最近流行りのドアマットヒロインに転生しました
これが本当のドアマットヒロインだ!!!
※何も考えずにお読みください
「アッ!!!いい!いいよ、いいよ!さすが悪役令嬢!踏みつけ方さいっこう!!!」
「もう!いちいち気持ち悪い事言わないで下さる?!!」
「あぁっ!!そのギリギリと怒りを込めた踏みつけ!クセになるぅぅぅ!」
キャピキャピの女子高生だった私は転生した。
今をときめくドアマットヒロインとして新たな人生を歩み出したのだ!
公爵家の玄関に敷かれているドアマット。それが今世の私の姿である。
ここはとある乙女ゲームの世界。悪役令嬢であるエリザベスが、いま私を踏んでいるお嬢様です。
「もうすぐルーカス様が迎えに来て下さるのよ!黙っていなさい!」
「はぁはぁ…美人に踏まれるなんて…ドアマット人生サイコー!」
「……朝から疲れたわ。ねぇセバスチャン…どうにかしてちょうだい」
エリザベスお嬢様は側に控えていた執事にゲッソリとした表情で声をかけた。
執事、セバスチャンは良い笑顔で即答する。
「それは無理ですお嬢様」
「チッ…使えない執事ね…」
「ああっ!舌打ちしながら踏んで下さい!はぁはぁはぁ」
この国の王子であるルーカスが私を踏みながら登場した。
「エリザベス、迎えに来たよ」
「コイツの踏みつけ方は駄目だね、ダメダメのダメ!マイナス300点だわクソ王子」
「ハハハ、何か幻聴が聞こえるよ…」
「ルーカス様っ!申し訳ございません我が家のドアマットが…」
「このドアマット、どうやったら処分できるんだい?」
残念だったなクソ王子。私は強化魔法で引っ付いてるから簡単には剥がせねぇんだわ!ざまぁ!!!
「家の使用人もどうにか処分しようとしているのですが…なにぶん剥がすことが叶わず…燃やすのもダメしでしたの…」
「そ、そうか…取り敢えず学校へ行こう。遅刻してしまう」
クソ王子がそう良いながら、エリザベスお嬢様の肩を抱いて出かけて行きました。
クソ王子そこ代われ。
「なぁ、奈緒子…お前少しは黙っといた方がいいんじゃね?」
「やだよ。つまらないじゃん。せっかくのドアマット人生楽しまねぇと。兄ちゃん真面目すぎるよ」
セバスチャンこと前世の兄は、イケメンに生まれました。勝ち組だよよかったね!
お嬢様に恋してるけど、たぶん結ばれない。ゲームと違って王子とお嬢様は仲良しだから。
「はぁ、何処かに巨乳のツンデレ娘転がってねぇかなぁ…そんで俺の事デロデロに甘やかしてくれる…嫁…どこだよ嫁」
「うっわ兄ちゃんの性癖とか知りたくなかった」
「おまいう?俺こそ妹のヤベェ性癖なんぞ知りたかなかったぜ」
しばし沈黙が訪れる。
「…仕事しよ…」
兄ちゃんはそう言うと玄関から去っていった。
この人生の欠点は玄関から動けない事である。
「はぁ、お嬢様はやく帰ってこないかな〜」
帰って来たらたくさん踏んで貰わなきゃ!
何だかんだで毎日が楽しいドアマットヒロインでした。
なんと!!最後まで読んでくれたんですか?
こんなしょうもない話を…ありがとうございます!!
奈緒子「もしかして同志…?」
セバスチャン「お前の性癖は中々いねぇよ?」
※他の作品はもう少しマトモです。
この短編だけちょっとおかしい♡