読む、という事
初めての投稿です。
現実はきたない
虚構はきれい
教室は戦場
図書室は安全地帯
廊下を銃弾が飛び交う
硝煙と、血の匂いが漂う
手首に被弾する
痛い、血が流れる
あざやかな紅の傷が刻まれる
図書室のドアを開ける
書庫に逃げ込む
本を手に取る
そして読む、ひたすら読む
現実の私が音を立てて壊れていっても
現実の世界がどれだけ醜さを増しても
現実というものが何なのか、わからなくなっても
構わず、読む、そして読む
埃っぽい
図書館の奥の、どこかで
古びた紙の
インクの
匂いにまぎれて
いつしか現実の私は
水を足したスープのように
薄く、薄くなって
音もなく、蝋燭の火が消えるように
現実の世界から、ふっと消えてしまうのです