ごめんなさい/ありがとう
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いつからでしょう。
貴女にこんな感情を抱くようになったのは。
貴女と毎日会わなくなってから?
ーーーいいえ。
貴女と毎日話さなくなってから?
ーーーいいえ。
貴女に告白されてから?
ーーーいいえ。
きっと、気づかなかっただけで最初から。
私は、貴女と生涯を共にしたいと思っていたのでしょう。
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貴女と初めて会った時。
ただの友人の友人の友人の関係で。
それを思えば奇跡のような出会いだったと今になれば感じてしまって。
貴女に出会えたことが何よりの幸せです。
全ての嫌なことが忘れられるくらいに貴女との会話は楽しくて。
ほんの数十分の時間があの時の私の生きる糧でした。
だからこそ私は思ってしまうのです。
私と出会ってしまってごめんなさい。
私なんかが引き止めてしまってごめんなさい。
貴女と出会ってからの人生の方が長くなってしまうこれからだからこそ、私はそんな風に思ってしまうのです。
貴女と少しでも長く過ごしたくて。
一緒に行こうと誘った進学先。
私も楽しんでいたのは事実です。
けれど、貴女のことを無理矢理に引き込んではいなかったでしょうか。
私のわがままに貴女を付き合わせてしまったのでは無いでしょうか。
そんな風に考えてしまう夜もあるのです。
貴女と出会ってから四年半。
貴女の方から私に告白してくれました。
文章での一言であったけれど、貴女はどれだけの勇気を振り絞ってくれたのでしょう。
私はそれに丸一日気づかずにいて、貴女が翌日くれた連絡でようやく気がつきました。
その前から私は貴女に常々言っていたと思います。
恋が、愛が、恋愛感情というものが私には分からないのだと。
漫画や小説といったフィクションのようなものなら理解出来るが、異性に対してそのように思ったことが無いのだと。
その時貴女はどう思っていたのでしょうか。
いつから私なんかにそんな感情を向けてくれていたのでしょう。
どんな感情で私の言葉を聞いていたのでしょう。
私がそれを考えるようになったのはずっと後のことです。
貴女の告白に、私は遅れて返しました。
私には恋愛感情は分からない。
でも、貴女とはこれからも末永く共に居たいと思っていると。
今思うとなんて身勝手な思いでしょう。
貴女の思いに正面から向き合うのが怖かったのです。
この心地良い関係を壊したくなかったのです。
それでもいいと貴女は言ってくれました。
私はそれに安堵しました。
私が自覚したのはきっとこの時なのでしょう。
貴女のことを手放したく無いと、そう感じたのは。
それからも特に関係性は変わりませんでした。
恋人らしいことをする訳でもなく。
親友以上恋人未満の関係のままで。
私は何度も不安に駆られました。
あの時の告白は嘘だったのだと。
他に好きな人が出来たのだと。
貴女から伝えられるのが何よりも恐ろしかったのです。
告白される前は、いえされた後も私はこう思っていました。
貴女が私では無い他の誰かとお付き合いをして、結婚するのを想像して。
おめでとう、と私は笑顔で笑うことが出来るだろうと。
それが出来なくなっていました。
一体いつからなのでしょう。
私には分かりません。
貴女と共に在りたいと。
私を捨てないでくれと。
そう醜くしがみつくことが出来たのなら。
貴女はそうしてくれるでしょう。
だって貴女は優しいから。
私の望みを切り捨てることなどしないのです。
だからこそ私にはその手段を取ることが今も出来ません。
そうしてしまうのが1番楽なのに。
この感情をなんと呼べば良いのでしょう。
恋と呼ぶには醜く。
愛と呼ぶには重く。
執着や依存と呼ぶのがきっと正しいのでしょう。
今日も私は貴女からの愛の言葉を返すことが出来ずにいます。
ごめんなさい、私なんかを好きになってしまって。
ごめんなさい、待たせてしまって。
ごめんなさい、貴女を縛り付けてしまって。
貴女はそんなことは無いと、気にしなくて良いと言ってくれるでしょう。
手を伸ばせば抱きしめてくれて。
私が泣けば頭を撫でてくれて。
無償の愛を、ありったけの慰めの言葉をくれるでしょう。
だからこそ私は考えてしまうのです。
私は貴女の望む感情を与えることが出来ないのに。
この国では法の上で共に在ることが出来ないのに。
私なんかが貴女を待たせてしまっても良いことなど無いのに。
なぜ、私なんかに愛してると言ってくれるのでしょう。
私が捻くれているのは自覚しています。
全て貴女に吐露してしまえば良い話だということも。
それでも私には出来ないのです。
貴女に捨てられてしまえば。
貴女に見限られてしまえば。
貴女に負の感情を向けられてしまえば。
きっと私は立ち直ることが出来ないでしょう。
貴女の前では私の思う理想の私でいたいのです。
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だから、ここで吐き出させて欲しいのです。
ごめんなさいと同時に、それ以上に貴女に伝えたい感情を。
私を待ってくれてありがとう。
待たせてしまってごめんなさい。
これからも一緒に居てください。
この感情に名前をつけるとこは出来ないけれど。
きっと綺麗な感情ではなくて、醜い執念だろうけれど。
それでも、私はーーー貴女のことを愛しています。
ずっと私なんかを、私を好きでいてくれて。
何回も愛してると伝えてくれて。
ありがとうございます。
こんな駄文を最後まで読んでいただきありがとうございます。
いつかまた感情が整理しきれなくなったら書くかもしれません。