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もうすぐ春ですね、かなりサボってみませんか?

読んでくれると嬉しいです

 陽気な陽射しに、気持ちのいいそよ風が頬を撫でるこの季節。眠くなるのはもはや人間の性ではないだろうかと思う今日この頃。皆さんはどうお過ごしでしょう?

 俺は、過ぎ去った悲しげな春休みを惜しみながらも、泣く泣く高校に登校して、校長先生の人生のタメになる話(笑)を聞きながら、ウトウトとしていますが、何か?

 さっきから、担任の先生の視線が厳しいのは気のせいだろうか? かなり、俺の方見て死ねのポーズしてるんですけど?


「え~。ですからして~で。ですからして~で」


 ホント、校長ってこう話長いだろうな。いつもわけのわからないことを言い出すから、こっちが眠くなってしまうことを考慮して欲しい。

 でないと、後で俺が担任にボコられる。

 あれって生徒指導超えてるよね? もはや暴力の域ですよね?

 はあ、と小さくため息をすると、再び担任に睨まれた。

 もう、そんなに俺のことが好きなのか、中二病担任は。ハッハッハ……。


「はぁ……」

「どうしたよ、問題児くん? 俺の顔を拝みたくなったのかい?」

「……はあ」

「なにその意味ありげなため息は。俺だよ、フレア・フレイだよ?」

「なあ、お前。なんでここにいるわけ? 馬鹿なの? 死ぬの? いっそ死んじまえよ……」

「嫌だなぁ。そんなに褒めるなって」


 駄目だ。早く何とかしないと……。

 俺の目の前でバカなことを言っているイケメンはフレア・フレイ。火を操る神様をパートナーにするいけ好かない馬鹿だ。とにかく馬鹿だ。

 こないだも邪魔をしてきて、危うく北半球が吹き飛ぶかもしれなかった。……いや、あれは俺のせいか? まあいいや。

 そして、なぜそんな危なっかしいやつがこんなところにいるかだが、簡単だ。こいつ、俺が通っている高校を調べ上げ、留学という形で俺のクラスに入ってきやがった。

 ちなみに、クラス分けはまだ生徒には知らされていないため普通の人は知らないのだが、俺はいつもいつも事件に関係しているため、なぜか事前に知らされていた。その中に、このいけ好かない奴の名前もあったというわけだ。


「で? どうだい? 俺に会えて嬉しいだろ? もっと喜んだらどうだい?」

「お前って本物の馬鹿だったんだな。呆れすぎてものも言えないぞ?」

「何を行っているんだい。既に言葉を言っている時点でものを言えているだろう? 君って、ほんと馬鹿なだなぁ。ハッハッハ」

「……死ねばいいのに」


 ただでさえ、イケメンと話すのがいけ好かないのに、相手がこいつだと一層面倒かつ面倒だ。

 誰か、こいつを汚い花火にしてくれない? ねえ、至急誰かこいつを消し飛ばして?

 そんなこんなで、校長の話を無視しながらフレイと話をしていたら、式は終わりクラス分けになった。

 事前に知っていた俺は、自分のクラスに向かう。その後ろに、フレイがニヤニヤとついてくるが完全に無視していた。


「よいしょっと」

「ふふん。ここがクラスかぁ。でも、なんで日本はみんな同じ服で学校に通うんだい?」

「そういう仕来りなんだよ。通うからには我慢しろよな」

「やっと反応してくれたね。いやぁ、我慢は良くないよ?」

「もう、何に対しての我慢かは聞かん。ただただ、死んでくれ」

「熱い挑戦状だね!」

「なんで嬉しがってんの? Mなの? マゾなの? マゾヒストなの?」


 なんでだろう。フレイと話すなら、綺羅に追いかけられたほうがマシな気がしてきた。まあ、マシなだけで綺羅に追いかけられるのは嫌なのだが。特に包丁を装備した綺羅にだけは追いかけられたくない。死ぬ。

 しばらくそんな馬鹿な話を続け、気が付けばホームルームが始まっていた。


「担任の武林だ。まあ、一部のバカは中二病先生とか言うが、言ったらマジで消すぞ?」

「中二病先生、それって物理的にですか? 精神的にですか?」

「どっちがいい?」

「……はいすみません」


 面白半分で質問した男子生徒が返答にマジで引きながら、頬も引き攣らせながら青い顔で席に着席した。

 なあ、なんで俺のクラスの担任あんなんの? いじめだよね? 神崎の婆さんの嫌がらせだよね?

 俺は神崎の婆さんに催促を決意して、くだらない話を聞いていた。

 すると、


「恭介。お弁当忘れてるよ?」


 教室のドアが急に開き、普通高校にはいてはいけない幼女が姿を現した。

 自称魔法使いの魔女クロエだった。

 クロエを見た瞬間、俺は頭を抱えた。


「なあ、クロエ。俺、家を出るときなんて言ったか覚えてるか?」

「え? 家を出るな。出ても、高校にだけは来るなでしょ? でも、お弁当……」

「今日はいらない日なの! それはお昼に帰って食べようとしてたの!」

「え……じゃあ、アタシ……まあ、学校で食べればいいじゃない」

「落ち込みから復活早いな!? ……はあ、わかった。わかったから早く帰ってくれ……」


 キョトンとした顔をして、クロエは俺の顔を見て言葉を続けた。


「なんで?」

「ここは高校だからですけど!?」


 常識知らずの幼女に俺が丁寧に教えてあげていると、問題が起こった。

 悪魔が、再誕した。


「ねえ、恭ちゃん……これはどういうこと?」

「ねえ、綺羅さん……なんであなたがこの教室に? あなたのクラスはお隣のはずでは?」

「口答え?」

「頼むから包丁を片手に脅すのやめてくれない!? マジでちびるよ?」

「大丈夫、きゅうりは丁寧に切り落としてあげるから」

「うん。ちょっと意味がわからないな。でも、どうやら綺羅は頭がダメならしい。いい精神科を教えるよ? 知らないけど」


 突如として現れた綺羅により、俺はパニックに陥る。

 しかし、そんな中にも救世主が――


「先輩……え? 綺羅さん? どうしてここに? クロエさんも」

「あ、真理亜ちゃん。聞いて? 恭ちゃんがね、真理亜ちゃんのスリーサイズを聞いてきたの。だから、私が懲らしめようとしてたんだ」

「……先輩?」


 いなかった! 救世主なんてものは存在しませんでした!

 俺は早々に逃げる準備のため、カバンを背負っていた。

 そして、新クラスのみんなに顔を見せ、


「9番、御門恭介です! 時々、いや多分毎日おかしい奴らに追いかけられてると思うけど、仲良くしてね! じゃ!」

「あ、恭ちゃん!!」

「恭介! お弁当!」

「先輩ぃ!!」

「ひぃ!」


 簡単な挨拶をして、学校マラソンをし始めた。

 後ろから聞こえるのは、三人の恐怖を奏でる合唱と、フレイの大笑いだった。

 新学期、新クラス、新学年。変わりゆくものはあるけれど、きっと俺のこの生活だけは変わらないんだろうなぁっと思っている今日一日。

 俺、御門恭介は今日も今日もで、三人の女の子から逃げ回っておりますよ、はい。


「いい加減にしてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええ!!!!!!!!!」

始まりましたよ、新学期! 皆さんはどうお過ごしですか?

学生の私はもちろん新学期ですけど、社会人の方はどうですか? もっと早くからお仕事ではないですか?

御門恭介はあいも変わらずおかしい学園生活を送っていますが、何卒今後もよろしくお願いします。

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