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第43話 主人公③ (リリス視点)

少年編 3.5章


間章です。他登場人物視点で書いています。

(リリス視点多め)

「さて、精霊術についてもう少し詳しくやろうか」


師匠の家に連れて帰られた私はそのままその家でぐっすりと眠った。そして朝起きて朝食を食べおえたところで突然言われた。


「な、何をするのですか?」


上ずった声で私は聞く。


これから普通の人のように魔法が使えるのだと思うと気持ちが高揚してしまっていた。


「まあ、そう慌てずに。まずは精霊との会話をしようか」

「精霊との会話???」


どういうことか分からず首を傾げる。


「そうだ。精霊術の素質を持っている者は精霊と会話できるのだよ。我だってこの子達と会話できるぞ」


そう言って師匠は目を瞑る。何かを祈るように手を前で握ると周囲の精霊たちが寄って来る。


「わあ〜〜すごい!」


師匠の周囲に色とりどりな精霊たちが集まる。


「我が集まるようにお願いしたんだ。こうやって願うことで精霊たちと繋がることができる」


私は感心して何度も頷く。


これまではできなかった事ができる。それだけで嬉しくてたまらない。


「私、やってみます!」

「おお、試してくれ」


許可を貰った私は師匠と同じポーズをとり、目を瞑った。

全神経を集中させて全力で精霊たちの声を聞こうとする。


 みんな、集まって!


・・・・・・・・・・・・


何も聞こえない。

私は何度も呼びかけるが応じてこない。


「そんな直ぐには行くものではないぞ。我だって三年かかったのだから」


目を開けて訳が分からず師匠を見ると言われた。


「そ、そんなに難しいんですか?」

「ああそうだ。これからの課題は精霊と会話をすること、そして精霊を知ることだ。それを中心的に行おうと思う」

「・・・分かりました」


私は物事はそう簡単には行かないのだと知った。




私の朝は早い。


師匠と順番で朝ごはんを作っており、それが終わったら洗濯と掃除。


昔、あの家では使用人に仕事を押し付けられたりされたことがあるため手慣れている。


朝の事が一通り終わったら次は精霊と会話だ。


 みんな集まって!


・・・・・・・・・・・・


今日も反応なし。


その後は着替えて数キロのジョギング。

師匠が言うには精霊術士は体力も大事なのだとか。


私はそれらが終わると師匠と精霊についての勉強をする。



精霊には主に二種類が存在する。

一つが守護精霊。この精霊は特定の場所に住んでいる精霊であり、その土地からは移動することが出来ない。ただ、術者との契約というものをすることで分体を作って移動することもあるのだそうだ。

二つ目が浮遊精霊。今もそこら中に漂っている精霊たちのことで、どこにでも移動可能。守護精霊に比べて弱い精霊だ。

精霊の強さは下から、浮遊精霊、守護精霊、精霊王、精霊神。


精霊王や精霊神は滅多に現れなく、どういった精霊かもあまり分かっていないらしい。


精霊たちの食事は魔力。彼らは生み出された魔力を取り込むことで生きているのだ。


「さて、契約について説明するぞ」


師匠は本を開いて話し始める。


「契約は神聖なものなのだ。精霊と精霊術士本人のそれぞれの同意がないと出来ないものだ。二つに信頼のようなものがあって初めてできるもので滅多にできるものではないんだぞ」

「師匠は?」

「私も一体としている。南の方の守護精霊だ」


そう言って目を瞑ると、しばらくして青い一体の他よりも大きな精霊が師匠の頭の上に乗る。


「この子が我の契約した子だ」


そう言って師匠は精霊を掌の上に乗せる。可愛がるように撫でると嬉しそうに震える精霊。


「私も契約できますかね?」

「それはお前の頑張り次第だ。我もこの子と契約したのはつい最近だぞ」

「へぇ〜〜」


感心する。


「?そう言えば師匠は以前、世界中を旅していたと言ってましたよね?」

「ああ、そうだぞ」

「仕事は何をされているんですか?」


私はずっと疑問だったことを質問する。

ここ一ヶ月、師匠はほとんど家にいて偶にふらっとどこか行くのだ。

気になりすぎて質問したがはぐらかされた。


「秘密だ。それより、早く精霊術を使いたいんだろ?だったら勉強の手を休めない」

「はい」


はぁ〜〜〜。早く精霊術使いたい。


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