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第208話 決闘③ (リリス視点)

駆け出した私に向けて正面から魔法を打つマリー。


「【ハイブレス】!」


渦巻いた突風が私を勢いよく襲いにかかる。


【ウォーバー】


私は相殺するように水の精霊術を放ち、そのままマリーに向けて走り出す。


私は剣を地面と並行にして横からマリーに向けて振る。


それに気付いたマリーはすぐさまバリアでガードをする。


剣を弾かれた私は、その反動を活かしてもう一度、今度は上から振り下ろす。


今度も頭上にバリアを張る。


右、左、上、正面。


私の攻撃は全て防がれる。


でも、同時に相手の攻撃を繰り出す隙を与えず、更に体力も減らしていく。


もちろん、自分の体力も削られているが。


「いつまで防いでいるつもり、マリー!」

「黙りなさい!」


私の言葉に強気に返してくる。


私はもちろん攻撃の手を休めない。


「もう、鬱陶しい!!!」


そう叫んだマリーは突然地面に向けて魔法を放つ。


・・・無詠唱!


私は咄嗟に後ろへ下ろうとしたが少し間に合わなかった。


地面から大きな煙幕が上がり、一瞬で視界が塞がれる。


目を開けても一歩先が見えない状況になってしまう。


何より私は感知魔法が使えないから居場所がわからない。


[リリス、左!]


クロの言葉に反応して左に向けて【ウォーバー】を放つ。


[あ、それは―――]


私が放った水の渦が飛んできた何かに当たる。


バーーーーンンン


大きな音と共に爆風が巻き起こる。


[火魔法だな]


私は飛ばされながらも、何とか受け身を取る。


数十メートル吹っ飛ばされながらも立ち上がる。


「あらあら、しぶといこと」


爆風によって煙幕は消え、マリーが姿を現す。


遠目の方からジロリと私を見てくる。


精霊術士の最大の利点がその攻撃の速さ。


本来は詠唱をするべき時間を無くせるのだ。


その利点が消えた今、相手との完全な力比べになっている。


何とかできているが、長丁場にはしたくない。


今度は魔法を出し惜しみせずにバンバンと使ってくる。


それをうまく避けながら、また次の作戦を模索する。


相手との距離は一向に縮まらない。


どうすれば・・・・


[ね、ねえ。やっぱりあれをやるべきだよ!]


普段は意見を言わないタルルが珍しく提案する。


[おい、タルル。あれはリリスへの結構な負担となる]

[何より出せるタイミングが難しいわよ]


直ぐにクロとフィーンが反対する。


[でも、打開策としてはそれが一番でしょ!]

[そうだが・・・]


精霊たちが考え込む。


[いいよ、やるよ]


私は精霊語で心の中で答える。


[だが、―――]

[クロ、私は大丈夫だから]


私は語気を強めてクロを黙らせる。


こんなところで出し惜しみしていたらまた負けてしまう。


それだけは嫌だ。


私はただあれをやるためだけの作戦を一瞬で考え、直ぐに距離を詰めるように前に出る。


【ストップ】!


魔法が当たるかもしれないけど関係ない。


私は迷わずマリーアに向けて突っ込む。


これの条件は二つ。


一つは相手との距離が十分であること。


もう一つが相手が自分よりも低い目線で且つ地面に手をつけていること。


私はストップが解除されると同時にマリーめがけて剣を放り投げる。


と、同時に後ろへと思いっきり下がる。


投げられた剣は【グラビティー】により軽くなっており、予想以上にまっすぐ向かっていく。


思ってた以上に伸びた剣を咄嗟に避けるマリーだが、その避けた先の地面に大きめの石がありそれに足を取られる。


もちろん偶然ではない、必然よ。


つまづいたマリーはそのまま尻から地面に落ちて、手を付いた。


私はそこめがけて精霊術を放つ。


【ウォーレールド】!!!


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