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私、古山 紫苑は驚いてしまった。
『水城 和葉』この子は素質が有りすぎる...と言うよりも、『天才』としか思えない程、どの楽器も弾きこなして...自分の体の一部みたいに弾いて、綺麗な音色を出していた。
クラリネットは丸みがあって暖かい音色を、フルートでは清らかで澄んだ音色を...
彼女はずっと前から自分の一部で弾いた事があるような...慣れた手付きで楽器を弾いていた。
音楽室に行く時に、和葉ちゃんに『楽器を弾いた事がある?』と聞いた時に彼女は
『弾いた事無いです、聞いた事はありますけど...』と答えていたなのに和葉ちゃんは楽器を慣れた手付きで弾きこなしている...
私は、詩織とアイコンタクトをして頷きあった。
...彼女なら、『金と草花のフルート(リンティディア•フルート)』...
私達の先輩達でも弾けなかった十二星座の乙女座の武器だった楽器を弾けるのでは無いか、と思った。
私達の吹奏楽の世界には十二星座の十二の楽器、と言う物がある
双子座の楽器『風と氷のクラリネット(ウィンドアイス•クラリネッタ)』に
蟹座の『銀と水のホルン(アルミリアウォン•ホルンッテ)』等...
色々とあるのだが、十二星座の楽器は『楽器自身が弾く人を選ぶ。』と言われていて、今の今まで誰も乙女座のフルートの弾き手...持ち主が居ないと言う状態になっていたのである。
奏風君は、『獅子座の炎と雷のトランペット(ファイアボルト•トランペッタ)』の弾き手に選ばれて所有者になっているけど...
もしかすると和葉ちゃんが乙女座のフルートの弾き手に選ばれるのでは無いかと、何となく私の直感がそう感じて居た。
私は急いで準備室の奥から、乙女座のフルートを取り出して...彼女に手渡たした。
フィールドの中でフルートを弾いてみて? と言って、吹かせてみた、そうすると...
フルートは光を出して輝いて、フィールドの中で...草花達が蔓や蔦、茨等を出して
まるで、和葉ちゃんの事を守るように彼女の周りを囲んで居た。
それと同時に、和葉ちゃんの服も乙女座のような服装に変化していた。
首襟には花と葉が刺繍されていて、ビスチェの様なシルエットがはっきり分かる上に下は黒色で2つに別れたスカートに短パン、編み上げのブーツを履いていて漆黒の髪の毛は降ろされて銀色の髪飾りで横を留めている...
乙女座の化身の様ににしか見えない和葉ちゃんがフィールドの中に居た
乙女座のフルートは乙女座のマークを象った飾りが付いた長い棒に変形していた...
棒には蔦と茨が巻き付いていて、棒の飾りの乙女座のマークには中央に桜色の綺麗な石が嵌めてあった。
その武器を持った、彼女は女の私でさえ...見惚れてしまう程綺麗だった。