第254話 主人公② (リリス視点)
投稿が遅れて申し訳ありませんm(_ _)m
最初は3章の最終話を書いていたのですが、投稿する前日ぐらいに読み直して何かが違うと思い、また一から考え直しました。
色々と検討して、4章を書くことを決めました。すでに書いていたものも、訂正して今後投稿します。
4章始まります!
3年生の一学期が終わり、夏休みに入った。
[リリス、そんなに慌てる必要はないと思うぞ]
クロが優しく語りかけてくるが、私はいても立ってもいられなくなっている。
[クロの言う通りじゃ。そこまで重要なことではないかもしれない]
[ね、姉さん。人間っていうのは、け、結構繊細な生き物なんだよ。ね、姉さんも僕がいなくなったら、さ、寂しいでしょ?]
[別に、妾は一人でも問題ない]
姉の言葉に落ち込む雷の精霊王、タルル。
姉である水の背霊王、フィーンは弟の方を見向きもせずにリリスの周りを飛び回る。
[ねえ、リリス!それよりも大きな湖に行こうよ!]
水の精霊なだけあって、水辺が大好きなフィーン。
でも、私は構ってる余裕はない。
[無視をするな!]
ちょびちょびと水を掛けられるが、無視を決め込む。
私の心を読み取ってか、クロが間に入ってくれる。
[フィーン、やめろ。いいか、リリスの師匠はリリスにとって親のようなものなんだ。大事な存在だから、心配に決まっている]
[随分人間らしいことを言うようになったわね]
バチバチと睨み合う2体の精霊。
しばらく沈黙が続くがそれを破るように部屋に入ってきたのは、宿を経営しているナルガさん。
心配そうに私を見つめながら手を握りしめてくる。
「大丈夫だわ、きっとあの人は心配ない」
そう慰めてくれるが、私の決意は高い。
「師匠は謎多い人ですけれど、私を保護してくれるような優しい心の持ち主です」
もしかすると何かの事件に巻き込まれているかもしれない。
「こういう時に、手助けをするのが弟子だと思います!」
この学園での2年半、たくさんのことを学んで乗り越えてきた。
師匠が入学を勧めてくれた意味が、何となく分かった気がする。
まだまだ未熟だけど、師匠の隣に立てるような一人前の精霊術士に成長はできたと思う。
今、師匠を助けなければ後悔をすると思う。
「ナルガさん、私は行きたいと思います!」
「そう、分かったわ。止めはしないわ」
ナルガさんは、やれやれとした表情をしながら私の頭を撫でてくる。
[クロ、フィーン、タルル。付いて来てくれる?]
私の言葉に、3体の精霊たちは順番に答えてくれる。
[もちろん、それがリリスとの契約だ!]
[仕方ないわね、妾がいないと弱いんだから]
[い、一生懸命、が、頑張ります!]
私はその返事に笑顔で答えた。
荷物を整理していざ出発をしようとした時、不意にフィーンが一つの質問をしてくる。
[ねえ、そういえば聞いていなかったんだけどさ、]
「ん、何?」
[貴方の師匠の名前って何?もしかすると知っていたりするかも]
私はその質問に言葉が詰まる。
「え〜っと、ア、アラ・・・何だっけ?」
全く思い出せない。
「クロ、覚えてる?」
[知らないぞ、聞いたこともない]
そっか、クロはそこまで師匠とは長くないのか。
「そうだ、ナルガさんなら知っているかも!」
私はそう思って、ナルガさんに訪ねた。
「ねえ、ナルガさん。師匠の名前って分かりますか?」
「う〜〜ん、確か最初に出会った時はディーナと名乗っていた気がするわね。まあ、偽名かもだけど」
そうだ、確か師匠はディーナ・・・だったよね?
まあ、そういうことは気にせずに。
私は宿を出て、そのまま南に向かった。
1週間後。
久しぶりのマーセルの街は、少し騒がしい雰囲気をしていた。
色々と町中を回りたい気持ちもあったが、まずは師匠と過ごした家へと帰る。
久しぶりの家には誰もおらず、だけれど誰もいないのに綺麗にされていた。
特に変わったことはなく、強いて言うなら一冊の本が置かれているだけ。
歴史のある本で、中を見ると精霊術に関して色々と書かれていた。
その中で、一ページだけ端が折られているのに気がついた。
そのページを気になって読んでみる。
内容は、”スピット村”という場所について。
どうやら過去に大きな爆発に巻き込まれて村人は全員亡くなり、現在は森に覆われているらしい・・・・森?
そういえば、手紙には『例の森で』と書かれていた。
最初は何処か分からなかったけど、おそらくクロと初めて会ったあの森だろうと予測していた。
「地図を見なきゃ」
私はカバンから、地図を取り出して広げて見る。
マーセルの南にある大きな森。
よくよく見てみると、地図では森の全容がはっきりと描かれていない。
私はハッと気がついて置かれていた本の中から、スピット村の位置を割り出してみる。
時間はかかったが、地図に描かれていない部分におそらく存在するはず。
この本の意味、場所、理由・・・様々なことが分からなない。
それでも私は師匠を助けに行く。
本をその場に置いて、すぐに南の森へと向かった。
その後すぐに、一人の少女が家に入ってきたことにリリスは気が付かなかった。




