3
あぁ、此処が奏隼学園!
私は春に『奏隼学園に行きたい!!編入試験のついでだから!』と言ったから、連れて来て貰ったのだ。
勿論、桜子さんと奏矢さんが良いよと許可してくれたので私服で春と一緒に登校した......んだけど、お邪魔が入った。
「よ!春!!って、まさか隣に居るのは春の彼女か!?」
騒いでいるのは、春の幼馴染の岬 瑠衣...名前は女ぽいけど正真正銘の男である。
「...行こうか、和葉!コイツは放っておけば良いからな?」
春が苦笑いしてから言って、私の腕を掴んで走った。
流石、隠れ運動部の吹奏楽部!! 走る速さが速い!そして、体力も有るな!と思いながら、春と走った。
そして、奏隼学園に着いたのである。
「此処が奏隼学園..!凄く綺麗な所だね...」
「そうだろ! そんじゃあ、校長室に案内するな!」
学園の中は、凄く広くて...大きかった。
私は春に連れられて3階まで行き、校長室に着いたのだが、春は吹奏楽の朝練に遅れるからと言う事で行ってしまったのだ。
物凄くドキドキするけど...行こう!
そう思って、ドアをコンコンと叩き...失礼しますと言って私は中に入った。
中に入ると....校長先生が椅子に座っていて、校長先生は柔和な感じで...優しそうな人だった。
「おぉ、済まないね...私は奏隼学園校長、奏雪 学と言う。
宜しく...で、君が...水城 和葉ちゃんだね?」
私は直感的に、この人は....もしかしてと思った。
聞こうか迷っていると、校長は転入手続きの紙を渡してくれて記入欄の説明等をしながら、書類の記入を手伝ってくれた。
校長は私の模擬テストの結果と書類を見て、驚くような事を口にした。
「フム....君は、2-S、つまり....最高クラスのS組に入って貰う!」
私はポカァンとしてしまった。
この学園には....最高クラスのS組から最低クラスのGまであるらしく、
S組は成績が三十番以内の人や才能のある人以外...入れないクラス、らしい(春の情報)