能力の暴走にご注意を
今回は非常に短いです、マジですみません!
それでも、読んでくれると嬉しいです
一瞬、先輩が叫び、眩い光が輝いたかと思うと、次の瞬間には先輩は神を相手に圧倒していた。
先輩は光速に近い速さで神、スサノオに近づき左肩を狙って攻撃を加えた。
「グッ……何、これくら――」
脱臼したらしい左腕を支えながら話しているスサノオに先輩は容赦なく廻し蹴りを加える。
すると、スサノオは家の壁まで吹き飛び、壁を破壊しながら家の中に侵入した。
「せ、先輩……?」
「見ないほうがいいですよ? それより、綺羅さんの怪我を何とかしないと」
「あのままにしていいのですか?」
「ええ。神が一人、消えるだけですから」
静かに言われたその言葉の重さに、私は身震いした。
神を殺す。つまりは神殺し。それは、人類がやってはいけないことの一つだ。
神を殺すということは、災厄を呼び込むこととなる。だから、神殺しはしてはいけないのだが。今の先輩は、少なくとも神を一人殺せる力を持っているらしい。
「クソッ。ふん!」
勢いをつけて、瓦礫をいくつか投げるスサノオ。
しかし、先輩はそれを丁寧に避けて、最後の一つを蹴りスサノオの肩の命中させる。
「がああ!!」
蹴り返された瓦礫が刺さったスサノオは苦悶の声をあげる。
だが、先輩は止まらなかった。再び光速で近寄り、瓦礫が刺さった部分に蹴りの強打を加えたのだ。
「あああああああああああ!!!」
これにはスサノオも蹲って地べたに這いつくばる。
それを見た先輩は、スサノオを髪の毛を鷲掴みして持ち上げたかと思うと、思いっきり地面に叩きつけた。
「がっ」
地面に叩きつけた頭目掛けて、先輩はかかと落としをする。
すると、スサノオの頭は地面にめり込み、完全に静止した。
「死んだ……んですか?」
一部始終を見てしまった私は、先輩の行動に血の気が引いた。
あんなに手際よく神を殺すことが、できるのだろうか。いや、そもそも、あれは先輩なのか?
色々と考えができたが、どれも結論には至らない。
しかし、その中でもひとつだけ確かなことがあった。
「グルルルルルルルル」
あれは、先輩ではない。怪物だ。