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死後も現世でゾンビやってます  ―三種の神器をもらってハイスペックゾンビな俺―  作者: 七詩のなめ
ハーレムって嬉しいものじゃないの? めっちゃ悲しいよ?編
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物語は図らずとも進行する

読んでくれると嬉しいです。

 俺、御門恭介は高校生の貴重な昼休みを馬鹿に捧げたあと、直で教室に戻ると、何故か校長室に行くように命令――言われたのだ。

 散々愚痴りながらも、俺は命令――言われた通りに校長室の前に着くと当て付けのように深い溜息をついていやった。


「失礼――しま、す?」

「先輩。前にも言いましたよね? ノックをしてくださいと」

「恭ちゃん。ドア、閉めよ?」

「恭介……アンタ、ホンット変態ね」

「……」


 校長室のドア(多分)を開けると、そこには二人の美少女と美幼女が仲良く着替えていた。

 バッと、廊下に飛び出し部屋のプレートを見る。

 うん。確かに校長室だ。間違っても更衣室じゃない。

 これにより、何が言えるか?


「え? 何? お前らそういう趣味なの?」


 俺が導き出した答えは女の子四人による変態行為だった。

 まあ、当然。その後蹴るわ、殴られるわ、刺されるわ、されましたよ。はい。

 ちなみに、薙だけはずっと首を傾げて佇んでいた。

 ボコボコにされたあと、俺は校長、神崎の婆さんの登場を待って、縄に縛られていた。


「ほほぅ。お主、縛りプレーというのが好きなのかのぅ?」

「おい、ババァ。意味が違う意味が」

「はて? 縛られるのが好きなんじゃないのかのぅ?」

「ババァ、わざとだろ?」

「カッカッカ! 当然じゃ!」


 俺は何度繰り返したかわからない問を今一度問う。

 俺の周りに普通はないの?

 まあ、当然のごとく答えは出なかった。


「んで? 今日はなんで呼ばれたの? 真理亜が何かやらかしたわけ? それとも、真理亜が嫁入りするの?」

「なんで私だけなんですか!? 先輩のほうがめちゃくちゃな事してますよね!?」

「え~? 俺な~んにもしてないけど~?」

「もう一度刺されたいですか?」

「マジすみません」


 本気で謝る俺に、綺羅は若干笑い。クロエは呆れていた。

 神崎の婆さんは、それを見て何故かため息を着く。


「今回、貴様らに集まってもらったのはほかでもない。今、他国の神話体系が――」

「あーあー。俺は何も聞こえない!」

「何をしているのじゃ?」

「テメェ! 俺がめんどくさいの嫌いだってこと知ってんだろ!? そんなこと俺はしねぇ!」

「ほう。もう情報が入っていたのか。それは好都合じゃ。何、この面倒を収めれば、成績を免除してやろう」

「ふっ、浅はかだな。俺がその程度で釣られるとでも?」

「今なら、真理亜の胸もみ放題もつくぞ?」

「マジ……釣られないぞ? 俺はそんなことじゃ釣られ――」

「お風呂も一緒に入れるぞ?」

「……」


 少し。本当に少しだけ、その条件いいかもと思ってしまった俺がいた。

 いや、しょうがないでしょ!? 真理亜は中学生だけど、中学生らしからぬ胸とか胸とか胸あるしさ!

 ……え? 真理亜が中学生だって初耳だって? 知るかよ~。うちの学校中高一貫なんだよ~。そりゃ中学生もいるだろ~?

 ということで、俺は早々に校長室を出る準備をする。

 といっても、振り返ってドアに手をかけるだけだけど。


「待て。今なら、真理亜の素晴らしい太ももを枕にできるぞ!?」

「それは正直嬉しいが、答えはただ一つ――――だが断る!!」


 俺の未練タラタラの気迫に神崎の婆さんが若干引いた。

 目から流れる青春の汗を拭い、俺は校長室のドアを引く。


「今ならもれなく薫も――」

「そろそろ、私たちを交渉材料にするのやめてくださいよ、おばあさま!」

「しかしじゃな! やつでなければ、あいつらには勝てんのだ!」


 俺はドアを引いて、体は外に出さずに、振り返りもせずに静かに言った。


「誰も、助けねぇとは言ってねぇよ。もし、俺の日常に踏み入ってくる異物がいるのなら全力で排除する。俺の麗しき夢を汚すものは、全身全霊丹精込めてお帰り願おう。安心しろ、俺の平穏は誰にも壊させねぇ」

「それは、協力するということでいのかのぅ?」

「協力じゃない。これは、俺の義務だ。怪物としての、存在理由だ」


 それだけ言い残し、俺は校長室を後にする。

 ふぁっと小さくあくびが出て、目に若干の涙が出る。それを拭って、青い空を見上げて一つ呟いた。


「まあ、面倒事は来ないことに越したことはないんだけどな」


 俺が向かわせた一つの布石がどこまで有効なのか、むしろ無効になるのか。それを判断するため、俺は結果が出るまでの時間を蝕むことにした。

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