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第246話 捜査


マーセルに着いた次の日。


色々と作戦はあるが、とりあえず当初の予定をこなしておこうと思う。


盗まれた資料を取り返すという。



マーセルの街に出た僕ら。


連れてきているのは、アルスとレーナ、テラ、そしてオールド。


正直この四人、プラス僕がいれば負ける気がしない。


一応お忍びということで目立たない格好をしているが、少し周りからは浮いている気がする。


マーセルは商業の街とはいえ、来る人の多くは大人たち。


そんな中で四人の子供がいたら、周りからはジロジロと見られる。


そんなことはお構いなく、調査隊が襲われたという場所へと向かうことにした。


襲われた場所は、マーセルの街の中でも北の方にある路地裏。


どうやら情報提供者と会うために、向かったらしい。


襲われた人数は五人。


内四人は死亡、一人が生き残って帰ってきたらしい。


五人はそれなりの魔法か剣の使い手のようで、並大抵の相手では倒せないらしい。


敵もそれなりに強いということだ。



目的の路地裏へとたどり着いた僕たちは、とりあえず辺りを散策しようと思った。


だが不意に、テラが止まった。


「全員、動かないでニャ!」


僕達はとりあえずその場で立ち止まった。


「何だ?」

「ここの路地、いっぱい罠があるニャ」


その言葉で地面を眺めるが何の変哲もない。


だからとりあえず魔力を辺りに流してみると、かすかに魔法の反応が認識できる。


ここに罠があるということは・・・


「誘き出そうとしているのですね」

「そうなるな。なるほど、だから一人生きて帰ってこれたって訳だ」


もう一度誘き出して自分たちを探る奴らを殺す、というのを何度も繰り返しているのか?


「もしかしたら、逃げ帰った調査隊の一人は操られいたのかもしれません」

「???」


アルスの言葉に首を傾げる。


「ルイ兄様の言葉通りでは。不確定すぎます」

「???」


僕は首を傾げるが、レーナは分かったかのように頷く。


「なるほどね!」


オールドも大きく頷いた。


僕は一つ一つ全ての言葉を思い出して、結論へとたどり着いた。


「そういう訳か」

「はい、逃された人は報告をした次の日に亡くなりました。本当にギリギリで」

「誰かに報告するという使命感があったとも考えられるが・・・そんなのは不確定すぎる。誰かが探っているとしたら、もう一度来てもらわないと困る」

「ええ、そうです。だから、操ったのです」

「そしてそれは何かしら精霊術。どういうものか知らないが、情報を口に出した後に死ぬっぽいな」


僕は大きく頷いた。


だが、テラが水を差すように一つの質問をする。


「でも、どうして操られているのが分からなかったニャ?医者の検査は受けたはずなのに」

「・・・・お前、馬鹿だな」

「ニャ、だからなんだって言うニャ!」


面倒くさいが、馬鹿のために簡潔に答えた。


「答えはシンプル、精霊術なんて医者は知らないからだ」

「あっ」


やっと気付いたかのようにハッとする。


「単純な答え―――!!!」


何か怪しい気配がした。


「ルイ様、お下がりください」


オールドが僕の前に出る。


周りを見渡すが、人の気配がしない。


と、言うよりも精霊術士は普通の人と同じ様な気配がないのだ。


魔力で探知しようとしても、引っかからない。


周りを注視しながら、路地を進んでいく。


仕掛けられた罠をテラとレーナが解除して、男三人で警戒をする。


しばらく進んでいくが、何も起こらない。


「おかしいですね、確かに気配は感じたのですが・・・」


オールドが首を傾げる。


それでもどんどん奥へと行くが、迷路のような路地では来た道すら見失いそうになる。


「なあ、まるで一年の時に行ったあの迷宮みたいだな」


その言葉にハッとする三人。


テラだけは分からないだろう。


「来たぞ!」


誰かの叫び声が聞こえた。


僕ら全員が戦闘態勢になる。


声がした方―――頭上を見た。


そこには黒いフードを被った五人の男たちがいた。


そして上から落ちてきて、僕らへと襲いかかってきた。




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