廃墟
僕はRUU。
大好きなことは自分のことを罵声すること。
何でそんなことをするかだって?
だって誰も僕を見てはくれないから。
時は白銀には程遠い粉雪が舞踊る1月。
RUUは一人で廃れかけた公園のベンチにまたがっていた。
背もたれさえも失った無惨な姿が又がることによって心なしか虚像が浮かび上がるのである。
RUUはその物を誇らしげに微笑しては腰を振り、声をあげさせた。
ギーコ、、、ギーコ、、、
今にも壊れてしまいそうな切ない音。
RUUは何を考えているのか。
一般の人間は今にも崩壊しそうな物にはあえて触れない。
なぜ?
無くなることに自分を関わらせたくないないから。
ある日のRUUがそんなことを口走っては、ふふふっと見透かしたような冷めた笑いをこぼしたことがあった。
では、RUUに問うよ。
『君にとって無とは?』
RUUの長く棒のような脚がピーンと伸びる。
その行動は大きな悲鳴と共に崩れ落ちた。
『僕。』
恐ろしいほどの満面の笑みでRUUは答えるのである。
それをRUU自身はぞくりと鳥肌をたてずにはいられなかった。
誰もRUUを批判しない。
誰もRUUを見ようとはしない。
RUUは自身の体を強く抱きしめる。
大丈夫。
ゴールは目前だ。
早ければ明日だ。
RUUの瞳の奥で何かが光り輝く。
無残な残骸をみつめながら。
夜がきて。
朝がきて。
僕はひだりの小指に輝くピンキーリングを飾る。
月の光ではシルバーに。
太陽の光ではゴールドに。
そこにはRUUと掘られた跡。
僕ははにかむ。
待ってるよ。