表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
236/256

第236話 武闘大会

最初の方は特筆すべき戦いはなかった。


クラスの中でもトップの成績を持つ奴らが出ているだけあり、中々いい試合が行われている。


まあそれでも時間はかかっている。


僕だったら一発で終わるのに、五分も費やされるなんて。


「ルイ兄様、相変わらず心の声が顔に出ています」


アルスはそう口で言いながら、少し興奮した表情をしている。


アルスもまだまだ子供だからか、こういうのには燃えるのだろう。


さて、四組目にでてきたのはラルトなる人物。


二番人気で剣の腕前はトップレベル。


対戦相手は魔法師だが、はっきり言って不利すぎる。


魔法師が魔法を放とうとする前に、ラルトは一気に距離を詰める。


だが僅かに魔法のほうが早く発動した。


が、そんなことをお構いなしに突っ込むと、飛んできた魔法を綺麗に真っ二つ斬った。


魔法をぶった斬った後はそのまま剣を相手に突きつけて降参させる。


やっぱり強いな。アルスと比べると・・・・どうだろうか?


「アルス、お前とどっちが強いんだ」

「愚問ですね。流石に剣王に負けるわけがありません」


そう言いつつ、少しシュンとなるアルス。


おそらく自分も出て戦いたんだろうけど・・・今日は残念ながら叶わない。


「そうだな、帰ったら僕と手合わせしよう」

「遠慮します」


食い気味に断られた。


何でだよ!



次に登場したのはリリスと剣を腰に挿している男子生徒。


今のリリスだと相手にもならず、一瞬で決着がついた。


相手に剣を突きつけて、何が起こったか分からない男子生徒はへなへなとその場に座り込む。


見物客全員がポカンとする。


「なあ、去年や一昨年はリリスは出場しなかったのか?」

「記録によるとそうです。一昨年は自分とレーナが、去年は殿下とラノルドが出ています」


面子がまあまあ強いな。


「ちなみに結果は?」

「一昨年は優勝と準優勝を、去年は三位と四位だったそうです」


アレックスの野郎、負けるんじゃねえよ!


「はあ、これじゃあリリスの実力は全くわからない」


もう一回潰そうかな?


「あ、テラです」


僕が別のことを考えていると、どうやら次の試合に移ったらしい。


テラの登場で一瞬会場がざわざわとしだす。


「何で獣人が出ているんだ?」 「どうやらブルボン公爵家の者らしいよ」 「あの噂の嫡子の」


全員の視線が僕や父たちに集まる。


テラの相手は不気味な雰囲気を身に纏う、フードを被った生徒。


どこか異質であり、嫌な予感がする。


スタートの合図とともに何かを唱えたフード生徒は、足元から二体の髑髏を召喚した。


「ネクロマンサーか!」


これは珍しい。


ネクロマンサーは死体を操る魔法師のために、貴族からは嫌われている。


習得も難しくやる人もいないため、ほとんど廃れたと言って良い。


だが、その実力はやはり強い。


闇魔法は相手の士気や気力を下げる効果もあるため、上手く前に出れない。


最初は攻めあぐねていたテラ。


だが突然目を瞑るかと思うと、何かを唱えだす。


その瞬間、魔法陣が発動して黒い煙幕が会場を覆い出す。


視界が悪くなってくると、その闇に紛れてテラは走り出した。


煙幕が消えた時には、地面で伸びた状態のネクロマンサーが現れた。


テラは一切ナイフを抜いておらず、観客がどよめき拍手がおこる。


「さすがテラですね」


レーナが嬉しそうに言うが、僕は不満だ。


せっかく戦闘の見物を楽しもうと思ったのに、一瞬で終わってしまった。


しかも煙幕のせいで何も見えなかった。


護衛としては優秀でも、手下としてはなっていないな。


ため息を吐きながら次の試合に期待することにした。



その後は特に目立った試合はなく、一回戦最終戦だけとなっていた。


確か一番人気のスタールとやらが出ることになっている。


どんな奴なのか、少し気になり前のめりになる。


「四年、スタール・デ・ルクヒト!」


大きな歓声を受けながら長髪のイケメンが出てくる。


顔から分かるように、主に女子からの声援が凄まじい。


次に相手の名前がアナウンスされる。


「二年、マリー・デ・エヴルー!」


小さいが声援が・・・・ってはぁ???


何でマリーが出ているんだよ!そう言えば見ないと思っていたが・・・


アルスたちを見ると全く驚いておらず、僕の視線に気付いて首を傾げた。


本当にどういうことだよ!!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
こんにちは。 第218話からマリーアの名前がマリーになっています。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ