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第4話 魔法

次の日。


僕は朝早くから外に出た。


庭につくとすでに父がいるようだった。


今日、僕は初めて魔法を習うのだ。



「ルイ、準備は出来ているか?」

「はい」


父はニカッと笑いながら説明をし始める。


「魔法については勉強したか?」


「はい。空気中にある魔素を魔力に変換し、詠唱することで魔法となります」

「そう、その通り。詠唱とは大昔に生み出されたもの。言葉に魔力を込め、魔法陣を展開させて打つ。そういう仕組みになるように我らの先祖が作ったのだよ」


勉強した通りだ。


「よし、見せてやるぞ」


そう言って父は辺りを見渡す。


「あそこの的でいいか」


五十メートル離れた場所にある的を指差す。


「行くぞ、見ていろ」


腕を前に出し、詠唱し始める」


「風なる民よ、突風を起こせ、【ガスト・ウィン】!」


その瞬間、父の手の前に水色の魔法陣が展開される。そこに無数の魔力が集まるのを感じる。


魔力が集まり、風へと変化する。


風の塊となった魔法が的目がけて飛んでいく。



 シュッッ―――――ドーーーン



大きな音を立てて的に当たった。


「おおぉ!!!」


感嘆の声が漏れてしまう。


これが魔法、これがファンタジー!


改めて異世界に来たのだと感じた。


「よし、ルイ。お前もやってみろ」


父がこちらを向いて言う。


「わ、分かりました。やってみます!」


俺は先程父がやったように真似をする。


「風なる民よ、突風を起こせ、【ガスト・ウィン】!」



・・・‐―――――・・・



何も起こらない。


あれ?ちゃんと詠唱したのに。


「プッ、ハハハ!」


父が急に笑い出す。


「ルイ、そんな簡単に魔法は打てないよ。魔力をまずは作り出す。そこから始めないと」

「魔力を作り、出す?」

「そう。変換をする感覚を掴めないと魔法を放てない。だからその練習からだ」


けっこう難しいんだな。


「廻りの魔素を感じ取り、自分の中に取り込む感じでやるんだ」


?全くわからないがやってみるか。


「ふんっっっん〜〜〜」


からだに力を込める。すると、何かを感じた。


何なのか分からなかったが、取り込むようにする。


言葉では説明できない何かが、自分でもどうしたかわからないやり方で体に入り込む。


「おお、凄いぞ!」


父が驚きの声をあげる。


つまり、この何かが魔素と言うわけか。つまり、僕は今魔力を作り出しているのか。


体の中に何かが溜まっていく。


こ、この後どうすれば良いんだ?


と、とりあえず魔法を詠唱してみるか。


「とりあえずその―」

「風なる民よ、突風を起こせ、【ガスト・ウィン】!」


父が何か言おうとしていたがそれを遮って魔法を放つ。


手に魔法陣ができ、そこに何かが集まる。


同時に体の中にあった何か、多分魔力が吸い出されていく。


風の塊ができ、真っ直ぐ別の的へと勢いよく進む。



 シュッッ―――――ドーーーン



大きな音が辺りに響き渡る。


「まさかこの歳で魔法を放てるとは・・・」


父は驚きを隠せない表情を浮かべる。


「お父様、これでいいのですね!」

「あああ、素晴らしいよ!」


父が俺を抱っこする。


初めて、魔法を放ったぜ!


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