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かくして、俺は平穏な学校生活へと身を投じる

今回は短めです。すみませんm( _ _ )m


読んでくれるともれなく作者が発狂します。

 つまらない授業、くだらない理論を話す数学教師を見ながら、俺は快感を覚えていた。

 普通、こんなことで幸せを感じる人はいない。しかしだ。普通じゃない生活を送ってきた俺にとってこう言った普通なことは重宝、または重要視される。

 正しく、これこそが俺が求めていた平穏! アイラブ平凡! ウェルカムテゥ平和!!

 と、俺が心の中で歓喜の叫びをあげていると、


「おい、御門……熱でもあるのか?」

「ナーニを言っているんですか。俺は見ての通り快調ですよ?」

「いや。何でもないならそれでいい。しかしだな、もし無理をしているならすぐにでも保険室に行くんだぞ? いいな? 行けよ? 今すぐにでも言ってくれないと、俺は一体どういう態度をすればいいのかわからん」

「? マジで何言ってるんですか? 俺はただ、勉強ができるのがうれしくて――」

「それだよ! なんでお前が真面目に授業受けてんだ! おちょくってるのか!? お前は新たな嫌がらせでも決行してるのか!? お前が真面目な顔で、嬉しそうに、教科書を見ている姿なんて見たくない!!」


 この教師は俺を馬鹿にしているのか? それとも心配しているのか? どちらにしろ、この言葉はいけないんじゃないかと思わせるのは気のせいだろうか?

 いやね? 俺も真面目じゃなかった人が真面目になったら不思議に思いますよ。でもね? それは喜ばしいことじゃないんですか? そんな言葉を吹っかける教師が本当に教師をしていていいんですかね?

 俺は口をへの字にして、教師の暴力としか取れない嘆きの声を聞く。


「そもそも、そもそもだ! 御門、お前この頃おかしいぞ!? 学校に幼女連れてきたり、女とイチャチャしたり、夜はもっとすごいらしいじゃないか! うらやまし――学生としての生活はちゃんとできてるのか!?」

「できてますよ! そりゃあもう、できまくってますよ!」

「赤ちゃんが、か?」

「勉強だよ、クソ教師! 何、顔赤くして意識してんだよ! お前の頭の中は幼女だけか!? なあ、幼女だけなのか!?」

「違う! 可愛ければ男も行ける!」


 瞬間、教室の男子女子共に無言で机ごと三メートルほど下がってきた。

 それを見た教師はごほんっと咳払いをしてから真面目な顔になり、俺に言う。


「とにかくだ。お前の私生活はうらやま――まずい。男子にとっても、女子にとってもうらやま――まずい」

「もう、羨ましいって言えよ……」


 数学教師、確か名前は武林は決して本心を口に出さずに態度に出して、愚痴をグチグチと吐き出してきた。愚痴だけに。

 ……ごほんっ。ということで、武林の愚痴のせいで麗しき授業が終わり、休み時間。小腹が減ってきたが昼休みに地獄の弁当ラッシュがあるためこれくらいの腹の減り具合がちょうどいい。

 だが、腹が減っていることに変わりはないので流石に元気がなくなってくる。


「やあ、ライバル君」

「誰がライバルだ、誰が」


 こういうタイミングに至って普通に話しかけてくるのは知る限り一人しかいない。フレア・フレイだ。

 フレイはにこにこと気色悪いイケメン顔を振りまきながら俺に話しかけてきた。


「元気がなさそうだと思ってね。なんなら俺が相談に乗ってあげてもいいよ?」

「お前に相談することは一生ないから安心しろ」

「つれないなぁ。俺たちは一生に戦いあった戦友だろう?」

「お前、さっきライバルって呼ばなかった? いつから仲良くなったの?」

「ライバルは永遠の親友さ!」

「ドヤ顔で言われてもな……」


 普段と変わらず、意味のわからないやつだ。

 フレイは近場の椅子に腰掛け、尚も話しかけてくる。


「そういえば、また君は面白いことに首を突っ込んでいるみたいだね」

「情報が早いなぁ。誰から聞いた?」

「タナトス」

「よーし! あいつ、帰ったら殺す!」


 俺はタナトスのこれまでの行為のお返しと言わんばかりに固い決意を胸にしまった。

 その後も何事もない話をした。

 やれ昨日の飯はうまかっただ、昨日の炎上は楽しかっただ、と平凡……ちょっと待て、最後のはまずくないか? 何が炎上した? なあ、何を炎上させたんだよ。


「お、チャイムが鳴ったね」

「おい待て。何を炎上させた? お前は一体何をしでかした?」

「あはは。大丈夫、ニュースになってなかったから死人はいなかったよ」

「それって事故として認識されたからじゃないのか? おい待て!」

「じゃ、俺は自分の席に戻るよ」


 そう言って、フレイは逃げるように自分の席に向かって歩いていった。

 俺はというと、フレイの業に少しばかりの焦りと不安を覚えながら冷や汗が頬を伝うのを感じていた。

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