05 情報収集
アンネマリー様に誘われたパーティーについての情報収集を始めました。
パーティーまでには日数がありますので、彼女の面子を潰さないためにも準備が必須です。
私は、セリアと一緒に『作戦会議』を始めました。
「カレン、貴方が参加する予定のパーティーなんだけど、調べてきたわ」
「ありがとう、セリア!」
セリアは、こういう情報をあっという間に聞いてきますので、本当に助かりますね。
「まず、参加者はルシウス殿下。そして、その側近のアラン様とクラブ様。この3人が中心よ」
「アンネマリー様も何か、そういう事を言っていたわ」
「パーティーは、この3人の『婚約者』を見繕うために開かれるらしいの」
「ええ!?」
殿下たちの婚約者!
「どうして、そんなパーティーに呼ばれたの、私?」
「可愛いから、じゃないかな。あのね、カレン。アンネマリー様なんだけど……」
「うん」
「彼女、元々は、ルシウス殿下の婚約者『候補』だったの」
「そうなの?」
「うん、幼い頃に王家から縁談があったみたいなんだけど……。公爵家がお断りしたんだって。理由とかは明らかになってないみたいだけどね」
「そうなんだ」
でも、公爵令嬢で才女だと幼い頃から分かっていたのなら当然かもね。
「その縁談が、なかった事になった後、ルシウス殿下の婚約は先延ばしになったの。それが今回、殿下が学園に入学したのを機に、改めて婚約者を見繕うって話になったみたい。多分なんだけど、アンネマリー様は殿下と婚約したくないんじゃないかな?」
「……それは、そうかもしれないね」
当時の縁談を断ったのが、もし公爵家側なら、嫌がったのはアンネマリー様側という事になる。
「だから、今回のパーティーで出来ればルシウス殿下に『自分以外』の令嬢を見初めて欲しいと思っているのよ。それで、貴方に目を付けた」
「なんで、そこで私?」
「だから『可愛いから』よ。貴方なら、殿下も目を付けるかも、って。そう思ったんじゃないかしら」
「ええ!?」
それじゃあ、まるで生贄扱いでは?
アンネマリー様、困っていらっしゃる様子だったよね。
あれは、参加したくないパーティーに参加させられて、ルシウス殿下の婚約者にされるかも、って困っていたの?
「声を掛けられているのは、どうもカレンだけじゃないみたいなの」
「そうなんだ!」
ああ、そこは私だけじゃなかったのね。良かった。少し気持ちが楽になったよ。
「女子だけ増えても何だから……婚約者の居ない男性限定で、男子生徒たちにも参加を呼び掛けているらしいわ」
「あ、男子も沢山居るんだね。あれ、そうなると」
そうなると話が変わってきますね。
もしも、ルシウス殿下と側近のお二人だけが相手なら、私は場違いだったでしょう。
ですが、婚約者の居ない男子がそこに沢山居るというのなら。
将来のハートベル男爵になってくれる男性に出会うチャンス……では!?
「そう。殿下たちの事は、もう高位貴族の令嬢にお任せして。カレンは、手頃な相手を見つけるチャンスって事ね!」
「セリアは?」
「私は呼ばれてないからねー」
「でも、セリアなら……」
伝手を辿ってどうにでも参加できそうな気がするんだけど。
「うーん、まぁ、心配しないで。私には私の将来設計があるからさ。カレンは、ちゃんと相手を見つけないとでしょ?」
「それはそうだね……」
同じように考えている人が他にも居るのなら、学園で誰かを探すよりも、ずっと楽な気がします。
こう、クラスの男子生徒に片っ端から声を掛けて、とか。
そういうのは、はしたなくて出来ないですよね。
自然と恋愛関係に至るのがベストかもしれませんが、私には中々難しくて。
高位貴族主催で、そういった催しをしてくださるなら……はい。
希望が見えてきた気がします。
「いっそ、そこで本当に婚約者を決めちゃいなよ、カレン」
「そんな事……」
簡単に出来るワケありません。
特に男性と交際した経験も、それに至った経験だって私には、ないのですから。
ですが……。
「そうだね、うん。出来るワケないって思うけど……私、頑張ってみるよ、セリア!」
「その調子! カレンは可愛いのは、お世辞じゃないからね。自信を持ってね!」
「うん、ありがとう!」
アンネマリー様には、いい機会を与えていただいたと感謝する事にします。
私は、パーティー参加に向けた準備を始めました。
幸いドレスを用意する必要はなく、皆さん、学園の制服で参加するみたいです。
こうして、ちょっぴり不安を抱えつつも、私は決意を固めて『コンカツ』パーティーへと向かったのです。