見てジャスティスは満足そうに微笑んだ。
「そうか。じゃあ、思いっきり死ぬといいぜ」
「不吉なこといわないでよね・・・それに、話だけ聞けば死ぬってことはないんでしょう?」
「ご明察だな。君の体そのものは死ぬことはない。死ぬとしたら、それは君の心だ」
「心ね・・・・でもかまわないよ。あたしね、あの子のこと、信じてるからさ」
タオルで汗を拭って伊佐美はそう呟いた。
そして楽しそうに笑うジャスティスに眉を潜めながら言う。
「で、あんた・・・・その格好暑くないの?」
と。
⇒その名はジャスティス(3)
じゃ〜〜〜ん!
すさまじい振動。それが『音』によるものだとはもちろん伊佐美も響も気づいていなかった。
だがだんだんとわかってくる。それが理解できてくる。
「すごい」
それが常人ならば誰でも漏らすであろうその戦いの感想だった。
ジャスティスと騎士の戦いは、ジャスティスの圧勝で終わろうとしていた。
空中から叩き込んだ一撃で完全に騎士の装甲は破壊されていたからだ。
挙句さらに外道のごとく倒れた相手に対し殴りかかった。トドメも万全である。
舞い上がった埃と霧が晴れると、そこにはぼろぼろになった騎士を片手で持ち上げてギターを肩に乗せ笑っているジャスティスの姿があった。
「いえーい、完全勝利〜・・・・ブイ!」
「ブイって・・・何歳なのあいつ」
「さあ・・・・」
既に決着がついたのは明らかだった。
物陰に隠れて縮こまっていた二人もそれで安堵し顔を出した。
それが隙といえば隙だったのだろう。
そしてジャスティスは頭が悪いためあっさりと忘れていたひとつの事実。
『マスター、本体はそちらではありません』
「まじ?」
そう、その騎士の本体は『本』。
本はいつの間にか騎士の真下から響のすぐ傍に移動していた。
先ほどの舞い上がったコンクリの破片と煙にまぎれて移動したのだ。
『マスター!』
「ちっ!おいそこの中学生!そこをどけっ!!」
ジャスティスの怒号に体が反応する、それよりも早く。
本から飛び出した槍が、秋風響の胸を貫いていた。
「え?」
突然の事に何が起きたのかさっぱり理解出来ない伊佐美。
しかしそれよりも理解出来ないのは響のほうだっただろう。
心臓が完全に貫かれる表現しがたい苦痛と悪寒を確かに感じた。
しかし、彼女は一向に死ぬ気がしていなかった。
どばどばと、まるで蛇口が壊れた水道のようにあふれ出す血液。
口の中が全て血の味に染まっていく。
ゆっくりと振り返る。
騎士の腕が生えている、本体というべきハードカバー。
それに、響は見覚えがあった。
自分ですらすっかり忘れていたその事実に目がくらむ。
「間に合わなかったか、しゃあねえ」
と、次の瞬間、一息に駆け寄ってきたジャスティスの持つ蒼ノ詩によって本は真っ二つに割け、空に散っていった。
ジャスティスと響の距離はざっと見て200メートル以上はあったというのに、ほんの一息で現れたジャスティスに二人とも目が追いつかなかった。
響が槍で貫かれたのと、ジャスティスがそれを破壊したのと、そこまで一連の動作でおそらく三秒なかったと思われる。
その迅速なジャスティスの対応が・・・尤も、この男が本体のことを忘れていたのが招いた事態だったが・・・響の命を救う事に繋がったのだが、それは響も伊佐美もわからなかった。
ほんの数秒。ジャスティスにとっては長い時のようだったが、伊佐美と響という一般人二人にとっては何が起こったのか理解する間もない光矢が如し出来事。
そして、世界は音を立てて崩れ落ち、三人は彩りのある町に居た。
同じ位置、同じ姿勢、同じ状態で突然街中に放り出される。
そこは響が目を閉じ、『その場所』に移動したポイントでもあった。
ギターを構えていたジャスティスの手にそれは無く、傍らにはメイドの姿がある。
そして胸に半径20センチほどの穴が開いていた響だったが、その傷はきれいさっぱりなくなっていた。
響が自分は死ぬのだと理解するよりも早く、傷は消え去っていたのだ。
「・・・・・・・・・はあ・・・・・え・・・・?」
ひざからがっくり崩れ落ち、響はその場にしゃがみ込んだ。
全身から汗が噴出している。確かにわずか一瞬だったが、自分は死んでいた。
そして響の目には確かに見えていた。
灰色の空が崩れ落ち、雲から差し込む晴れ間のように澄み渡っていく蒼の景色を。
「間に合ったか・・・・おいおまえ、生きててよかったな」
ジャスティスが振り返って手を差し伸べる。
突然現れたというのに町を行きかう人々は何も気にしている様子がなかった。
手を取ってなんとか立ち上がり、胸に何度も手を当ててみるが傷は存在しなかった。
まるで最初からそこに傷なんてなかったかのように。
「でも・・・・」
だがしかし、そこではない場所で確実に響はおかしな影響を受けていた。
「消えてませんよね・・・・・『あれ』」
「・・・・・・・・・・わかるのか?」
腕を組み、それから中途半端に開けた青空を指差した。
「見えるんだな、アレが」
「ぼんやりと・・・いえ、これは・・・・」
『左目』だった。
それは半分だけあの白黒の世界のまま、半分は彩りと活気を取り戻していた。
片方ずつ、二つの世界に置き去りにされたように、響の目には世界が映っていた。
片目を閉じればすぐにでも目の前の景色は白黒のものになり、人の姿も消えてなくなる。
同じ要領でその白黒の世界を消すことも容易だった。
そして両目で世界を見れば、それは曖昧な境界線で分かたれていることがよくわかる。
二つは本当にうりふたつだった。同じ、といっても特に問題がないほどに。
だがそれが全く別物だということは響にも理解できた。
「片目だけやられてんな。おまえ、そっちの目は閉じとけ」
「え、あ、はい・・・・・おいしょ」
ぎゅーっと一生懸命に両目を閉じている。
「いや、片方だけだって」
「む、むずかしいです・・・・」
「え?そうか?」
二人は道端で一生懸命片方の目だけを閉じようと努力した。
響はいつまでたっても出来なかったし、何故かジャスティスも出来なかった。
それは別に何か伏線とかではなく、単純に二人のおつむの問題だった。
「・・・・仕方がありませんね。このままでは埒があかない。これを巻きましょう」
フランベルジュの提案は、ハンカチを左目に巻く、ということだった。
丁寧に響の左目にハンカチを結びつけると、世界は彼女がよく知るものになった。
「あ・・・・ありがとうございます・・・・あれ?」
フランベルジュの姿に響は見覚えがあった。
というか本当にメイドであったことに軽く驚愕する。
謎のファッションは世界にいくつも存在するが、それは中でも隋を抜いて怪しかった。
確かに美しくあり、フランベルジュにはそれが似合っていたが、妙な事は変わりない。
「・・・・・・・・・それより伊佐美ちゃんはどうなったんですか?」
ジャスティスと響は元通りこちら側に戻ってこられたというのに、伊佐美の姿だけが見当たらない。
サングラスをかけてポケットに手を突っ込むと、ジャスティスは答える。
「あいつなら『本体』は自宅なんだろ?じゃあ自宅に戻ってると思うぜ」
「そうですか・・・よかった・・・・・・」
「安心しているところ悪いんだが、さっきの吟示はまだこの町にうろついたままだ。このままほっとくとおまえまた襲われるぞ。そうなったらおれもさすがに助けられるかどうかわかんねえな・・・さっきもかなりギリギリセーフだったからな」
「ぎ、ぎんじ・・・・?」
「そう、吟示です。わたくしたち・・・いえ、人類に敵対する敵性思考」
「ま、色々聞きたいこともあるだろうし、そうだな・・・メシでも食いながら話そうぜ?」
ジャスティスは軽快に笑い、それから歩き始めた。
その歩幅は広く、歩くペースは早いので響は走らないと追いつけないほどだった。
しかも響の返事は全く聞かず、勝手に決め付けて歩いていくので手に負えない。
フランベルジュは慣れっこなのか、主の後について歩いていった。
「まま、まってくださいよう!」
「おいてくぞー」
「急いでください」
「ひどい・・・・私まだなんにも言ってないのに・・・・」
こうして三人は近くにあるファミリーレストランに入る事になった。
そして、
「うめえ〜・・・・久しぶりにメシ食った・・・マジ、うめえ・・・・涙出てきた」
ジャスティスは一人でがつがつと大量の料理を平らげていた。
傍らにちょこんと座ったフランベルジュは何も食べずに落ち着いた様子でただずんでいる。
響はそれを口をぽかーんと開けたまま呆然と見つめていた。
その食べっぷりはかなり豪快であり、さっきまでの空気は大分ぶち壊しになっていた。
この店に来店したのが四十分前。一向に本題に入れる気配がない。
どれだけ長い間何も食べていなかったのか、ジャスティスは涙を浮かべて喜んでいる。
もちろん代金を支払うのはフランベルジュだ。
払う金ももちろん彼女が稼いだものなので、ジャスティスはいわばヒモのようなものだった。
フランベルジュはそれはそれで満足しているので、何も文句はいわなかったが、食事などはお金がまとまって手に入らないと難しく、収入にかなりの波があることからたまに今回のケースのように長時間ジャスティスはごはん抜き、といった事態になることもある。
まあ何はともあれジャスティスにとって食べている間は非常に幸せな時間だ。
それを邪魔するのもどうかと思い、響はウーロン茶をストローで飲んでいた。
お昼はとっくに過ぎていたので、丁度ファミレスとしても暇な時間帯のはずだったが、こんな大食漢が現れては休む間もないだろう。
マンガか何かのように山になって並ぶ皿見上げ、恐る恐るタイミングを見計らって響は口を開いた。
「あ、あのおぅ〜・・・・?」
「もぐもぐ・・・・んっ?なんか用か?」
いや、用かではなくて・・・。
「さっきのあのー・・・ぎんじ?とか・・・・灰色空間とか・・・・なんだったんですか?」
「灰色空間とかいうなよ、なんか巨人とか暴れそうだろ」
「え?」
「いやわかんないだろうからいい。で、まあ、どこから説明したもんかなあ〜・・・・・んー」
しばらくスパゲティを口にして考えると、突然フランベルジュの肩を叩き、
「あとは任せたぞ、フラン」
「畏まりました」
投げっぱなしだった。
「とりあえずは先ず自己紹介から。わたくしはフランベルジュ。職業はメイド兼、ギターです」
いきなりすさまじい自己紹介だった。
それでも響はコクコク頷いてなんとか理解しようと勤める。
「こちらは我がマスター、ジャスティス様です。職業は露天商兼、ジャスティス」
「え!?ジャスティスって職業なんですか!?」
「YES」
「え!?」
「それで、貴女の名前は?」
フランベルジュは何も気にせず表情も変えず会話を続ける。
とりあえずここは突っ込むのをぐっと我慢して会話を続けることにした。
そうでないと全く話が進まない。
「わ、私は・・・・秋風響です・・・職業は中学生兼・・・えーと、えーと・・・・」
「特にないのなら兼は付けなくてよいかと」
「はい・・・」
確かにそれもそうだが、なんとなくかっこよく思えたので付けてみたかったのだ。
そんな気持ちがあったことを恥ずかしく思い、赤面する響。
それもまた無視してフランベルジュは話を続ける。
「先ほど貴女が遭遇したのは、吟示と呼ばれる架空存在です」
「かくうそんざい・・・?」
「架空存在です」
「かくうそんざい・・・・??」
響は何度もその言葉を反復してみたが、やはりいまいちぴんとこない。
難しく考えなければ『本来あるはずのないもの』だとわかりそうなものだが、響のおつむをなめてはいけない。彼女の理解力はかなりの勢いでお子様だ。
フランベルジュは話を続ける。
「あれらは、『心理領域』と呼ばれる架空の町でしか活動することの出来ない存在で、あの灰色の町が今回でいう『心理領域』に該当します」
「しんりりょういき・・・???」
「心理領域はその吟示、あるいは所有者によって変化しますが、今回の領域の所有者と吟示はイコールで結ぶ事ができるので、つまり先ほどの空間はあの吟示のものだと言えるでしょう」
「???」
首を傾げた。
フランベルジュの言っていることが全て呪文のように聞こえる。
「貴女があの吟示に狙われる理由はそこにあるわけですが」
「ちょ、ちょとまってください・・・ええと、今整理整頓しますね」
吟示。
異形の存在。本来ありえないもの。騎士。槍。
心理領域。
黒白の町。無人の世界。彩の無い空間。
理解できたのはそれくらいで、響はあとのことはさっぱりだった。
それもそのはずだ。それは頭で理解するものではなく、心で感じるものだ。
そんなこともわからない今の響にそれは伝わらないだろう。
結局説明しても無駄だと判断したのか、フランベルジュは結論だけ簡潔に告げた。
「つまり、貴女はまだあの吟示に追われていて、いつ書換されてもおかしくないのです」
「・・・・・・・・え?」
「貴女の左目は、既にあの騎士の吟示に奪われた。つまり貴女は現在『あっちがわ』と『こっちがわ』の間をさまよっているような状態なのです。その左目が映す世界が消えていないということは、あの心理領域はまだ存在するということ」
そして、と、逃げ場が無い事を告げるように続ける。
「残りの半分も奪い去るため、あの吟示はまた必ず貴女の元へやってくる」
「・・・・・・・・・・そうですか」
おかしなことだと本人もわかっていたが、そこに響は恐怖を感じていなかった。
あの場所に行った時もどこか懐かしさを覚えたくらいだ。
槍で貫かれる瞬間まで、あの騎士が恐ろしいものであるとは思えなかった。
だから、どんな反応をすればいいのかわからない。
いつもそうだった。誰にどんなリアクションをすればいいのか、わからない。
曖昧に笑って、なあなあにして。そんなだから、誰とも仲良くなれないのだと思う。
それに対し、フランベルジュは問う。
「貴女は死を恐れないのですか?」 と。
それに対し、響は答える。
「わかりません」 と。
そして、そんな二人の長々とした会話を聞いていたジャスティスが叫んだ。
「すいません、あとこのメニューにあるの上から半分まで全部注文したいんですけど!!」
と。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
それにはさすがに二人同時にジャスティスをにらみつけた。
突然女性二人から向けられた突き刺さるような視線にジャスティスもさすがにたじろぐ。
「わ、悪かったって・・・・・でも別にそんなの関係ないだろ」
「そりゃあ・・・・ジャスティスさんには関係ないかもしれないですけど」
「いや、違うって」
水を一気に飲み干して、グラスをテーブルに置いて笑う。
「きみのことはおれが守ってやんだから、ぜんぜん関係ねーよ」
そうして子供のように口の周りをケチャップで汚したまま、ジャスティスは笑った。
だからその笑顔にどんな説得力があったのか、はたまた響の知らぬ魔法でもあったのか。
そんなことはわからなかったが、ただ、その笑顔は不思議と心から信じられるものだった。
自分は彼といれば大丈夫だと、そう思える不思議。
それはジャスティスという青年の魅力であったのかもしれない。
何にせよその不思議な男は追加注文の料理を平らげながら言った。
「今日からおれら、おまえの部屋に泊まるから」
「ジャスティスさん・・・・・・」
おまえの部屋に、泊まるから。
「・・・・・・・・・え?今なんて?」
「だから、お前の部屋に泊まるから、おれとフラン」
「・・・・・・・・・えええええええええええええええーーーーーーーーーーっ!?」
響の声が店中どころか店の外にまで響いた。
ちらほらと居た客全てからの冷たい視線が集中する。
思わず立ち上がっていた響はその視線をもろに食らうことになり、顔を真っ赤にしながらおずおずと席に座った。
「なんでそうなるんですか・・・・?」
「おまえ声でっけえな、びっくりしたよおれは」
「はう!」
これ以上ないというくらい顔が赤くなっていく。
見かねたフランベルジュが口を挟んだ。
「先ほど説明したように狙われているのは貴女です。そして吟示はいつでも好きな時に、次は貴女の意思関係なくあちら側に引っ張り込もうとしてくるでしょうから。回線は既に繋がっていますから、いつでも守るためには四六時中行動を共にする必要があるのです」
「そりゃそうですけど・・・・なんか、む、むつかしいこといってだましてませんか?」
「失礼な」
「失礼ですけどお・・・・・だって、いや、やっぱりだめですよう!!」
「何故ですか」
「その人男の人なんですよ!?私一人暮らしですし!!」
「親御さんがいらっしゃらないのであれば説明の手間が省けるので好都合です。それと念のため断っておきますがマスターは胸のない女性には一切興味がありませんのでご安心を」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・何故か涙が出てきたんですけど」
「さて、何故でしょう・・・・はあ〜胸が大きいと肩が凝りますね」
「・・・・・・・・・・・」
二人は何故か引きつった笑顔のままにらみ合っている。
そんな女性同士の会話はさておき、満腹になったジャスティスはすぐさま立ち上がった。
「よしっ!!じゃあ響の家に行こうぜ!おーい!勘定してくれや!!」
意気揚々と歩いていくジャスティスに続き、二人もついていく。
レジに並んで待つこと数分、表示された金額は、
「七万四千八百円になります」
そんなこんなで、ジャスティスを先頭に三人は夕暮れの町を歩いていく。
「あの、それで・・・・」
「おう、どうした?」
「私の家がどっちだかわかってますか?」
「・・・・・・・・・・・いや?」
「え!?何か考えがあって真逆に進んでいたんじゃ・・・・」
「自慢じゃないがおれはものを考えて行動したことはない。常に目的地への確実な到着方法よりも男のカンを当てにする・・・おれはそんなやつさ」
「流石はマスター、目の付け所が違いますね」
二人のよくわからない会話にもはや突っ込みを入れる体力もない。
響の案内で三人は逆方向に歩き始めた。
町に張り巡らされた海洋プラントに続く河川敷を歩いていく。
三人の影が並んで芝生の上に伸びていた。
こうして、ジャスティスと響の二人は出会う事となった。
様々な謎を残したまま、物語は後半へ続くのであった。
「後半ってなんですか?」
「食えるのか?」
「食えません」
つづく!
秋風 響
年齢:15 性別:女 身長:150 髪:黒 目:赤と黒のオッドアイ
心理領域:灰ノ王城 理論武装:???
主人公。いじめられっこ。
ポートアイランドの学区に存在する共同学園の中学三年生。
要領が悪くドジで何をやってもたいていうまくいかない。成績も下の下。
一見表情豊かに見えるが感情の起伏は少なく、本気で笑ったり泣いたりした経験がない。
ジャスティスに遭遇したことにより心理領域を巡る戦いに巻き込まれることに。
特技はどこでも寝られること。食べ物の好き嫌いがないこと。
欠点は機械オンチ。携帯電話すら扱うことが出来ない。
ジャスティス
年齢:20代前半 性別:男 身長:190強 髪:金 目:青
心理領域:??? 理論武装:蒼ノ詩
本名不明の謎の男。コンセプトは『前作の主人公』、『兄貴分』。
真夏でも黒衣に革のグローブと非常に暑苦しいが本人は一切気にしていない。
ビジュアル系だが基本的に出不精。働かないし食っちゃ寝しているのでニートとか言われる。
やたらと図体がでかく、そもそも日本人ではない。生まれはロシア。育ちは日本。
単独で世界を旅し、吟示を討伐し続けているがその存在は謎に包まれている。
ノリと勢いで物事を進めるのが大好きで、手先はなぜか妙に器用である。
歌とアクセサリ作りが趣味であり、あらゆる事を楽しむ人格の持ち主。
フランベルジュ
年齢:十代後半 性別:女 身長:160 髪:蒼 目:蒼
心理領域:なし 理論武装:なし
メイド。
響よりいくらか年上らしいが体つきはかなり響を上回っている。
かなりふりふりなメイド服を着ているが本人が相当細いので異常に細く見える。
人間というよりは人形に近い外見で、およそ想像出来る美の極限に位置する。
常人離れした身体能力と駄目なマスターでも完全にサポートできるご奉仕パワーを持つ。
しかし人格には難ありで時々理解不能な行動を取ることもある。
なぜか響には微妙に冷たいこともあるが・・・・。
趣味は読書。主のために働くこと。
近藤 伊佐美
年齢:15 性別:女 身長:160 髪:黒 目:黒
心理領域:なし 理論武装:なし
響の親友。
陸上部に所属する短距離スプリンター。
運動神経は人よりも高いが、世界一とかいえるほどではない。
頭は悪いが気は強くいじめられっこである響に何かと世話を焼きたがる。
名前はみんなテキトーに付けてるけどこの人は本当にテキトーにつけた。
最初は『宇佐美』だったけど『うさみみ』みたいだからやめた。
響を親友だと想い、信じている。
特技は超スピードつっこみ、走ること。
嫌いなものは計算と自分勝手な人間(自分を除く)。




